人はなぜ100円で怒り、3,000円でドヤるのか。
最近のエアコンは、よくしゃべる。
設定温度を変えると、
「設定温度を26度に変更します」
冷房を入れると、
「冷房を開始します」
お休みタイマーを押すと、
「お休みタイマー、6時間でセットします」
……はいはい。
わかりました。
こちらが操作するたびに、
きちんと報告してくれる。
実に親切。
そこは、しゃべらんのかい。
ある日、故障ランプが点滅した。
エアコンは動いている。
冷房も効いている。
なのに、故障ランプが点滅している。
…え?
故障なの?
動いているけど?
とりあえず説明書を引っ張り出す。
……最近の家電は機能が多い。
ボタンも多い。
設定も多い。
何か起きると、
説明書を読まないとわからない。
涼むために買ったのに、
なぜかこちらが勉強することになる。
基板の話が、雑巾で終わった。
5年間保証があるので、
メーカーに電話した。
状況を説明すると、
基板が壊れている可能性があるという。
そして、出張費の話まで出てきた。
まだ修理もしていないのに、
話だけは着々と進んでいく。
もちろん、電話口で実物を見られないのだから、
すぐに故障箇所がわからないのは仕方がない。
それはわかる。
でも。
設定温度を1度変えただけで、
わざわざ音声で知らせてくれるエアコンが、
故障ランプの点滅については、
何も教えてくれない。
「設定温度を変更します」は言える。
だけど、「掃除してみてください」は言えないらしい。
結局、
汚れがないプラズマクラスターを水洗い。
自動お掃除機能がついているフィルターも水洗い。
ゴミがたまってないゴミウケも掃除
エアコンの奥、壁側についていたほこりも掃除した。
すると。
普通に戻った。
……え?
基板は?
出張費は?
いや、もちろん、
今回の原因が何だったのかは断定できない。
ただ、掃除したら動いた。
それだけは確か。
そこまで賢くて、なぜ黙る。
設定温度を知らせる。
冷房の開始を知らせる。
タイマーの設定まで知らせる。
そこまで細かく案内できるのなら、
故障ランプが点滅したときにも、
もう少し教えてくれていいと思う。
何が起きているのか。
何を確認すればいいのか。
掃除で改善する可能性があるのか。
機械にも判断できないことはあるだろう。
ならば、
「原因は特定できません。
まずは、ここを確認してください」
でもいい。
こちらだって、
いきなり基板と出張費の話をしたいわけじゃない。
機能が増える。
判断が細かくなる。
音声で知らせる機能まで付く。
なのに、困ったときは説明書を探し、
メーカーに電話して、
こちらが状況を説明する。
エアコンは、ずいぶん賢くなった。
でも、故障したときの説明は、まだ人間任せ。
……次の新機能は、ぜひ。
故障ランプが点滅したら、
「まず、ほこりを確認してください」
と教えてくれる機能で。
基板の話になる前に。



