「危険です。」のサブスクが始まった

鎌田千穂

鎌田千穂

テーマ:心のあり方のヒント

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朝、スマホが鳴る。
「今日は危険な暑さです。」

テレビをつける。
「不要不急の外出は控えてください。」

ニュースを見る。
「命を守る行動を。」

……朝ごはんを食べる前から、
命が3回くらい危険になっています。

最近は一日が、
「危険です。」のサブスクです。

朝も昼も夜も自動更新。
解約ボタンは見当たりません。

( ̄▽ ̄;)

安心のための情報なのに

もちろん、情報は大切です。

熱中症も。
大雨も。
詐欺も。

知らないより知っていた方がいい。
でも、人間の脳は少し困った性格をしています。

一回聞いただけなら気を付けます。

ところが毎日聞いていると、

「世の中って、そんなに危険なの?」

という気分になってきます。

実際に危険が増えたかどうかより、
危険という言葉を聞く回数
で、世界の見え方が変わってしまうんです。

脳は回数に弱い

スーパーへ行く。
「熱中症に注意。」

コンビニ。
「特殊詐欺に注意。」

駅。
「不審者を見かけたら。」

テレビ。
「命を守る行動を。」

スマホ。
「警報です。」

……もはや一日が、
「注意してください。」のフルコース。

朝も昼も夜も自動更新。
解約ボタンは見当たりません。

( ̄▽ ̄;)

もちろん全部ウソではありません。
地震や大雨など、本当に命に関わる場面では、警報は人の命を守る大切な情報です。

今日書きたいのは、その先の話。

人間の脳は、危険という情報を浴び続けると、世界そのものを危険だと感じ始めることがあります。

何度も危険を見聞きすると、

「世の中は危険でいっぱいだ。」

という印象だけが積み重なっていきます。

危険を伝えるって、それこそ大切。

でも、人間の脳は少し厄介。
安心を増やそうとすると、
不安まで一緒に育ててしまうことの方が多い。

安全と安心は違う

不思議ですよね。
昔より安全なものは増えています。

車には安全装置。
家には防犯カメラ。
スマホは現在地まで教えてくれます。

それなのに、
昔より安全になったはずなのに、
安心だけ、道に迷ったまま帰ってきません。

むしろ、少しのことでも不安になる人が増えた気がします。

安全を増やせば安心も増える。

そう思っていました。

でも、人間の心はそんなに単純ではありません。

安心を増やすほど、不安は育っていく

危険を知らせることは大切です。

でも、
危険だけを何度も聞けば、
脳は世界そのものを怖い場所だと思い始めます。

安心のために流した情報が、
結果として不安を育ててしまう。
人間って、本当に効率の悪い生き物です。

だから必要なのは、
「危ないですよ。」
だけではありません。

「こうすれば大丈夫ですよ。」
までセットで伝えること。

人は、危険を知るだけでは安心できません。
対処法を知って、初めて安心できます。

最後に

最近のスマホは、

暑さを心配し、
雨を心配し、
詐欺を心配し、
地震まで心配してくれます。

ありがたい。
本当にありがたい。

でも、そのうち、

「今日は人間関係でも無理をしないでください。」
「野菜も食べましょう。」
「早く寝なさい。」

なんて通知まで始まりそうです。

……AIが人類を支配する未来より、

スマホに心配され続ける未来の方が、もう始まっています。
しかも、充電が切れた瞬間、急に放任主義になる。

( ̄▽ ̄;)

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鎌田千穂
専門家

鎌田千穂(産業カウンセラー)

Chi-ho’s studio

組織課題を広い視野で捉え、主体性を持った思考と行動力、公私の均衡を図る自律型人材育成を行うこと。分析・統計による業務改善の解決策を示し、個人の悩みを解き放ち、企業の繁栄に繋げることが専門です。

鎌田千穂プロは九州朝日放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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