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コラム

研修の目的とねらいを理解する

2019年4月8日

テーマ:やる気を維持するヒント

コラムカテゴリ:ビジネス

メンタルヘルス研修とカウンセリング(相談員)研修の違い

私が依頼されたメンタルヘルス研修の実施後のアンケートを出してもらう際、
良くある回答が、
「会社で参加しろと言われたのできた。」
「メンタルヘルス対策で相談員研修を受けている。」
「何の意味があるのかわからない。」
「精神面で弱い人がメンタルヘルス不調になる。」
「自分は関係ない。」などという、
固定観念や先入観が受講時の邪魔をして、研修効果が半減している、もったいない回答がちらほら見られます。
そこで、今回のお話は研修には、ねらいと目的があり、その研修の違いを理解してほしいなと思って表にしました。
研修の違い
というところで、
技法の習得か、自分の中の何かを変えるのかという点で、全く別物になります。
企業で良く取り入れられている研修は、主に技術や技法を入れているモノが全般だなぁと思っています。

自己マネージメントスキルを向上する研修

私が行うメンタルヘルス研修を始め、その研修の内容の多くは、自己マネージメントスキルを向上することに力を発揮します。
その為、講座の軸は、自己理解を深め、自己の強みを知り、自分と相手の違いを受入れ、自らが信じて、行動を阻害している自分の癖や習慣的な考えから新しい考えを手に入れ、自らの力で自律していくことがねらいです。

自己マネージメントスキルが向上してくると、相手を尊重しつつも、きちんと自分を大切にすることが可能になります。
そして、参加している方々それぞれの成長内容は変わってきますが、自らの行動・思考・感情など、自分に何が必要で、何を望んでいるのかを客観的に認識することができるため、心が欲している真の事柄が明確になる方が多いようです。

その為、研修の時は、その日一日の流れはあるのですが、集まった方々の立場や考え方は様々なので、その時に参加された方々の動きや座り方、文字の書き方など、その場で判断し、組織傾向を分析しながら、その時のグループに合わせて、グループカウンセリングの仕組みをふんだんに取り入れたカスタマイズ研修を行います。
日ごろ深く話すことがない多くの職員同士と、お互いの考えや経験談などを、共有する機会が生まれます。そのことで、偏見や先入観で見誤っていた事実を理解し、相互理解が深まりやすくなります。

私としては、毎回イレギュラー対応なので、
分析した内容はあくまでも目安として持っているだけで100%とはいかないので、
終わった後は緊張から解き放たれどっと疲れますけど。(笑)

実施後の付加価値

参加された方は、新しい知識や情報を得ることで、価値観や固定観念に変化をもたらし、職場内での相互理解の関係など多くの付加価値が生まれていることがます。
それと同時に、自分自身のことを相手に理解してもらうために自分の考えを語ることで、自らの考えを再認識することができ自己理解が深まります。
そのことで、客観的な思考を今以上に育てることができ、職場においても主観的な考えによる依存や自責・他責などの存在否定が減少し、「相互の違いを受入れ、どう対応していくことが最善なのか」を自然体で考えられる、自己マネージメントが可能になってくることがメンタルヘルス研修の本来の役割だと考えています。

教育はより良い環境を整えるために働く人達が受ける権利

最後に、教育とは何ぞやというところです。
この教育は、働く人たちが受ける権利があり、企業は教育を提供する義務があります。
その中で覚えておいてほしいことは、教育の本来の目的です。
教育を受けた人自身が、自ら考え、自分をコントロールし、自律しながら、自分にかかわる方々が
「あなたに任せて良かった、出会えてよかった」と相互尊重の基に喜びを分かち合うために必要だという事です。

「研修を受けろと言われたから受けました。」という考え方がある教育研修のあり方に、
教育をお考えの方は、疑問を持ってほしいと言うところでしょうか。

この記事を書いたプロ

鎌田千穂

業務改善と人材育成のプロ

鎌田千穂(Chi-ho’s studio)

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