大家さんのSOS。
ソフトテニス部の高校生の方で、
ラケットを振ると大円筋のあたりから上腕三頭筋にかけて時々痛みが出る
という訴えで来られました。
こうした痛みは、単純に肩や腕だけが原因とは限りません。
実際には、体幹や肩甲骨まわりの動きがうまく出ていないことで、
結果として肩や腕に負担が集中していることがあります。
今回も、痛みが出ている場所だけを見るのではなく、
身体全体のつながりを確認しながら状態をみていきました。
今回のケースで着目したのは、
大腰筋・腸骨筋
外腹斜筋
大円筋
菱形筋
小胸筋
といった部位です。
ソフトテニスのスイング動作は、
腕だけで振っているように見えて、実際には
下半身で踏ん張る
体幹を回旋させる
肩甲骨が連動して動く
その流れで腕が振られる
という全身の連動で成り立っています。
そのため、どこか一か所でも動きが悪くなると、
本来は体幹や肩甲骨で分散されるはずの負担が、肩や腕に集まりやすくなります。
外腹斜筋の硬さが、
肩や腕の負担につながることがあります
今回特に気になったのが、
外腹斜筋の伸張がうまく出ていなかったことです。
外腹斜筋は体幹の回旋に関わる重要な筋肉です。
この筋肉の伸びが出にくくなると、
身体をしっかり捻る動きが出にくくなり、
ラケットを振るときの回旋動作が不十分になります。
すると本来は、
体幹の回旋
胸郭の動き
肩甲骨の連動
で生み出したい力を、肩や腕で補おうとするため、
大円筋から上腕三頭筋にかけて負担がかかりやすくなることがあります。
つまり、腕が痛いからといって、腕だけをみればよいとは限らず、
体幹がきちんと使えているかどうかがとても重要になります。
今回の施術では、
大腰筋・腸骨筋
外腹斜筋
大円筋
菱形筋
小胸筋
に対して、キネシオテーピング他を行いました。
その結果、施術後には痛みは消失しました。
痛みが出ていた肩や腕だけでなく、
体幹の回旋や肩甲骨の動きに関わる部分へアプローチしたことが、
今回の改善につながったと考えています。
ただし、痛みが消えても再発予防は必要です
今回の施術でその場の痛みは軽減しましたが、
部活を続ける以上、ラケットを振る動作そのものはこれからも繰り返されます。
そのため、身体の硬さや使い方が変わらないままだと、
同じ部分に再び負担がかかり、再発する可能性は高いと考えられます。
特に学生さんは、
練習量が多い
疲労が抜けきらない
痛みがあっても無理をしやすい
といったことが多いため、施術だけで終わらせず、
普段からの身体づくりが大切になります。
再発予防のために、
肩甲骨と体幹の柔軟運動のセルフケアを指導しました
胸まわりを開く
背中まわりをやわらかくする
肩甲骨をしっかり動かす
体幹の回旋が出やすい状態を保つ
といった日頃のセルフケアがとても大切です。
スポーツの痛みは、痛い場所だけ施術しても十分ではないことがあります
ソフトテニスに限らず、スポーツで起こる痛みは
痛みが出ている場所だけの問題ではないことが少なくありません。
当院では、痛みのある場所だけでなく、
なぜそこに負担が集まったのかという身体全体のつながりをみながら施術を行っています。
まとめ
ソフトテニスでラケットを振ったときに出る、
肩甲骨の外側付近から上腕の後ろにかけての痛みは、
肩や腕だけの問題とは限りません。
今回のケースでは、
大腰筋・腸骨筋、外腹斜筋、大円筋・菱形筋・小胸筋に着目し、キネシオテーピングを行った結果、痛みは消失しました。
特に、外腹斜筋の伸張不足によって体幹の回旋が十分に出ないと、そのぶん肩や腕の負担が大きくなりやすいため、体幹の使い方はとても重要です。
ただし、部活を続ける以上、同じ動作は繰り返されます。
だからこそ、施術だけでなく、肩甲骨や体幹の動きを保つためのセルフケアが再発予防には欠かせません。
「練習するとまた痛くなる」
「その場ではよくなるけれど、また繰り返す」
そのような場合は、痛い場所だけでなく、
身体全体の動きのつながりをみていくことが大切かもしれません。


