アドレナリンとメンタルヘルス:バランスを保つための管理方法

西岡惠美子

西岡惠美子

テーマ:自己啓発

アドレナリンとメンタルヘルス:バランスを保つための管理方法
メンタル管理において「セロトニン」はよく話題に上がりますが、脳内分泌ホルモンは他にもいろいろあります。
その一つがアドレナリンです。
アドレナリンって何でしょうか。メンタルにどう作用して、どのように自己管理できるか、考えてみました。

1.アドレナリンとは?

アドレナリンとは、腎臓の上にある副腎というところの中の髄質から分泌されるホルモンです。主な作用は、心拍数や血圧上昇などがあります。
自律神経の交感神経が興奮することによって分泌が高まります。その結果、主な作用として、心拍数や血圧上昇が上昇し、体のパフォーマンスが高まります。
また、覚醒作用があり、集中力や注意力も高まります。アドレナリンが分泌されることにより、目の前の恐怖や不安に対して、体と脳が戦闘モードに切り替わり、立ち向かうことができるのです。
(健康管理検定)


所謂「やる気スイッチ」の元ですね。
不安や恐怖はあるものの、「やるぞ!」という気持ちで向き合うことで乗り越えることが出来ます。

やる気スイッチを押すだけでなく、不安や恐怖、危機状態に対して体の準備を整えます。万が一そこから退避しなければいけない場面に迅速に対応できるよう、心拍数や血圧をあげるのです。
心拍や血圧の上昇は長時間続いたり常態化すると体に悪影響ですが、短期間必要な場面でだけなら有用な反応です。

2.アドレナリンが少ないとどうなる?

上述したように、アドレナリンは体のパフォーマンスを上げる役割を担っています。
なので不足することによって、様々な不都合が生じます。

①血圧が下がる

アドレナリンは血圧を上昇させる作用があるので、不足すると血圧が低下することがあります。
血圧が下がると、症状としてめまい、失神、疲労感、体の冷えなどを感じます。

②脈が遅くなる

アドレナリンの不足により、心臓の鼓動が遅くなることがあります。低血圧と共に現れることがあります。脈がゆっくりになると、心臓から体に血液が送られる量が少なくなるので、体が冷えたように感じたりします。

③疲労感

アドレナリンはエネルギー供給を増加させ、身体を興奮状態にする作用があります。その不足により、疲労感や無気力感が生じることがあります。

④不安や抑うつ感が高まる

アドレナリンはストレス応答に関与するため、不足するとストレスに対する適切な反応が制約され、不安や抑うつの症状が悪化する可能性があります。

⑤睡眠障害

アドレナリンは不安や恐怖への抵抗力を上げてくれますが、これが減ることで不安感が高まり、ストレスが強くなって寝つきが悪くなることが予想されます。

3.アドレナリンが過剰だとどうなる?

アドレナリンが過剰に分泌される場合、「アドレナリン過剰症候群」と呼ばれる状態が発生します。アドレナリンの過剰分泌は、身体にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。

①不安と緊張感

アドレナリンには血圧や心拍を上げる役割があります。これによって危機に対して素早く対応できるのですが、逆に心拍が上がり過ぎた身体反応で、「今自分は不安を感じているのでは」と脳が解釈してしまうことがあります。

②高血圧

アドレナリンの過剰分泌は、血管を収縮させ、心臓の鼓動を増加させるため、血圧が上昇することがあります。

③消化器官系の不調

アドレナリンの過剰分泌は、消化器系に影響を与え、消化不良、下痢、腹痛などの症状が現れることがあります。

④不眠になる

過剰なアドレナリンは、睡眠を妨げることがあり、不眠症の症状を引き起こす可能性があります。

⑤過敏症状

アドレナリンが増えると、身体が興奮状態になり、不安や恐怖が高まることがあります。
この状態は通常、緊急の状況に対処するために役立つもので、たとえば危険な状況での反応を改善しますが、日常生活では不快感や不安感を引き起こすことがあります。

4.アドレナリンを適切にマネジメントするには

①ストレスを管理する

いわずもがな、ですが、ストレスが過剰だからそれに対応しようとしてアドレナリンが過剰になるのです。
なのでまずは、普段の生活の中で自分にとってストレスになる要素・状況を減らす、そしてストレスコーピング(ストレス対処方法)を増やしたりブラッシュアップすることが有効です。
例えばヨガ、瞑想、マインドフルネスなどのリラクゼーション法を一つでも身につけていると便利ですね。

②適度な運動

適度な運動はストレスホルモンの分泌をコントロールするのに役立ちます。
定期的な運動はストレスの緩和に寄与し、アドレナリンの過剰分泌を抑えるのに役立ちます。

③睡眠

睡眠の時間と質を上げましょう。時間は6~8時間、質を高めるためには入眠後90分は熟睡できるようにしましょう。
睡眠不足はストレスを増加させ、アドレナリンの過剰分泌を引き起こす可能性があります。

④カフェイン摂取に注意する

カフェインは中枢神経系を刺激し、交感神経を活性化します。交感神経の刺激により、アドレナリンの放出が促進されます。
1日のカフェイン摂取量に気をつけましょう。大人の場合、ドリップコーヒーならマグカップ2杯が適量です。
また、寝る直前なども避けましょう。

⑤趣味やリラックスタイムを活用する

趣味やリラックスした活動を楽しむことは、ストレスから解放される手段となります。
楽しい活動を通じてリフレッシュしましょう。

5.まとめ

精神疾患のための服用薬には、アドレナリンに作用するものが多数あります。
精神は繊細です。リラックスしすぎてもダメ、興奮しすぎてもダメ。

どちらもバランスが大事です。

とはいえ、他の症状を抑えるために副作用としてアドレナリンのバランス不具合を受け容れなければいけないこともあるでしょう。
その時は、こうした日常生活の中で取り入れられる方法で、適切に管理していきましょう。

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西岡惠美子プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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