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「それどころじゃない」とき、どうする?

2023年9月27日

テーマ:スキルアップ/キャリアアップ

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

「それどころじゃない」とき、どうする?
大人になると「忙しい」のが「当たり前」になってしまいます。社会人なりたてはそうでもないけれど、忙しく走り回っている先輩や上司を見ると「忙しくしていなければいけないのでは」と思ってどんどん自分に詰め込む。それが続くと自分を保つための余裕もなくなってパンク寸前になります。

それどころじゃない!と思ってしまうのはどんな時か、どんな心理状態になるか、その理由と対策を考えました。

<状況>それどころじゃない状況とは?

一番は「多忙」ですよね。「席を温める暇もない」という喩えがありますが、文字通り自分の席に座る暇すらないほど忙しかったりします。

行きつく間もないほど次から次へとタスクをこなしていくと、一種のトランス状態になります。ランナーズ・ハイのような、自分の調子がとても良く感じ、能力も上がったように感じます。
ランナーはゴールがありますが、毎日の仕事や生活にゴールはありません。ずっとその状態が続くことになります。
そうすると気持ちの余裕が無くなります。

時間が無い、というのも「それどころじゃない」に拍車をかけるでしょう。
自分以外の代わりがいないのも、抱え込み状況を引き起こし、余裕を失わせます。

「もっと頑張るぞ!」と自分の背を押した結果、気がつけば一人でいくつものタスクを抱え込んでしまったりします。
または望んでいないのに一人で何役も担う状態になってしまっていた、ということもあるでしょう。
会社では「プレイングマネージャー」として、家に帰れば母親・父親として、更に育児・介護・看護を請け負っている人もいるでしょう。

<心理・健康>それどころじゃないとどうなる?

一息つく暇もないと、体よりも気持ちが追い詰められていきます。
早く早く、と自分を追い立てる状況では見落としがあってもおかしくありません。無いほうが不思議です。
すると、ミスが起きます。

それどころじゃないと思うほどの多忙の中では、「こなす」ことが主眼となり、何が大事なのか、何故大事なのか、どうしてこれをやっているのか、も分からなくなります。
ハイの状態でこなしている間はいいのですが、ふと立ち止まったときに「あれ?なんでこんなことやってるんだっけ?」と気がつく瞬間があります。

多くは「自分を犠牲にして」タスクをこなしています。
自分の時間、自由、楽しみ、慶び、休息。そうしたものは「残った時間でやること」だと思っているから、自分のケアは長くお預け状態です。

結果として心身の健康が損なわれてしまいます。

<理由>どうして「それどころじゃない」になってしまう?

自分が望んで多忙になったか、致し方ない状況でそうならざるを得なかったか、人によって理由は違います。
ですが、多忙を通り越して「それどころじゃない」ところに至ってしまうとき、

①優先順位が付けられない
②他者に頼れない
③自分の許容範囲が分かっていない
④断る習慣が無い


ことが、状況を悪化させてしまう要素でしょう。

仕事のタスクと家庭内の問題を同列に考えて優先順位を決めるのは難しいかもしれません。
けれど対処するのが自分しかいないなら、順番をつけるしかありません。自分は一人なのですから。

どういう理由で優先すべきか、の判断基準は「自分軸」「価値観」です。
どういう人間として生きていきたいか、です。
良き家庭人でありたいか、仕事で成功したいのか。
正しいとか間違っている、はありません。自分の軸で、価値観です。
それを自覚することで、自ずと順番が決まります。

自分以外にやる人がいない、頼れる人がいない、という状況は、忙しいだけでなく孤独です。
頼りたくても頼れないこともあれば、頼ることが出来ない性格の人もいるでしょう。

今までに自分の能力目いっぱいまでフル回転させた経験が無ければ、どこまでなら許容範囲なのかが分からなくて当然です。気がついたらオーバーフローしていてもおかしくありません。

頼まれたらNOと言えない人も多いですね。NOは悪いことだと思っている(そう教えられ続けてきた)と、引き受け続けることになります。悪くとらえれば利用されてしまいます。


<対策>整理して、選択して、順番と期限を決める

山のようなタスクを、積もるに任せるでも放置するでもなく、整理しましょう。
ここ最近1週間、または1ヶ月の自分の生活を振り返ります。朝起きて、出社して、仕事して、帰宅して、寝るまでの「やったことリスト」を作りましょう。
書き出すことは簡単ですが絶大な効果があります。こんなに色んなことをやっていたのかと驚くでしょう。

その膨大なリストを何度か読み返して、「自分軸」を判断基準として必要なものを選択します。いくつ選ぶかは考えなくていいです。「自分軸」だけはブラさないようにしましょう。
そして今後何かを頼まれたときは、自分軸を理由に、引き受けるか断るかを判断しましょう。

自分軸に沿って選択したタスクを、順位付けします。
深刻度+期限で決めることをお勧めします。
「今日中に終わらせないといけない」と焦ることはストレスに直結します。時間の余裕を保つためにも、期限ぎりぎりは出来るだけ避けましょう。

状況によって順番が入れ替わることもあるでしょう。そこは柔軟に対応したいですね。

スマホアプリや手帳などに「ToDoリスト」を作っておいて、終わった物を一つずつ消していくのは非常に気持ちがいいです。そのリストは大事に取っておきましょう。今後の自信へつなげる実績ですから。

出来ればToDoリストに「自分の休息・ストレス解消」も含めておきましょう。
1日30分はソファに座って目を閉じて好きな音楽を聴く。何もしないでお茶を飲む。好きなアニメや漫画、ゲームを楽しむのもいいですよね。


<まとめ>

それどころじゃない!とパニックになるほど忙しい状況に身を置いて、それでも投げ出さず(投げ出したくなる気持ちはよーーく分かります)役割をこなして、今日もお疲れ様でした。
あなたがしていることは本当に素晴らしいし、言葉にしなくても感謝している人は多いです。無意識にあなたに助けられている人もたくさんいるはずです。

これを読んでくださったとき、たくさんご自身を褒めてください。労わってください。
そしてこの忙しさを乗り越えたことは大きな成功体験です。毎日自信をプラスしていっていることを実感してください。

この記事を書いたプロ

西岡惠美子

精神障害者とケアする人を支えるライフカウンセラー

西岡惠美子(惠然庵(けいぜんあん))

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