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コラム

言いづらいことを伝えるコツ

2023年5月30日

テーマ:スキルアップ/キャリアアップ

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

言いづらいことを伝えるコツ
言いづらいことだけど言わなきゃいけない、言ったほうがいいこと、というのは、人と関わっていれば度々出てきます。
分かっている、でも言えない、言いづらい。

それはどうしてでしょうか。理由別・ケース別伝えるコツを考えてみました。

1.職場編

①相手が仕事でミスをして指摘する時

大抵の職場なら、上司的な立場にある人が指摘する役割を負いますよね。
でも、立場が上司だからといって何でも言えるわけではない。かといって黙っていることも出来ない。同じことをその人が繰り返す可能性があるだけでなく、他の人も「それでいいんだ」と誤解しかねない。職場自体のクオリティが下がります。

でも言い方によって関係が悪化したりモチベーションが下がる恐れもある。それによって指摘した側の意欲も下がる。

この時、ミスした人の「能力・気力・注意力不足」として指摘すると、言われた側は対処のしようがなく、ストレスや不満を抱えます。「またやってしまうのでは」という不安も強まるでしょう。

どうしてミスしたのか、の状況(文脈)を共有するところから始めて、次回以降の対処法や予防法「相談する」という形をとるのは如何でしょうか。

②相手の意見に物申す時

どんな人でも、自分の意見に反対されたり口を挟まれるのは気分のいいものではありません。それが分かっているだけに、誰かの意見に物申すのは躊躇します。

なぜ他者から物申されるとムッとしてしまうのか。
それは、「自分の意見」か「他の誰かの意見」か、の、二者択一だと思っているから、ではないでしょうか。さらにそこから広がって、「自分」か「相手」か、の、人間を選ばれたかのような錯覚まで起きてしまいます。

大事なのは「自分もOK、相手もOK」というスタンスです。
それを前面に出すことで「提案」し、「一緒にもっといいアイデアにしよう」という気持ちを伝えてみるのはどうでしょうか。

2.家庭編

①自分の役割への不満を伝えたい時

妻・夫、母・父、姉・兄、親・子、女性・男性、年配・年若、など、家族の中には立場や属性によって、家庭内で果たすべき役割が割り振られていることが多いです。
家事は母または女性、お金を稼ぐのは父または男性、のように。
ある程度の分類をするためには便利な仕分け方かもしれませんが、常にいつまでもその通りに家庭内が運用できるとも限りません。

例えば妻の仕事環境が変わったことで、毎日の夕食準備が難しくなった時。
平日の夕食は各自で用意する、または他の人が代わりに作るようにしてほしい、と思っていても、そもそも自分が「夕食は妻である自分が作るべき」と思っていれば、このような相談はしづらいでしょう。
短期間だけなら無理を続けることが出来ても、長い目で見ればどこかで破綻します。

自分のことだけ、と思わず、「家庭内の役割は、立場や属性で決めるのではなく、その時の状況に応じて出来る人がやる」という「文化」を作っていきましょう。

自分の希望から手を付けるのが気まずいなら、他の人の役割から変えていくのはどうでしょうか。
「お兄ちゃんなんだから」ではなく「この状況だから○○して」のように、理由を変えて伝えてみましょう。
続けるうちに自分の都合も伝えやすくなっていきます。

②一人の時間・空間が欲しいと思った時

「家族だからいつも一緒に過ごすべきだ」という空気の中で生活していると、「一人になりたい」とは中々言いづらいです。
一緒にいることがベスト、と思っている人からすれば、「一人になりたい」という発信は何かしらネガティブな意思表示と捉えがちです。

相手が考える「一人の時間」と、自分が「一人の時間を求める理由」にギャップがあるから起きるすれ違いではないでしょうか。
だとすれば、このギャップを埋めるコミュニケーションをとってみましょう。

例えばルールや上限を決めて「この時間は一人になりたい」と相手に相談するのも一つの方法です。毎週水曜日は仕事の後一人で映画を見に行きたい、とか、土曜の午後は部屋で一人で本を読みたい、とか。

一緒にいたい、と思うことも、一人になりたい、と思うことも、どちらも間違いではありません。好みの問題に過ぎない、ということを共通認識にしていきましょう。

3.言いづらいことを伝えるときの注意点

まずは「Iメッセージ」を心がけてください。
「私は」を主語にして、要望や気持ちを伝えることです。
逆に「普通は~~だから」「~~するのが常識だよ」のように一般論として伝えるのはNGです。

正誤や善悪で相手を追い詰めて、勝とうとするのも避けましょう。そもそもコミュニケーションに勝ちも負けもありません。

自分の期待通りに伝わらないからと言って、ゴリ押ししたり失望するのストレスの元です。相手には相手の考えや事情があるのです。目的は「伝える」という自分の行動で、相手がそれにどう対処するかは相手の判断です。

1対1で話しづらい時は第三者を挟みましょう。どちらかに肩入れすることが明白な人ではなく、完全に公平な立場の人に協力を求めましょう。

伝えたい気持ちが限界になって「ぶちまける」状態になる前に伝えることに挑戦しましょう。気持ちの余裕があればタイミングを見計らうことも出来、こちらのストレスも少なくて済みます。


4.まとめ

「対策」とセットで「相談」する
「自分も相手もOK」、と捉えるスタンスを持つ
属性や立場ではなく、「状況」で役割を変える柔軟な空気を作る
相手の不安を広げない「コミュニケーション」と「ルール」作り


Iメッセージ
第三者の協力
気持ちの余裕があるうちの行動化

「何でも言える、安心感のある関係」なら、そもそも「言いづらい」と悩むことも無いでしょう。
今後長く続いていく関係なら、なおさらお互いが安心して必要なことを伝えられる場づくりは重要です。
そのための一歩として、まずは自分から試してみては如何でしょうか。

≪オンラインカウンセリング 惠然庵≫
Twitter:https://twitter.com/keizenan
instagram:/keizenan.counseling/

この記事を書いたプロ

西岡惠美子

精神障害者とケアする人を支えるライフカウンセラー

西岡惠美子(惠然庵(けいぜんあん))

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