ビジネス変革:コロナ禍がもたらす変化:体験価値について考察する
このコラムはビジネスパーソンの方々を対象に書いています。
2021年5月12日に、IBMの Think 2021というオンライン・イベントが開催されました。
いくつかのセッションに参加しました。このコラムでは Think 2021で紹介されていたビジネス変革の成功事例を紹介し、セッションで語られていたことから成功要因を考えてみたいと思います。
- 最初に、オープニング・セッションで語られていた事例を紹介します。
- 次に、私が参加したセッションの1つ『あなたのデジタル変革を加速せよ(Accelerate your digital transformation)』の事例を紹介します。
- 最後に、成功要因について考えます。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)を「デジタル変革」と表現しているのをよく見聞きします。本コラム中に書きますが、「デジタル変革」という言葉はITのこと、という間違った意識を植えつけやすいと危惧しています。そこで、私はDXを「デジタル技術を活用したビジネス変革」という日本語で表現しています。
私は、ファシリテーションを核としたコンサルティング・サービスを営んでいる個人事業主です。屋号を BTFコンサルティングといいます。BTF は Business Transformation with Facilitation の頭文字をとりました。トランスフォーマーという映画をご存知の方がいらっしゃると思います。クルマがロボットに変身したり、ロボットがクルマに変身したりする映画です。トランスフォーメーション(transformation)とは変身させることです。ビジネス・トランスフォーメーションとはビジネスを変身させてしまうことです。ビジネス変革とも言われています。「ファシリテーションを活用してビジネス変革を実現して欲しい、そのためのお手伝いをしたい」と考え、この屋号にしました。
ファシリテーション。Facilitationという名詞です。「人と人が議論し合意形成をする。この活動が容易にできるように支援し、うまく合意形成できるようにする。」これを実現するためにはどうしたら良いのかという課題を科学的に考え、試行錯誤を繰り返しながら作りあげられた手法、これがファシリテーションです。ファシリテーションをする人をファシリテーター (facilitator) と言います。
Think 2021の録画は、こちら から視聴できます。
下記の3つの章で構成します。10分程度で読める量です。
目次
1. オープニング・セッション(The world's platform for digital transformation)
1. オープニング・セッション(The world's platform for digital transformation)
オープニング・セッションは、IBMの会長兼CEOのアービンド・クリシュナ(Arvind Krishna)が数社のCEOを招いて、成功事例を紹介する内容でした。セッション名は "2293 The world's platform for digital transformation" です。
コロナ禍に襲われた2020年、そんな中でもしっかりとDXを進めている事例です。
テクノロジーの観点では、IBMが鍵となると考えているのは、ハイブリッド・クラウドとAIだそうです。
DXの規模感を共有したいと思います。
IDC によれば、2021年から3年間にDXに投資される金額は7.4兆ドルだそうです。1ドル110円とすると、814兆円もの投資が行われると予測しています。これは世界経済の10%に相当するそうです。世界中の多くの企業が、デジタル技術を活用したビジネス変革に本気で取り組む、という予測なのだろうと思います。
また、IDCによれば、2025年までにデータは60%増え、その量は175ゼタバイトになると予想しているそうです。仮に、あなたがお使いのパソコンに保管されているデータ量が175ギガバイトだとすると、1兆台分のパソコンということになります。これほど大量のデータから何らか意味のある洞察を引き出すことができるのはAIだけだ、とクリシュナは語っていました。
PwC によれば、2030年までに生産性向上により15.7兆ドルの効果が見込まれるそうです。上と同じ換算レートを用いれば、1,727兆円となります。
2021年からの3年間で814兆円の投資が行われ、2030年までに1,727兆円の効果が見込まれているそうです。
この章では、2社の事例を紹介します。
【事例1】シーメンス・デジタルインダストリーズ・ソフトウェア(Siemens Digital Industries Software)
キャリアサイトLiiga に、シーメンス・デジタルインダストリーズ・ソフトウェア(Siemens Digital Industries Software)の説明文がありましたので引用します。『シーメンスは米経済紙フォーブスの「世界で最も信頼される会社ランキングNo1(2017年)」にも選ばれた世界を代表するコングロマリット企業です。エネルギー分野や医療機器等、シーメンスには様々な「顔」がありますが、当社はデジタル化、IoT分野を中心に、インダストリー4.0を実現する業界No1企業として「デジタルエンタープライズ」を掲げデジタル産業事業を急拡大しています。デジタルエンタープライズとは、企業と企業を取り巻く環境や膨大な電子機器、ビッグデータからのデータなどを統合し全体最適化することです。日本の最大の強みである製造業の持続的成長を支えるために、シーメンスにしかできないことがあります。』とあります。
Siemensの産業用IoT「MindSphere」を柔軟に実装できるようにしたそうです。製品の設計、製造からメンテナンスまでをモニタリングできるようにし、デジタルツインを使いながら設計を変更できるようになったそうです。
欧米ではロックダウンされていましたから、出社しなくても働けるようにならなくてはいけなかったのでしょう。このような制約条件があったからこそ、DXが加速したのではないかと思います。
デジタルツインとは、現実の世界にある情報をIoTなどでリアルタイムに集め、その情報を元にデジタルの世界(コンピュータの中の世界)で再現する技術です。現実の世界をデジタルの世界にコピーするようなイメージなので、「デジタルの双子」という意味でデジタルツインと呼ばれています。
スピードと機敏さが求められる、とシーメンス・デジタルインダストリーズ・ソフトウェアのCEOの方は語っていました。
また、オープンなエコシステムが鍵であるとも語っていました。自社だけでなく別の会社と協働する生態系を構築して、自社だけでは成し遂げることが難しいような課題も解決できるようにする、ということなのでしょう。
【事例2】CVS Health
CVS Health はドラッグストアです。アメリカではドラッグストアでも新型コロナウイルスに対するワクチン接種ができます。また、陽性か陰性かのテストも実施しています。
というわけで、CVS Healthには、新型コロナウイルスに関する問い合わせが入ってくるわけです。
AIを活用して、賢いコール・エージェントを実現したそうです。コール・エージェントとは、コールセンターでお客様からの電話に対応する人のことです。AIコール・エージェントは、まるで人間と話しているかのように対応できるそうです。
いわゆるFAQのようなものは、生身の人間が対応するのではなくてAIにやってもらう。人間は、前例がなく難しい判断が求められるようなことに対応する。AIは学習することが得意ですから、どんどん学んで賢くなってもらう。こんな感じなのだろうと思います。
ちなみに、日本でもコールセンターにAIを活用する事例はたくさんあります。
CVS HealthのCEOの話を聞いていて、羨ましくなりました。
日本の保健所で働いている方々を批判する意図は全くありません。紙とペンと電話とFAXだけを持たされて日夜奮闘しておられる様子をテレビなどで拝見しています。対応できる量を超えてしまうと対応できなくなります。過労して働くことは生産性を下げる。このことはビジネスパーソンであれば、どなたでも経験したことがあるのではないでしょうか。忙しくテンパっていられる時間はそんなに長く続きません。
CVS Healthには戦う武器としてAIが与えられているのです。他方、日本の新型コロナウイルス対策に携わっておられる方々には何十年も前と同じ道具しか与えられていません。令和 vs 昭和という感じです。このことを私は羨ましく感じたのです。
近未来には、症状を言うとAIがアドバイスしてくれるようになるだろう、とCVS HealthのCEOは語っていました。
今までのビジネスモデルを改革するようなことをやった、と語っていました。ビジネス変革ですね。デジタル技術を活用して、ビジネス変革を成し遂げたということなのだと思います。
さて、オープニング・セッションでは、今後IBMから出てくる予定のもの3つが紹介されていました。そのうちの1つ、ワトソン・オーケストレート(Watson Orchestrate)について書きます。
セールスがワトソン・オーケストレートにチャットで、salesforceに登録したある営業案件が提案段階になったらアラートするよう依頼したり、特定の顧客の過去12カ月の平均取引規模を聞くとすぐに返してくれたり、その取引規模をグラフ表示してもらったり、提案段階になった案件について見積書の作成を依頼したり、というデモを見せてくれました。デモではワトソン・オーケストレートが指揮者のような役割で、ご主人様(ビジネスパーソン)から依頼されたことをsalesforceから情報を取ってきたり、取得した情報を加工していたわけです。
ワトソン・オーケストレートは、ビジネスパーソンの日常の生産性を上げるためのものです。あなたに補佐役がつくような感じですね。本来やるべきことに、より多くの時間を割けるようになります。セールスならば、お客様との案件を進めることに多くの時間を使うことができるようになります。
2. あなたのデジタル変革を加速せよ(Accelerate your digital transformation)
セッション名は "2301 Accelerate your digital transformation" です。
この事例は、英国アウディのものです。クルマのアウディです。英語になりますが、Audi UK に記述されています。
コロナ禍の影響を受けて、2020年の英国の自動車販売は29%急落したそうです。一方、英国アウディの2020年のお客様との商談は59%増えたそうです。
英国でもロックダウンがありましたから、顧客が日常使っているスマホやネットブラウザを使って、顧客体験価値を感じてもらえるよう、カスタマージャーニーの観点で顧客体験価値にこだわったそうです。英国アウディのウェブサイトを訪れる人の数が2倍になったそうです。多くの人が在宅の中、それでも顧客との関係性を構築しよう、という意気込みが感じられました。
カスタマージャーニーとは、顧客(カスタマー)が商品やサービスを知り、最終的に購買するまでの、顧客の「行動」、「思考」、「感情」などが変わっていくプロセスのことです。顧客がアウディのクルマを知り購入し所有する体験価値を味わう旅(ジャーニー)という感じで、カスタマージャーニーといいます。「顧客体験価値」という言葉に置き換えることもできそうですね。
例えば、ペルソナを決めて、そのペルソナがアウディを知ること、例えば知り合いから評判を聞いて興味を持ち、アウディのサイトを訪れ、いろいろ調べ、実際に試乗してみたいと思ったらネットで試乗予約をする、こんな一連の顧客体験です。試乗後の商談はオンラインで進めることが可能です。例えばオプションについて動画を使ったりシミュレーションしたりして、例えば安全機能について顧客が納得してもらえるまで丁寧に説明する。クルマというモノを購入するのですから、現物を見て触って運転してみる体験は不可欠でしょう。セッション内では言及はありませんでしたが、試乗以外はオンラインでできるようにしたのではないかと推察します。
顧客が店を訪れる(店側は待っている)というビジネスモデルは少し古くなりつつあるかな、と私は思っています。販売する側が店から出て顧客のところに行く。昔のご用聞きスタイルの進化版になるかもしれないと思っています。オンラインを活用することで、顧客と同じネット空間を共有し、リアルな店で対話すること以上の顧客体験価値を提供できるようになる。このあたりの模索はすでに始まっています。
英国アウディは IBMガレージと協働することで、コロナ禍の2020年を乗り切ったそうです。IBMガレージは、企業がスタートアップのように迅速に現状を打破して効率的に作業できるよう支援するIBMのアプローチだそうです。具体的には、リーンスタートアップ、IBM版のデザイン思考であるエンタープライズ・デザイン・シンキング、アジャイル開発手法を活用して英国アウディと協働したようです。カスタマージャーニーの観点で顧客体験価値にこだわるのですから、ワークショップのファシリテーターとしてプロジェクトを進めることも必要でしょうし、プロジェクトが円滑に進むようにプロジェクト・マネジメント・オフィスとして動くことも必要だったのだろうと想像します。
英国アウディは、コロナ禍以前の2018年からIBMガレージと協働して、顧客体験価値に焦点を当てたデジタル・ファーストなビジネスモデル構築を始めていたそうです。仕事の進め方として、アジャイルな働き方を採用して、チーム活動の速さは50%速くなったそうです。生産性は今まで9ヶ月かかっていたものが3ヶ月で終わるようになったそうです。コロナ禍ではロックダウンされていた時も多かったですから、チームはリモートで協働したそうです。
日本はロックダウンができない建て付けなので、リモートで働くことのインセンティブが働きにくいかもしれません。コロナ前と同じように働けてしまう環境です。欧米はロックダウンしましたから、否応なしで家からリモートで働き、何とかしなくてはいけない状況の中、使えるもの(デジタル・テクノロジー)は何でも使って生き抜いているのだと思います。強いですね。
加えて、英国アウディは IBM iX という、優れた顧客体験を提供するためのビジネスをデザインすることを目標とするIBMのチームとも協働したそうです。
英国アウディの発表者の方が、「顧客が大切にしていること・関心があること、ここに焦点を当ててDXを始めよ」と語っていたのが印象的でした。顧客体験価値にこだわって、デジタル技術を活用して、ビジネスを変革せよ、ということだろうと考えます。
英国アウディが協働したのはIBMだけではありません。Adobeとも協働したそうです。デジタル資産管理とコンテンツ管理をする Adobe Experience Manager を活用したそうです。
Adobeの方が語っていた成功要因は、下記の3点でした。
- 洞察を得ることを推進するために、ワールドクラスの分析ツールを活用すること
- チームに力を与え、チームの可能性を引き出すこと
- 顧客からのフィードバックに優先順位をつけて対応すること、これを根気強く繰り返すこと
顧客体験価値にこだわって、顧客からのフィードバックなどをデータとして分析し、洞察を引き出し、優先順位を付けて対応する。どの顧客層も同じく扱うのではなく、ペルソナを絞って優先順位を付けて対応する。このサイクルを根気強く繰り返す。こういったことだろうと考えます。
この章の事例は、英国アウディ、IBM、Adobeの3社が協働して、コロナ禍の中カスタマージャーニーに焦点を当てて顧客体験価値の高いビジネス変革を実現した事例でした。
3. 成功要因を考える
この章では、1章と2章の成功事例から、デジタル技術を活用したビジネス変革の成功要因を考えます。
次の5つについて考えます。
- トップのデジタルリテラシー
- 顧客体験価値に徹底的にこだわる
- アジャイルな働き方
- データを活用した客観的な分析
- ソフトスキル
3.1. トップのデジタル・リテラシー
リテラシー(literacy)。
もともとは読み書きの識字能力という意味から使われ始めた言葉だと思います。今は、識字能力に加えて、特定の分野の技能、知識、能力という意味でも使われるようになりました。
ビジネスの観点から、デジタル技術がビジネスに与えるインパクトがわかっていること、わかろうと学び続けること、そうした行動を通してデジタル技術について自分の言葉で語れるようになること、そうした能力をこのコラムでは「デジタル・リテラシー」という言葉で表現します。
このコラムで引用した事例だけでなく、Think 2021の事例はどれも会社のトップがデジタルに対して造詣が深いということが印象的でした。CEOに限らずCxOレベルの方々は深い造詣を持っていたのです。技術的な詳細を知る必要は全くなくて、ビジネスの観点でデジタルは何ができるのかを自分なりに深く理解していることが大切だ、と私は考えます。
彼らもおそらく数年前はデジタル技術についての知識は浅かったのだろう、と私は思います。事例を研究し学んだのだろうと推察します。先行事例を見学に行くこともしたでしょう。百聞は一見に如かずですから。社内で勉強会を開いたかもしれませんね。
1章で書いたように、2021年からの3年間で814兆円の投資が行われ、2030年までに1,727兆円の効果が見込まれる。本気で取り組むべきものだと考えます。
一方、日本ではDXへの取り組みが活発化しているように見えるものの、実態は丸投げ状態の会社があるようです。(参照:『ベンダー丸投げ「肯定派が6割」の衝撃 大企業がDXでズブズブ依存を抜けるには』)
このような姿勢では成功はあり得ないでしょう。
DXの鍵となる代表的デジタル技術、RPA、AI、IoT、ブロックチェーン、5Gなどは、ビジネスの観点で何ができるものなのか、どう自分たちのビジネスを変えることができるのか、この辺りがわからないトップでは、デジタル技術を活用したビジネス変革を成功させることはできません。
3.2. 顧客体験価値に徹底的にこだわる
改善活動的に、自分たちのチームの中でできることをやる。こういうアプローチは部分最適なコスト削減など、顧客体験価値に関係ないところに手をつけることになってしまうかもしれません。
顧客に焦点を当てるべきです。優先順位を顧客に持ってくるべきです。
顧客が体験すること、その体験にどれだけの価値を見出してくれるのか。その価値をできるだけ高めることを目標としたビジネス変革をすること。このマインドは必須だ、と私は考えます。
なお、顧客体験価値にこだわることの必要性について、アクセンチュアとIBMのレポートを参照しながら書いたコラム 『ビジネス変革:顧客体験価値にこだわる:具体策を考える』 で、詳しく考察しています。
3.3. アジャイルな働き方
スピードが大切である、と語っていた方が多かったことも印象的でした。
アジャイルな取り組み方、機敏性、などアジャイルな働き方という枠に入る表現を使っていた方が多いことも印象的でした。
アジャイル、英語のagileで「機敏な」という意味の形容詞です。
アジャイルはソフトウェア開発で使われている開発方法の1つです。ソフトウェア開発で使われている方法を、ソフトウェア開発以外でも見聞きするようになっています。例えば、働き方、経営、組織文化。
アジャイルな働き方とはどのようなものなのか。
具体例を 『働き方:アジャイルな働き方を定着させるには:アジャイルな働き方の具体例』 で説明しています。
3.4. データを活用した客観的な分析
顧客に焦点を当て顧客体験価値を考えることが大切です。
その際に、データを用いて分析することが求められます。英国アウディの事例のように、全てのデータを同じように扱うべきなのか、ノイズが入っているのならどのようにノイズを除去するべきか、優先順位を付けるなら何を重くして何を軽くするのか、こうしたことを決めるのは、ある意味戦略を決めることと同じです。
コラム 『ビジネス変革:顧客体験価値にこだわる:具体策を考える』 で書いた、シチズン・データ・サイエンティスト(必要とするすべての社員がデータ活用ツールにアクセスでき、データへのアクセスと分析・可視化ができるようになる)が大切な考え方になる、と私は考えます。
3.5. ソフトスキル
ビジネス変革は全社規模の変革なので、関係者が多くの部門に渡るのです。このコラムで取り上げた世界の成功事例は、他社と協働して、デジタル技術を活用したビジネス変革を実現した事例でした。関係者が他社に及びます。
ソフトスキルとは、コミュニケーション、プレゼンテーション、ファシリテーション、リーダーシップ、チームビルディング、エモーショナル・インテリジェンス、ネゴシエーションなどの対⼈系のスキルです。
知らない人同士、今まで一緒に仕事をしたことがない同士が集まって協働しなければならないのですから、チームビルディング能力が必要です。
ワークショップや会議を開くことは多いでしょうから、ファシリテーション能力は必須でしょう。
誰かに説明して、理解してもらい、動いてもらうことが必要になる局面は多いと予想できます。プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力、場合によってはネゴシエーション能力が必要になるでしょう。
チームを1つにまとめ、共通の目標に向かって引っ張っていくリーダーシップが必要なことは言うまでもありません。リーダーシップは役職が上の人だけが備えていれば良いという類の能力ではありません。チームのできるだけ多くのメンバーが備えるべき能力です。目標に到達するために引っ張る力が多ければ多いほど強力だからです。時には対立することもあり得ますから、ファシリテーション能力は必須です。
チームで協働していると、メンバー間での関係性を保つことが難しくなってしまいそうな危機に遭遇してしまうこともあり得ます。エモーショナル・インテリジェンス(Emotional Intelligence)が必要です。エモーショナル・インテリジェンスとは、チーム内のメンバーとの関係性の構築、難しい局面での対応、こういったことをうまくできる能力です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。