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小川芳夫

ファシリテーションの活用を支援するコンサルタント

小川芳夫(おがわよしお) / ファシリテーター

BTFコンサルティング

コラム

楽しみながら、人間関係やコミュニケーションを円滑にする気付きを得てきました

2019年10月31日 公開 / 2021年3月1日更新

テーマ:ファシリテーション

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: チームビルディング働き方改革組織マネジメント

昨日「性格分類をビジネスに生かす! 類人猿分類セミナー」という半日セミナーに参加して来ました。とても盛況でした。
話す・聞くというタイプのセミナーではなく、ほぼ全部ワークだけの内容。本やネットで得ることのできない、その場にいる人だけが感じられる空気感とか雰囲気を体験することを主眼にデザインされた、ということを強く感じるセミナーでした。


セミナー参加後の印象・記憶が新鮮なうちに雑感を記録しておこうと思います。


職場やチームの中での人間関係って永遠の課題と言えるような深いものだと思います。人間関係がうまく行かずストレスを感じることって、ありますよね。ビジネスの世界でも、伝えたいことを分かってもらうのに時間がかかってしまう、相手が言っていることを理解できない、等々エネルギーと時間を費やしてしまって、それだけで疲れてしまう、というご経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。


私はファシリテーターとして、ファシリテーションを中核とするコンサルティング業を営んでおりますので、会議やワークショップに参加する方々の、人間関係・コミュニケーションに関わるストレスは、できるだけ少なくしたいと考えています。
大型類人猿性格分類に興味を持ち、可能性を感じています。


ヒト(人間)は、生物学的には(分類学的には)、サル目ヒト科ヒト属に属する、と考えられているそうです。
ヒト科は、ヒト亜科(ヒト属、チンパンジー属、ゴリラ属を含む)とオランウータン亜科で構成されるそうです。
ヒト科チンパンジー属に分類される霊長類に、ボノボもいます。(出所1)


大型類人猿性格分類は、ボノボ、チンパンジー、ゴリラ、オランウータンの4つのタイプに性格を分類しようというものです。
DNAをヒトと比較すると、下の割合で一致するそうです。(出所2)
・ボノボ: 98.8%
・チンパンジー: 98.8%
・ゴリラ: 97%以上
・オランウータン: 97%以上
人間は社会生活を送る中で、その時その時に合った社会性を身につけていくのだと思いますが、各人の奥深い核のようなところには、大型類人猿と同じ性格を持っている(受け継いでいる?)のかもしれない、と私は思います。


セミナー冒頭で、診断チェックリストを用いてタイプ診断をしました。合計20点で、私は、ボノボ2点、チンパンジー6点、ゴリラ5点、オランウータン7点でした。もしかすると、生まれつき持っている性格はオランウータンで、社会生活を営んでいく上で後天的にチンパンジーとゴリラが備わったのかもしれません。ボノボも少し。
簡易的なものが http://yakan-hiko.com/gather/ で提供されていますので、ご興味のある方はどうぞ。


参考までに、各タイプのキーワードと強み・弱みを書いておきます。(出所2)
【ボノボタイプ】
キーワード: 共感
強み
・他者の感情に共感する能力が高く、コミュニケーションが上手
・場の空気を明るくする力があり、チームのムードメーカー的役割を担うことができる
弱み
・周りの人が自分の気持ちに同調してくれないと寂しくなり、仕事に集中することもできなくなる
・感情が優先するので、順序立てて物事をこなすのが苦手

【チンパンジータイプ】
キーワード: 勝利
強み
・高い社交性で周囲の人を巻き込みながら、エネルギッシュに物事を進めることができる
・理屈っぽく思い悩むことなく、すばやく行動に移す実行力がある
弱み
・「勝ちたい」「先手を取りたい」という思いが高じて熱くなってしまうと、視野が狭くなり、つい短絡的な手段に頼り、大きな失敗をしてしまうことがある
・感情的で怒りっぽく、自分の思ったとおりに行かないときには、同僚や部下に当たってしまうことがある

【ゴリラタイプ】
キーワード: 調和
強み
・争い事を好まず、激しく自己主張することなく全員のバランスを取り、組織の秩序を守る調整役を担うことができる
・言われたことはきちんとこなす。ルーチンワークを黙々と続けるのは得意
・他人に対する自然な敬意があり、落ち込んだ人をさりげなく元気付けたり、力を発揮できるようにサポートすることが上手
弱み
・小心者で、急なアクシデントやトラブル、イレギュラーな事故が起きると動揺して、重要な決断を下せなくなってしまうことがある
・融通が利かず、ちょっと頑固なところも。特にルールや秩序を守ることにはうるさく、周囲にとっては面倒に感じられることがある

【オランウータンタイプ】
キーワード: 納得
強み
・自分で納得したことには、高い集中力を持って取り組む
・他人の意見に流されず、自分の信じた道を歩くため、他のタイプにはできない独創的な仕事をすることができる
弱み
・「なぜこれをやるのか」「なぜこのやり方なのか」ということを納得しないと、簡単な仕事であっても、手をつけ始めることすらできない
・内に秘めた情熱があるのに、感情を表に出して表現しないため、周囲から誤解を受けてしまうことが少なくない


セミナーのワークの中で印象的だったのは、「あなたは中学生。文化祭。クラスで桃太郎の劇をすることになっらた、何の役割をやりますか?」というお題。
各4つのタイプは集まって話す場ができているので、自分と同じタイプの人たち同士で話し合います。
【ボノボタイプ】
主役はイヤ。特に「この役がやりたい!」というのはないけど、友達から「私村人Bをやるから一緒に村人Cをやろう」と誘われたら、その役をやる。

【チンパンジータイプ】
絶対主役の桃太郎。桃太郎がダメなら脇役でもいいけど、目立ちたい。例えば桃になって、絶対割らせない(逃げ回る)。監督でもいい。

【ゴリラタイプ】
主役は無理。大道具。前日までに終わるから。当日失敗してしまうかもしれない照明や音響はイヤ。でも、主役以外で、もし誰もやりたがらない役があれば、引き受けても良い。

【オランウータンタイプ】
脚本とか監督。

さて、面白いのは、軸が明確に違うところです。
例えば、監督。チンパンジータイプが監督をやりたい理由は、エンドロールで中央に立って観客の視線を浴びたいということ。一方、オランウータンタイプの理由は、自分で納得のいくストーリーの劇にしたいということ。
別の例は、大道具。ボノボタイプの理由は、友達と一緒の役をやりたいということ。一方、ゴリラタイプの理由は、前日までに終わるので、当日の急なトラブルなどイレギュラーなことに遭う危険性が少ないということ。


このように、各タイプで特徴が異なります。これを意識してコミュニケーションに活かすことが大切だと思います。


セミナーで聞いたエピソードです。
ゴリラタイプの上司が、入社間もないボノボタイプの部下に、あるプロジェクトを任せたそうです。数日後、ボノボ部下は「無理です。僕にはできません。」と言って来たそうです。
ゴリラ上司は、「まあまあ、俺も一緒にやるから、頑張ろう。でも君がプロジェクト・リーダーだよ。」と言ったそうです。ポイントは、言っただけ、ということです。何か具体的な助言をしたり行動を起こしたりしなかったそうです。
翌日から、ボノボ部下は「すみません。相談に乗ってください。」と具体的なアイデアを持ってくるようになったそうです。ゴリラ上司は、特に問題になるような内容ではなかったので、「いいね。頑張ってるね。」と言ったそうです。
結果、プロジェクトは成功裏に終わりました。ゴリラ上司は「君のおかげで、うまく行ったよ。ありがとう。全部自分でやり遂げたね。」と言うと、ボノボ部下は「何言ってるんですか!一緒にいてくれたじゃないですか!」と言ったそうです。


もう一つ。私が「生産性向上のために従業員に焦点を当てるべき理由」で書いたものです。
・チンパンジー店長:(ワナワナしながら)ボノちゃん、ここはプロの仕事場なんだ!「みんな仲良く」なんてなまやさしい!とにかく人を蹴落としてでもNO.1になるんだ。
・ボノボ従業員:この人の元では働けないわ!
各タイプの特徴を意識すると、次のようなコミュニケーションに変わるといいます。
・チンパンジー店長:(ニコニコしながら)ボノちゃん、センスのいいPOPを作ってくれてありがとう。お客様の心にヒットするいいキャッチコピーだったよ!さすがボノちゃん!
・ボノボ従業員:このお店で仕事ができて嬉しいわ!


経営者やマネージャーの方は、全部門や自分の部門のメンバー全員のタイプをプロットして鳥瞰できるようにすると、役にたつ情報になるそうです。
例えば、ここはボノボタイプが多いけどバランス的に大丈夫かな?とか、オランウータンタイプが一人だけど孤立してないかな?など、を考える資料として役立てることができるそうです。


さて、この大型類人猿性格分類。エブリイというスーパーマーケットを中核とした事業を行なっている食の企業です。2018年6月期の決算報告まで18期連続で増収している優良企業です。
エブリイでは、ボノボ、チンパンジー、ゴリラ、オランウータンと、従業員を大型類人猿4タイプに分類。仕事の割り振り、チームの活性化、採用や人事異動に、この類人猿性格分類を活用しているそうです。自分を知って磨きをかけることで人間力をアップさせ、相手を知って理解することにより仲間をつくり、イキイキと働く店舗づくりに成功したそうです。4つのタイプが1つの森に住んで個性を活かし合えるのが人間の社会と考えているそうです。
エブリイの従業員の名札には、ボノボ、チンパンジー、ゴリラ、オランウータンいづれかのシールが貼ってあるそうです。
で、ご想像のとおり、食の企業が新規事業として、大型類人猿性格分類のコンサル事業を始めたという企業グループです。


ここまで、長文を読んでくださって、ありがとうございました。
ボノボは日本ではあまり知られていないかもしれませんね。ここまで読んでくださったお礼に、このYouTube動画を紹介させていただきます。(ボノボは日本の動物園では会えません)
こちらのリンクからご視聴できます


出所1: ウィキペディア
出所2: 書籍「類人猿分類公式マニュアル2.0 - 人間関係に必要な知恵はすべて類人猿に学んだ」

この記事を書いたプロ

小川芳夫

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小川芳夫(BTFコンサルティング)

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