何から始める? コールセンターの立ち上げ業務
コールセンターでは、採用や退職などによって、働くオペレーターの構成が変化します。
経験豊富なオペレーターが退職することもあれば、新たに採用したオペレーターが増えることもあります。こうした変化は、人員数だけでなく、組織全体の経験構成にも影響します。
例えば、新人の割合が高くなったとき、業務の生産性はどのように変化するのでしょうか。応対品質や顧客へのサービス提供にも、何らかの影響が生じるのでしょうか。
新人の教育に時間がかかることや、経験者が新人を支援する必要があることは、想像しやすいかもしれません。
しかし、そうした変化が日々の業務や顧客へのサービス提供にどの程度影響しているのか、実際に把握できているでしょうか。
人員構成の変化による影響は、必ずしも新人の割合だけで決まるわけではありません。業務の難しさ、教育の仕組み、経験者による支援、業務手順の整備状況などによっても変わります。
そこで今回は、新人の構成比率が変わることによって、組織の生産性や応対品質、顧客へのサービス提供に何が起きるのかを考えます。
コールセンターでは、新人と経験者の構成比率が変化する
コールセンターの人員構成は、採用や退職、異動、業務の拡大・縮小などによって変化します。
経験を積んだオペレーターが退職すれば、組織に蓄積されていた知識や経験が失われることがあります。一方、新たに採用したオペレーターが増えれば、教育や業務習得を支える必要も生じます。
ただし、「新人」が何を意味するかは、企業やコールセンターによって異なります。
入社直後の人を新人とする場合もあれば、研修中の人、着台判定前の人、着台後に一定の経験を積むまでの人を新人として扱う場合もあるでしょう。
そのため、新人の構成比率を比較する際には、単純に入社からの年数だけで判断するのではなく、それぞれのコールセンターがどのような状態のオペレーターを新人と定義しているのかを確認する必要があります。
また、新人の割合が同じでも、対応する問い合わせの難易度や、経験者がどの程度支援できるかによって、業務への影響は異なります。
重要なのは、新人の割合が高いこと自体を問題と決めつけることではありません。人員構成が変化したときに、組織や顧客にどのような変化が生じているのかを把握することです。
新人の構成比率が高くなると、業務の生産性はどう変わるのか?
新人が増えると、業務の習得を支援するための時間が必要になることがあります。
例えば、業務知識の習得、システム操作の練習、応対内容の確認、判断に迷った際の相談などです。こうした支援を行うため、SVや経験者が通常業務以外に時間を使うことも考えられます。
その結果、オペレーター一人当たりの対応件数や平均処理時間(AHT)、SVや経験者の業務負担などに変化が生じる可能性があります。
ただし、新人の割合が高くなれば、必ず生産性が低下するというわけではありません。
業務手順や知識が整理されている場合、必要な支援を受けられる場合、問い合わせ内容に応じた教育ができている場合などには、影響を抑えられる可能性があります。
反対に、教育方法が担当者ごとに異なっていたり、確認先が明確でなかったりすれば、新人本人だけでなく、支援する側の負担も大きくなるかもしれません。
ここで確認したいのは、新人の割合が変化した際に、業務の生産性が実際にどう変わっているのかという点です。
対応件数、AHT、教育にかかる時間、SVや経験者の負担、応答率やサービスレベルなどを確認すれば、変化を具体的に捉える手がかりになります。
新人の構成比率が高くなると、応対品質はどう変わるのか?
コールセンターの応対では、商品・サービスの知識だけでなく、顧客の状況を把握し、必要な情報を確認し、問題解決につながる案内を行うことが求められます。
業務経験が少ない場合、必要な情報をどこまで確認すべきか、どのような順序で質問すべきか、判断に迷った際に誰へ相談すべきかなど、実践を通じて習得することもあります。
そのため、人員構成が変化したときには、応対内容の正確性や、顧客の状況に応じた対応、問題解決までにかかる時間などに変化が生じていないかを確認することが重要です。
また、同じ問い合わせであっても、担当者によって確認の進め方や説明内容に差が生じる場合があります。
ただし、経験年数だけで応対品質が決まるわけではありません。経験の浅い担当者でも、必要な情報や確認事項が整理され、適切な支援を受けられる環境であれば、安定した応対を実践できる可能性があります。
一方、経験豊富な担当者であっても、業務の変更や複雑な問い合わせなどによって判断に迷うことはあります。
したがって、新人の割合と応対品質の関係を考える際には、単に経験年数を比較するだけでなく、業務の進め方や教育、支援の仕組みも含めて捉える必要があります。
人員構成の変化は、顧客へのサービス提供に影響するのか?
業務の生産性や応対品質に変化が生じた場合、顧客へのサービス提供にも影響が及ぶ可能性があります。
例えば、応対に時間がかかるようになれば、入電が集中する時間帯に電話がつながりにくくなるかもしれません。確認や案内に手戻りが生じれば、一度の応対で問題を解決できないケースが増える可能性もあります。
また、経験者が新人の支援に多くの時間を使うことで、難しい問い合わせへの対応や、他の業務に使える時間が減ることも考えられます。
こうした変化が重なれば、待ち時間、再問い合わせ、案内の誤り、苦情など、顧客へのサービス提供に関わる問題として表面化する場合もあります。
ただし、これらは考えられる影響であり、新人の構成比率が高くなれば必ず顧客トラブルが増えると断定できるものではありません。
実際の影響は、問い合わせの内容や難易度、業務手順、教育・支援の体制、システムなど、複数の要因によって変わります。
だからこそ、人員構成の変化を採用や教育の問題だけとして捉えるのではなく、日々の業務や顧客へのサービス提供にどのような変化が起きているのかを確認することが大切です。
変化に対して、コールセンターではどのような対策を取っているのか?
新人の構成比率が変化したとき、コールセンターではさまざまな対策が考えられます。
例えば、研修内容の見直し、OJTの強化、SVによる支援、経験者が持つ知識の共有、業務手順の標準化などです。
また、人員構成と業務への影響をデータで確認し、入電状況や問い合わせの難易度に応じて配置を調整したり、生産性や応対品質を定期的に評価したりすることも考えられます。
ただし、対策を実施していることと、その効果を確認できていることは別です。
研修を強化していても、業務の習得にかかる時間が短くなったのか、SVや経験者の負担が軽減したのか、応対品質が安定したのかを確認していなければ、対策がどの程度役立っているかは分かりにくいままです。
また、業務への影響を感じていても、その変化を数値で把握しているとは限りません。日々の業務を通じた実感や、担当者からの報告をもとに判断している場合もあるでしょう。
対策を考えるためには、まず、何が変化しているのか、どのような影響が生じているのかを把握することが出発点になります。
人員構成の変化と、業務・顧客への影響を把握できているか?
ここまで見てきたように、新人の構成比率が変わったときには、業務の生産性、応対品質、顧客へのサービス提供など、複数の面に変化が生じる可能性があります。
一方で、変化が生じていることをデータで確認している場合もあれば、日々の業務を通じて感覚的に捉えている場合もあります。また、影響そのものを検討したことがない場合もあるかもしれません。
大切なのは、あらかじめ「新人が増えると問題が起きる」と決めつけることではありません。
自社では新人をどのように定義しているのか。新人の構成比率が変わったとき、業務や応対品質、顧客へのサービス提供にどのような変化が起きているのか。そして、その変化をどのように把握し、どのような対策を取っているのか。
こうした点を整理することで、自社の運営状況をより具体的に捉えられるようになります。
コールセンターの人員構成と、業務・顧客への影響に関するアンケート
今回は、コールセンターの管理者や運営担当者の皆さまを対象に、新人の構成比率と業務・顧客への影響について、アンケートを実施します。
調査では、新人の定義や構成比率だけでなく、生産性や応対品質、顧客へのサービス提供にどのような変化が生じていると認識しているか、また、その変化をどのように把握し、対策を取っているかを伺います。
特定の問題が起きていることを前提とする調査ではありません。影響があると考えている場合も、影響は少ないと考えている場合も、また、これまで検討したことがない場合も、現状を知るための大切な回答です。
回答者を特定する氏名・会社名・連絡先などの情報は収集せず、回答内容を営業活動や個別の営業案内に利用することもありません。回答は集計・分析し、個人や企業が特定されない形で取り扱います。
日々のコールセンター運営を振り返る機会として、ぜひご協力ください。
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