コラム
およそ病は、鬱にて起こること多し
2023年5月30日
およそ病は、鬱にて起こること多し
「およそ病は、鬱にて起こること多し」という言葉は、漢方医学の基本的な概念を表しています。ここでの「鬱」は、体内のエネルギー「気」の流れが滞る状態を指しています。
では、「気」や「気の流れ」は何を指すのでしょうか。これを理解するためには、まず気の概念を理解する必要があります。「気」は生命エネルギーまたは体内のエネルギーの流れを指し、体の機能を維持するために重要な役割を果たします。
具体的なイメージを持つために、電流を考えてみましょう。家庭の電化製品がスムーズに動作するためには、壁のコンセントから電流がスムーズに流れる必要があります。しかし、何かがその電流の流れを遮ると、電化製品の動作は停止し、家全体の機能が低下します。
体内の「気」の流れも同様に考えることができます。健康な体では、「気」はスムーズに流れ、各臓器は正常に機能します。しかし、「気」の流れが滞ると、それに連動して体の機能も低下します。
「気」の流れが滞る原因は様々です。たとえば、長時間のストレスや過労は「気」の流れを妨げ、結果的に「肝気鬱滞」を引き起こすことがあります。「肝気鬱滞」は、怒りやイライラ、抑うつなどの感情的な問題を引き起こす可能性があります。
一方、不健康な食生活や運動不足は「脾気鬱滞」を引き起こす可能性があります。「脾気鬱滞」は、消化不良や食欲不振などの症状を引き起こします。なぜなら、脾は食物をエネルギーに変え、体全体に運ぶ役割があるからです。
このように、「気」の流れが体全体の健康状態に大きな影響を及ぼすとされています。体内の「気」の流れをスムーズに保つことが、健康を維持し、病気を予防するための重要な要素であると漢方医学は説いています。
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