寝ても疲れが取れない40代女性へ。その疲れ、「気」の消耗かもしれません

一日の終わりの一杯。仕事が終わって、家事も片づいて、ようやく座れた時間。
そのビールやワインは、多くの女性にとって、数少ない「自分のための時間」だと思います。取り上げたいわけではありません。
ただ、ひとつだけ知っておいていただきたいことがあります。
お酒の適量は、女性と男性で倍ちがう、ということです。
■ 「純アルコール量」で考える
お酒の量を「ビール何本」で数えている方がほとんどだと思います。でも実際に体へ影響するのは、その中に含まれる純アルコールのグラム数です。
純アルコール量(g)
= お酒の量(ml)× 度数(%)÷ 100 × 0.8
ビール500ml(5%)なら、20gです。
厚生労働省が2024年に公表した「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」では、生活習慣病のリスクを高める飲酒量を、次のように示しています。
女性 1日 20g以上 (ビール500ml缶 1本)
男性 1日 40g以上 (ビール500ml缶 2本)
つまり女性にとっては、ロング缶1本がすでにボーダーラインということになります。
とくに気をつけたいのが、高アルコールの缶チューハイです。9%の500ml缶は、それだけで36g。日本酒1.5合を超える量になります。「ビールより軽そう」という見た目とは、ずいぶん違います。
■ なぜ女性は、男性より少量なのか
理由は3つあります。
ひとつめは、体格と体内の水分量。女性は男性より体が小さく、水分量も少なめです。同じ量を飲めば、血中のアルコール濃度は高くなります。薄める水が少ない、とイメージしていただくとわかりやすいと思います。
ふたつめは、分解する力。アルコールを分解する酵素の働きは、女性のほうが弱い傾向があるとされています。
みっつめは、女性ホルモンとの関係です。飲酒がエストロゲンの血中濃度を上げるという報告があり、お酒と女性ホルモンは互いに影響し合う関係にあります。
「同じ量を飲んでいるのに、私だけ翌日つらい」というのは、気のせいではありません。
■ 更年期世代の方へ
40代後半からの更年期には、ほてり・のぼせ・寝汗といった症状が出てきます。
アルコールは血管を広げるため、ホットフラッシュを誘発したり、強めたりすることがあります。「飲んだ日の夜は、寝汗がひどい」という声は、店頭でもよくうかがいます。
また、寝つきをよくするつもりの一杯が、かえって眠りを浅くします。アルコールが分解される過程で、夜中に目が覚めやすくなるためです。更年期の中途覚醒に寝酒が重なると、眠りはさらに不安定になります。
■ 「私より、夫のほうが心配です」
ここまで読んで、そう思われた方も多いのではないでしょうか。
実際、当店にご相談にみえるのは、圧倒的に女性です。ご主人の体を心配して、奥さまが先に動く。それが現実です。
ご主人のお酒について、ひとつだけ誤解を解いておきます。
「プリン体ゼロなら痛風は大丈夫」――これは、残念ながら正しくありません。
アルコールそのものが体内で尿酸の産生を増やし、さらに尿への排泄を妨げます。そのうえ利尿作用で水分が出ていき、残った尿酸が濃くなる。増える、出ない、濃くなる、の三重苦です。
ビール大瓶1本のプリン体は約50mg。白子やレバーは100gで約300mgですから、実はビールのプリン体は多くありません。問題は、おつまみやお酒の種類ではなく、アルコール摂取そのものにあるのです。
■ 中医学では、お酒をどう見るか
中医学では、お酒は「湿熱(しつねつ)」を生むものと考えます。
湿は、体にたまる余分な水分や重たさ。熱は、こもった熱です。お酒はこの両方を同時に生むため、飲み続けると体の中に「じめじめした熱」がこもっていく、というイメージです。
そして、どこに現れるかは体質で違います。むくみや皮膚に出る方、イライラや目の充血に出る方、胃腸が弱る方、ほてりや乾燥に出る方。同じように飲んでいても、崩れる場所は人それぞれです。
古代中国では、痛風は「帝王病」「富貴病」と呼ばれていました。よく食べ、よく飲む人の病気。2000年前の観察が、今も外れていないのは興味深いところです。
■ 今日からできる3つのこと
1 週に2日、休肝日をつくる
あらかじめ曜日を決めてしまうほうが続きます。
2 お酒と同量の水を飲む
脱水を防ぎ、飲む総量も自然に減ります。
3 「寝酒」にしない
眠るためのお酒は、睡眠にとって逆効果です。
やめる必要はありません。変えるのは、量と、飲み方と、飲まない日のつくり方です。
■ ご相談について
「自分の飲み方も気になるけれど、それ以上に夫が心配」
「何度言っても聞いてくれず、言うたびに空気が悪くなる」
そうしたご相談を、よくいただきます。
くすりの厚生会では、ご本人だけでなく、ご家族からのご相談も承っています。今の飲酒量がその方の体にとってどのくらいの負担なのか、体質から見てどこに影響が出やすいのか、何から減らすのが現実的か。責める形ではなく、一緒に整理していきます。
ご主人を連れてこられなくても構いません。まずは奥さまお一人で、状況をお聞かせいただくところから始められます。
体質別の詳しい養生法、飲んだ日のケアに使える食材については、当店ホームページのコラムでご紹介しています。あわせてご覧いただければ幸いです。
※本コラムは健康情報の提供を目的としたもので、診断・治療を目的とするものではありません。飲酒のコントロールが難しいと感じる場合は、医療機関にご相談ください。
体質別の詳しい養生法、飲んだ日のケアに使える食材に
ついては、当店ホームページのコラムでご紹介しています。
https://kusurinokouseikai.com/


