【医師監修】 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)について知ろう!
◆はじめに:なぜ「眠気」を放置してはいけないのか
「しっかり眠っているはずなのに、日中どうしようもなく眠い」「家族からいびきがうるさいと指摘される」……。そんな悩みを抱えていませんか?これらは単なる疲れや癖ではなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS)という病気のサインかもしれません。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に何度も呼吸が止まったり、浅くなったりする病気です。放置すると、高血圧や糖尿病、心筋梗塞、脳卒中といった深刻な生活習慣病のリスクを劇的に高めます。しかし、この病気の恐ろしいところは、眠っている間の出来事であるため、本人が自覚しにくい点にあります。今回は、専門医の立場から、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を早期発見するための検査について詳しく解説します。
◆第1のステップ:自宅で手軽に「簡易検査」
検査と聞くと「入院が必要?」「大掛かりな装置をつけるの?」と不安になる方も多いでしょう。しかし、最初に行われるのは、簡易検査(スクリーニング検査)と呼ばれるものです。これは、自宅でリラックスして受けられます。
簡易検査では、手の指や鼻に小さなセンサーを装着して眠るだけです。主に以下の項目を測定します。
・血中酸素飽和度(SpO2): 血液の中にどれくらい酸素が含まれているか。
・気流(呼吸): 鼻からの空気の流れが止まっていないか。
・いびきの音: どの程度の頻度といびきが出ているか。
眠る前に自分で装置を装着し、翌朝外して医療機関に返却(または郵送)するだけなので、仕事や家事で忙しい方でも日常生活を崩さずに受けることが可能です。この結果、1時間あたりの無呼吸や低呼吸の回数(AHI)が一定以上であれば、さらに詳しい精密検査へと進みます。
◆第2のステップ:標準検査「ポリソムノグラフィー(PSG)検査」
簡易検査で異常が見つかった場合、あるいは睡眠時無呼吸症候群(SAS)が強く疑われる場合は、ポリソムノグラフィー(PSG)検査を行います。これは睡眠時無呼吸症候群(SAS)診断のゴールデンスタンダード(最も信頼できる検査)です。
ポリソムノグラフィー(PSG)検査では、脳波や眼球運動、筋電図、心電図、呼吸、血中酸素などを網羅的に測定します。
・脳波を測る理由:呼吸が止まった際に、脳がどれくらい覚醒しているかを確認し、睡眠の質を客観的に評価するためです。
・睡眠段階の特定:深い睡眠(ノンレム睡眠)や夢を見る睡眠(レム睡眠)のどこで無呼吸が起きているかを分析します。
以前は一泊二日の入院が必須でしたが、最近では在宅で行える高度なポリソムノグラフィー(PSG)検査機器を導入しているクリニックも増えています。どちらの形式でも、専門家が詳細なデータを解析することで、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の重症度だけでなく、他の睡眠障害(周期性四肢麻痺など)が隠れていないかも分かります。
◆検査の結果、治療が必要と言われたら?
検査結果で重症と診断された場合、最も一般的で効果的な治療法が、CPAP(シーパップ:経鼻的持続陽圧呼吸療法)です。これは、眠っている間に鼻にマスクを装着し、空気を送り込んで気道を広げる治療法です。
「寝る時にマスクをするなんて、余計に眠れなそう」と敬遠する方もいますが、実際に治療を始めると「翌朝の頭の重さがなくなった」「日中の強烈な眠気が消えた」と、劇的な改善を実感する方がほとんどです。
◆最後に:あなたの未来を守るための一歩
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、決して珍しい病気ではありません。しかし、治療をせずに放置することは、体への大きな負担を放置し続けることと同義です。「たかがいびき」「たかが昼寝」と軽視せず、少しでも心当たりがあるなら、まずは簡易検査から始めてみませんか。
雨晴クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の検査に関するご相談をお受けしています。どうぞお気軽にお尋ねください。




