【医師監修】 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)について知ろう!
■睡眠時無呼吸、それは一体?
皆さんは「睡眠時無呼吸」という言葉をご存知でしょうか?睡眠中に呼吸が止まってしまう、そんな恐ろしい症状です。睡眠時無呼吸には大きく分けて2種類あり、今回詳しくお話しするのは「中枢性睡眠時無呼吸症候群」です。
■中枢性睡眠時無呼吸症候群とは?
中枢性睡眠時無呼吸症候群は、脳の呼吸中枢がうまく働かず、呼吸が止まってしまう病気です。これは、鼻やノドが詰まって呼吸できない「閉塞性睡眠時無呼吸症候群」とは異なる点です。
■なぜ起こるの?
中枢性睡眠時無呼吸症候群は、脳卒中や脳腫瘍など脳の病気や、心不全などの心臓の病気、薬の副作用など、さまざまな原因が考えられます。脳が呼吸をコントロールする信号を適切に送ることができず、睡眠中に呼吸が浅くなったり、止まってしまうのです。
■どんな症状があるの?
中枢性睡眠時無呼吸症候群の主な症状は、日中の強い眠気です。夜中に何度も目が覚めたり、熟睡感が得られないため、日中に集中力が低下し眠気が襲ってきます。また、頭痛や倦怠感、イライラ感などを伴う場合もあります。
■閉塞性睡眠時無呼吸症候群との違いは?
閉塞性睡眠時無呼吸症候群は、鼻やノドの構造的な問題によって気道が狭くなり、呼吸が妨げられることで起こります。いびきが大きく、途中で呼吸が止まるのが特徴です。一方、中枢性睡眠時無呼吸症候群は、脳の機能的な問題が原因であり、いびきは少なく、呼吸がゆっくりと浅くなるのが特徴です。
■どうやって診断するの?
中枢性睡眠時無呼吸症候群の診断には、睡眠ポリグラフ検査検査を行います。この検査では、脳波や心電図、呼吸の様子などを記録し、睡眠中の呼吸の状態を詳しく調べます。
■治療法は?
中枢性睡眠時無呼吸症候群の治療法は、原因となる病気の治療が基本です。例えば、心不全であれば心不全の治療を行う、といった具合です。また、酸素療法や、呼吸を刺激する薬物療法が行われることもあります。
■自分でできることは?
中枢性睡眠時無呼吸症候群は、自分で完全に治すことは難しいですが、生活習慣の改善によって症状を軽減できることがあります。
・規則正しい睡眠:毎日同じ時刻に眠り、同じ時刻に起きるようにしましょう。
・昼寝を控える:日中の眠気を我慢し、夜しっかりと眠れるようにしましょう。
・カフェインやアルコールを控える:カフェインやアルコールは睡眠の質を低下させるため、眠る前には避けるようにしましょう。
・適度な運動:運動は睡眠の質を改善する効果があります。ただし、眠る直前の激しい運動は避けましょう。
■まとめ
中枢性睡眠時無呼吸症候群は、放置すると生活の質を大きく低下させてしまう可能性があります。もし、日中に強い眠気を感じたり、睡眠中に呼吸が止まっているような気がする場合は、一度医師に相談することをおすすめします。
雨晴クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群の方の診療を行っています。どうぞお気軽にご相談ください。