【解決事例】交際相手に事業資金として提供した400万円を取り戻した事例
ご相談の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 相談者 | Aさん(女性・30代) |
| ご相談内容 | 勤務先の同僚Bさんから、Bさんの知人男性の医療費・生活費などの名目で長期間にわたり金銭を要求され、支払いを続けていた |
| お支払いの状況 | 約7年間で合計1700万円を超える金銭を支払っていた |
| ご依頼内容 | 支払ったお金を取り戻したい |
| 解決手段 | 返還請求書の送付、民事訴訟の提起、裁判所での和解 |
| 解決結果 | 裁判所での和解により、約1400万円の返還を受けて終了 |
ご依頼に至るまでの経緯
同僚を介した金銭の要求が始まった経緯
Aさんは勤務先の病院で働く中で、同僚のBさんと仕事以外でも交流のある間柄でした。
ある時、Aさんの勤務先の病院にCさんという男性が入院し、AさんはCさんに好意を抱くようになりました。Bさんにその話をしたことをきっかけに、Cさんの退院後、Bさんの紹介でCさんやその友人Dさんと食事に行く機会が生まれ、グループで交流する関係になりました。
しばらくして、CさんやDさんと連絡が取れなくなり、Bさんに事情を尋ねたところ、CさんがAさんとDさんの双方に親しくしていたことをきっかけに体調を崩し、生活に困窮しているとの説明を受けました。
長期化した金銭の要求と支払いの経緯
Bさんは、Cさんの体調悪化にはAさんにも責任があるとして、医療費や生活費の負担を求めるようになりました。
その後、Bさんは複数回にわたって現金を受け取ったほか、Cさんの生活に必要な物品を購入するとしてAさん名義のクレジットカードを預かることもありました。Aさんの手元にはカードの利用明細が届いていたものの、実際にCさんの手に渡っているかどうかを確認する手立てはありませんでした。
さらに、Cさんの親族や知人にかかる損害を補うためとして金銭を求められることもあり、支払いは7年間で合計1700万円を超える規模にまで膨らんでいきました。
ある時、Cさんに弁護士が必要になり、その費用として700万円を求められたAさんは、用意ができず、初めて知人に相談しました。知人から「事実を確認せずに大金を払い続けるのはおかしいのではないか」と指摘され、弁護士への相談を勧められたことが、弊所へのご依頼につながりました。
弁護士の対応と解決への流れ
事実関係と証拠の整理
弊所では、まずAさんから約7年間にわたる経緯を時系列で伺い、裏付けとなる証拠の確認を進めました。
その結果、Bさんに渡した金銭のうち約1400万円分については、送金記録やクレジットカードの利用履歴、購入した物品がBさんに渡っている記録など、裏付けとなる資料が確認できました。あわせて、Bさんとの間で交わされた膨大なLINEやメールの記録も残されていました。
これらの記録を確認していくと、Cさんの体調悪化を理由に様々な名目で支払いを重ねさせるやり取りや、Bさん自身もCさんのために費用を負担している、Aさんを守っているといった内容の連絡が確認されました。
Aさんご自身も、当時を振り返って「最初は本当に支払う必要があるのか疑問に思うこともあったが、不安をあおるメッセージと安心させるメッセージが交互に届く中で、冷静な判断がしづらくなっていたように思う」と話しておられました。
警察への相談と方針の切り替え
Aさんの意向を確認したところ、可能であれば刑事責任を追及したい、それが難しければ支払った金銭を取り戻したいとのご希望でしたので、弊所で対応をお引き受けしました。
まずAさんに最寄りの警察署へ被害相談に行っていただきましたが、警察からは、詐欺罪に該当すると断定できる材料が十分ではなく、被害届の受理には至らないとの回答でした。
その後も継続して警察とやり取りを重ねましたが、事件化は難しいとの判断が変わらなかったため、民事上の請求として進める方針に切り替えました。
訴訟の提起と和解による解決
弊所からBさんへ返還を求める書面を送付したところ、Bさんからは「受け取ったお金は全てCさんに渡している」「自分も弁護士に依頼する」との回答がありました。
しかし、その後Bさんの代理人弁護士から連絡が来ることはなく、Bさん本人にも連絡が取れなくなったため、これ以上の交渉による解決は難しいと判断し、訴訟を提起しました。
訴訟でもBさんは同様の主張を続けましたが、これを裏付ける証拠は提出されませんでした。一方、Aさん側からは金銭や物品の流れを示す資料、BさんとのLINE・メールのやり取りを提出し、Bさんが金銭を受け取った経緯を具体的に立証しました。
これらの主張・立証を踏まえ、Bさんに十分な資力がないことも考慮したうえで、裁判所の関与のもと、支払スケジュールを定めた和解を成立させました。その後、Bさんから和解金全額の支払いを受け、本件は終了となりました。
解決結果と弁護士からのコメント
本件は、勤務先の同僚という身近な関係の中で金銭を要求され、長期間にわたり支払いを続けてしまったという事案でした。
特定の第三者や書類による裏付けを示されることなく、Bさんの説明のみを根拠に支払いが継続していた点も特徴的でした。
弊所では、詐欺や脅迫・恐喝の被害に関するご相談を数多くお受けしていますが、本件のAさんのように、不安と安心を交互に与えられることで冷静な判断がしづらくなり、支払いを重ねてしまうケースは少なくありません。
このような手口には、いくつか共通する特徴が見られます。
- 相手の行為が違法であると指摘し、警察や弁護士の存在を匂わせて支払いを迫る
- 自分だけが味方であるという印象を与え、他者への相談を遠ざけようとする
- LINEや電話などで頻繁に連絡を取り、不安を与える言葉と安心させる言葉を繰り返して精神的に揺さぶる
このような状況に置かれた場合は、できるだけ早い段階で、警察や弁護士などの専門家、あるいはご家族や信頼できる知人に相談し、状況を客観的に確認してもらうことが大切です。
相談が早ければ早いほど被害の拡大を防ぎやすく、既に支払ってしまった場合でも、その後の被害回復を図りやすくなります。
金銭の支払いについて少しでも疑問を感じることがあれば、お早めに弊所までご相談ください。


