【解決事例】交際相手に事業資金として提供した400万円を取り戻した事例
SNSを通じて知り合った相手から投資を持ちかけられ、200万円を渡してしまったものの、弁護士の交渉により全額の返金を受けることができた事案をご紹介します。身元の分からない相手への送金には大きなリスクが伴いますが、本件では早期のご相談と証拠の確保が功を奏し、解決に至りました。
ご相談の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 依頼者 | Aさん(男性・40代) |
| 相手方 | Bさん(身元不詳、SNSを通じて接触) |
| 被害額 | 200万円 |
| きっかけ | SNSのダイレクトメッセージによる投資の勧誘 |
| 結果 | 弁護士が相手方と直接交渉し、全額の返金を受けて終件 |
ご相談に至るまでの経緯
Aさんは、真面目に働きながらこつこつと貯蓄を続けていました。ある日、SNSのダイレクトメッセージを通じて、Bさんと名乗る人物から連絡がありました。Bさんは、確実に利益が出るという投資案件があると持ちかけてきました。
Aさんは当初、それまで投資の経験がなかったこともあり、やり取りに応じていませんでした。しかし、Bさんからの連絡が続いたことや、将来への不安もあったことから、話だけでも聞いてみようと考えるようになります。
実際にBさんと会って説明を受けたAさんは、投資の内容を十分に理解できたわけではありませんでしたが、Bさんが繰り返し「リスクはない」「確実に儲かる」と説明したことから、次第に話に応じる気持ちになっていきました。最終的に、契約書を取り交わすこともないまま、口約束のみで200万円を渡してしまいました。
その後、Aさんが運用状況を確認しようとしても、Bさんからの返答は徐々に曖昧になり、連絡の頻度も下がっていきました。投資名目の詐欺被害に関する情報をインターネットで目にしたAさんは、自分も同じような被害に遭っているのではないかと不安を感じ、弊所にご相談にいらっしゃいました。
弁護士の対応と解決への流れ
ご相談の際、まずAさんがBさんについてどの程度の情報を把握しているかを確認しました。Aさんが知っていたのは、Bさんが名乗っていた氏名と電話番号のみで、契約書や金銭の授受を裏付ける書面もありませんでした。SNS上のやり取りも、実際に会うまでの分しか残っておらず、勧誘時の説明内容を裏付ける証拠は乏しい状況でした。
もっとも、相談の時点ではBさんとの連絡自体は取れる状態にありました。そこで、Bさんを呼び出したうえで、これまでの経緯や金額について会話の中で確認しながら記録し、証拠を確保したうえで返金を求めるという方針をAさんに説明しました。
弊所からBさんに直接連絡すると、警戒されて連絡が取れなくなる可能性があったため、Aさんから「追加で投資をしたい」と伝えてもらい、Bさんを呼び出してもらう形を取りました。Aさんには、事前にこれまでの経緯や金額を自然な形で確認しながら会話を録音するよう伝え、当日は弁護士も同じ場に居合わせ、状況を記録できるよう備えました。
当日、AさんとBさんの会話が進み、追加の投資金を渡す段階になったところで、弁護士がAさんの代理人であることを伝えて交渉に加わりました。契約書もなく、投資の実態を確認できない状況で200万円もの金銭を渡していること、その後の説明もないことを指摘し、詐欺の疑いがあることを伝えました。
Bさんに身元を確認できる資料の提示を求めたところ、免許証の提示があり、氏名・住所を確認したうえで、200万円を投資名目で預かっている事実を改めて確認し、即時の返金を求めました。あわせて、やり取りを録音していること、連絡が取れなくなった場合には詐欺事件として警察に相談する意向であることも伝えました。
Bさんからは、一日に振り込める金額に制限があるため、複数回に分けて返金するとの回答があり、返金を約束する書面を取り交わしたうえで、口座情報を伝えました。その後、Bさんから複数回にわたり200万円全額の入金があり、本件は終件となりました。
解決結果と弁護士からのコメント
弊所では詐欺被害に関するご相談を多数お受けしていますが、中でも投資詐欺は件数の多いご相談の一つです。本件のように、SNSを通じて知り合った相手から儲け話を持ちかけられ、金銭を渡してしまうケースは後を絶ちません。手口は次々と変化しており、手口を知ること自体は被害予防に一定の意味がありますが、それだけでは十分とは言えません。
詐欺被害のご相談は多くいただきますが、一度渡してしまった金銭を取り戻すことは、一般に容易ではありません。相手方の身元が分からず、連絡が取れなくなってしまうケースも少なくありません。LINEなどのやり取りのみで話が進む場合も多くありますが、そうしたやり取りのみから弁護士の調査によって相手方の身元を特定することは、現状では困難です。振込先の口座についても、名義人が無関係な第三者であることがあり、加害者本人の特定に至らない場合もあります。
本件は、Bさんが組織的な詐欺グループではなく、身元の確認や返金交渉に応じる余地が残っていたことから、比較的早期に全額の回収につながったケースといえます。同様の形で全額を回収できるケースは、詐欺被害の中でも多いとは言えません。そのため、被害を未然に防ぐ視点が何より重要になります。
同様の被害でお悩みの方へ
身元の分からない相手にお金を渡さないこと、そして自分一人で判断せず、家族や友人、可能であれば警察や弁護士に相談することが、詐欺被害を防ぐうえで大切です。すでに金銭を渡してしまい、不安を感じていらっしゃる方は、状況が変わらないうちに早めにご相談いただくことをお勧めします。身元の分からない相手からの儲け話や金銭の請求でお悩みの方は、お金を渡してしまう前に、また渡してしまった後であっても、一度弊所にご相談ください。


