【解決事例】投資詐欺被害、弁護士の介入により200万円を取り戻した事例
交際していた相手に事業資金として渡したお金が、実は根拠のない話に基づくものだったというご相談は少なくありません。今回は、外国籍の交際相手に貸し渡した400万円について、弊所が対応し全額の回収に至った事案をご紹介します。
ご相談の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 依頼者 | Aさん(女性・40代) |
| 相手方 | Bさん(外国籍の男性・交際相手) |
| 主な争点 | 交際相手に事業資金として渡した400万円の返還 |
| 解決結果 | 400万円全額を回収 |
ご依頼に至るまでの経緯
マッチングアプリで知り合った交際相手への送金
Aさんは、マッチングアプリで知り合った外国籍のBさんと交際を始めました。Bさんは、海外の弁護士資格を持ち、日本には仕事で滞在している、都内のタワーマンションに住んでいるなどと話していたとのことです。
交際を続ける中で、Bさんから、日本での事業に必要な資金が足りないとして400万円を貸してほしいと頼まれました。Bさんは事業内容に関する資料をいくつか示しましたが、内容は複雑で、Aさんには十分に理解できないものでした。
それでもAさんは、Bさんへの好意や、事業に関する資料まで見せてもらえたことから、Bさんの指定する口座に400万円を振り込みました。
説明の食い違いに気づき弊所へ相談
その後、Aさんが結婚を意識してBさんの自宅を訪ねたいと伝えても断られたり、送金後は連絡が取りにくくなり、事業の進捗を尋ねても曖昧な返答しか得られなくなったりする状況が続きました。
そうした中で、Aさんは、Bさんが実際には海外の弁護士資格を持っていないことを知ります。Bさんの説明に虚偽があったことが分かり、渡した400万円についても返還を求めたいと考え、弊所にご相談いただきました。
弁護士の対応と解決への流れ
証拠の整理と警察への相談
Aさんから、Bさんと知り合ってから相談までの経緯を伺ったところ、Bさんの身元について分かっている情報は、名前と振込先の口座程度にとどまっていました。
一方で、Aさんの手元には、Bさんとの間で交わした多数のメッセージが残っており、Bさんが400万円の借入れを依頼した際に、具体的な説明をしていたことを裏付ける資料として活用できることが分かりました。
身元が十分に判明していない状況ではありましたが、証拠として使える資料があったため、まずは最寄りの警察署へ被害相談に行くようお伝えしました。もっとも、この段階では、警察から詐欺に当たるかどうかは断定できないとの回答にとどまり、弁護士への相談を勧められるにとどまりました。
相手方の所在確認と口座凍結の要請
警察への相談だけでは進展が見込めなかったため、民事事件として対応を進めることとしましたが、Bさんの住所等が判明しなければ請求のしようがありません。
そこで、AさんとBさんが会う予定があるタイミングに合わせ、弊所のスタッフが付近で待機し、Bさんの帰宅先の把握を試みました。当日は複数名の体制で対応し、AさんとBさんが別れた後にBさんの移動を確認したところ、当初聞いていた場所とは異なるところへ帰宅する様子が分かり、住所と思われる場所を把握するに至りました。
Bさんの資力が十分でない可能性や、海外へ出国してしまう可能性も踏まえ、弊所からBさんの口座凍結を金融機関へ要請しました。口座凍結の後、Bさんには代理人として弁護士が就きましたが、返還条件に関する協議は平行線をたどりました。
刑事事件化を経ての全額回収
その後、新たに得られた情報を踏まえて改めて警察に被害相談をしたところ、被害届が受理され、刑事事件として捜査が進められることになりました。
しばらくして、警察からBさんを逮捕した旨の連絡があり、Bさんの代理人からも400万円の弁済に応じる意向が示されました。弊所は口座凍結の解除を金融機関に申し入れたうえで、Bさんの代理人を通じて400万円全額を回収し、解決に至りました。
解決結果と弁護士からのコメント
弊所ではこれまで、多くの詐欺被害のご相談をお受けしてきましたが、一度お渡ししたお金を全額取り戻すことは、一般的には容易ではありません。その理由の一つとして、本件のように相手方の身元が十分に分からず、連絡を取る手段が限られてしまうケースが多いことが挙げられます。
SNSやマッチングアプリを通じて知り合った相手について、氏名や住所、電話番号などの情報が示されても、それが虚偽である場合や、提示された身分証明書が偽造されているケースも見られます。相手の身元に関する情報が示された場合でも、複数の方法で実在性を確認しておくことが望ましいといえます。
本件では、相手方が外国籍であったこともあり、通常の事案よりも身元の特定に時間を要する可能性がありました。海外へ出国されてしまえば対応が難しくなる懸念もありましたが、所在の確認や口座凍結、刑事事件化など、複数の対応を重ねることができたことが、全額回収につながった一因と考えられます。
もっとも、こうした形で全額を回収できるケースは、詐欺被害の中でも多くはありません。相手の身元が十分に分からないまま金銭を渡すことは避け、一人で判断せずに周囲や専門家に相談することが、被害の予防につながります。
同種のトラブルでお悩みの方へ
交際相手や親しい間柄の相手からお金を求められた場合、断りづらさから応じてしまうことも少なくありません。すでにお金を渡してしまった後であっても、証拠の整理や相手方の特定など、取り得る対応がある場合があります。お一人で悩まれず、早めに弁護士へご相談ください。


