【セールス勝ちパターン】「営業力」とは何か?売れる営業に不可欠な3つの能力と育成方法
目次
「顧客は製品Aを欲しがっているから、製品Aを提案すればいい」
多くの営業パーソンが、顧客の表面的な要望(顕在ニーズ)にのみ応える提案をしてしまい、結果として価格競争に巻き込まれたり、他社との差別化に苦戦しています。
真に成約率や成約単価の高い営業は、顧客が自覚していない「潜在ニーズ」を深く引き出し、それを解決するソリューションを提案することで、唯一無二の存在となります。
本稿では、営業の根幹をなす「ヒアリング力」を組織的に強化するための具体的な手法について、経営コンサルタントの視点から解説します。
ヒアリング力とは「顧客の課題を言語化する力」である
ヒアリング力とは、単に顧客の話を聞き出すスキルではありません。
私たちは、ヒアリング力を
- 「顧客の表面的な要望の背景にある、真の課題や欲求、感情を深く洞察し、それを顧客自身と共に言語化する能力」
と定義しています。
- 顕在ニーズが「コストを下げたい」「効率化したい」といった表面的な要望であるのに対し、
- 潜在ニーズは「コストを下げて、新しい事業に投資したい」「業務効率化で、社員の残業時間を削減したい」
といった、その背景にある具体的な目的や課題を指します。
この潜在ニーズを言語化できるかどうかが、顧客の意思決定を大きく左右するのです。
潜在ニーズを引き出すための3つの手法
潜在ニーズを引き出すヒアリングには、以下の3つの手法が不可欠です。
1. 5W1Hを超えた「なぜ?」を使わず、理由深掘り質問
- 「なぜ、それを実現したいのですか?」
- 「その結果、誰が、どのように変化しますか?」
といった、「なぜ?」を繰り返すことで、顧客の要望の真意や背景にある課題を掘り下げることができますが、潜在ニーズにおいては相手から答えてもらうことが難しいと言われています。
そのため、「なぜ?」を引き出すための、「第三者+事例」を活用し、潜在ニーズに気づいてもらう必要があります。
質問例:
- 「現在、どのような課題がありますか?例えば、他の企業様(お客様)の場合は…のようなことが起きていますが…」
- 「その課題が発生している理由は、イメージ付きますか?例えば…」
- 「先日面談した方は、〇〇のようなことを心配しておりました。〇〇さんの企業では、その課題を解決しないと、将来的にどのようなリスクが発生しそうですか?」
上記のような質問を、トップセールスがどのような“前フリ”や“言葉づかい”、“事例”を使っているか、を言語化します。
これにより、単なる「製品の機能」の話から、「顧客の事業課題」の話へと議論をシフトさせることが可能になります。
↓参考ノウハウ(一例)
2.「未来志向」でのイメージング
顧客が抱えている「現状の課題」だけでなく、「どのような理想の状態を実現したいか?」という「未来」に焦点を当てる質問を投げかけます。
これにより、顧客自身が自身のビジョンを言語化し、解決策の必要性を強く認識するようになります。
質問例:
- 「実際にその課題を発見した(認識した)のはいつ頃のことですか?どのような声や問題が発生したのですか?」
- 「仮にこの課題が解決することで、どのような状態になっていたいですか?例えば、若手が辞めない…など」
- 「その理想を実現するために、最も重要だと考えていることは何ですか?」
3.「課題の痛みを共有する」共感と整理
顧客の課題や不満に対して、単に聞くだけでなく、共感を示しながらヒアリングした情報を整理し、再提示します。
これにより、顧客は「この営業は自分のことを深く理解してくれている」と感じ、信頼関係が構築され、より深い話を引き出しやすくなります。
例:
- 「現状の業務フローでは、月に〇〇時間の残業が発生しているとのこと、非常に大きな負担ですよね。
- この状況を改善することが、御社にとって最重要課題であると理解しました。合っていますか?」
具体事例:ヒアリング力を組織の資産にする3ステップ
あるBtoBソフトウェア企業では、営業パーソンによって成約率に大きな差がありました。
トップ営業は潜在ニーズを引き出すのが得意でしたが、そのノウハウは属人的でした。
そこで、私たちは以下の3ステップでヒアリング力強化プロジェクトを推進しました。
ステップ1(言語化):成功の質問パターンを「型」として共有
まず、トップ営業の商談に同行し、「どのような質問が顧客の潜在ニーズを引き出したのか」を徹底的に分析。
その結果、「経営層の〇〇という課題に響く質問」「現場担当者の△△という不満を引き出す質問」といった、具体的な質問パターンや成功事例を「ヒアリングチェックシート」として言語化しました。
ステップ2(伝達力強化):実践的なロールプレイングで反復練習
作成した「ヒアリングチェックシート」を使い、全営業パーソンでロールプレイング研修を実施。
顧客役と営業役を交互に演じ、「ヒアリングシート」に沿った質問をすることで、顧客の潜在課題を特定する訓練に時間を割きました。これにより、全員が「型」を習得できるようになりました。
ステップ3(実践とフィードバック):現場での商談を振り返り、改善
実際の商談後、営業パーソンは
- 「ヒアリングチェックシート」を用いて、「潜在ニーズを3つ以上引き出せたか?」
- 「未来志向の質問を2回以上投げかけられたか?」
といった項目を自己評価(プロセス化)し、マネージャーと共有しました。
マネージャーは、その振り返りを基に個別にフィードバックを実施。
このサイクルを継続することで、マニュアルは常に改善され、組織全体の営業スキルが着実に向上していきました。
まとめ
顧客の「潜在ニーズ」を引き出すヒアリング力は、価格競争から脱却し、高い成約率を実現するための鍵です。
本稿で解説したように、「深掘り質問」「未来志向」「共感と整理」といった手法を駆使し、それを組織的に「仕組み化」することで、営業チーム全体のパフォーマンスを劇的に向上させることが可能です。
株式会社バリュー・コア・コンサルティングは、これまで多くの企業で営業組織の課題解決を支援してまいりました。
例えば、ある大手保険代理店業では、私たちの支援によりヒアリング力強化プロジェクトの導入により、成約率及び提案単価が平均125%向上し、高収益体質へと変革を遂げました。
貴社の営業チームが、ただの「御用聞き」から「真の課題解決パートナー」へと進化するための支援を、私たちが提供します。
ヒアリング力強化を通じて、組織全体の成約率を向上させたいとお考えなら、ぜひ一度、お気軽にご相談ください。具体的なソリューションをご提案いたします。
御社の営業組織には、以下のような課題はありませんか?
- 一部の優秀な営業パーソンに頼る「属人化」した営業体制になっている
- 顧客のニーズが複雑化・多様化しており、従来の「根性論」では通用しなくなってきている
- 若手社員へのノウハウの継承が進まず、組織全体の営業力が底上げされない
- 営業活動の「成功パターン」が言語化されておらず、再現性のある「売れる仕組み」を構築できていない
もし一つでも当てはまるなら、それは持続的な成長を妨げるボトルネックです。
私たち株式会社バリュー・コア・コンサルティングは、これらの課題を解決し、再現性のある「売れる仕組み」を構築するご支援をいたします。
まずはお気軽にご相談ください。貴社の課題を共に特定し、具体的な成長戦略をご提案します。
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