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室岡宏

「心のストレッチ研修」で人材を定着させる社会保険労務士

室岡宏(むろおかひろし) / 社会保険労務士

社会保険労務士事務所スローダウン

コラム

【リスクマネジメント】カスタマー・ハラスメントの総合対策!

2019年9月11日 公開 / 2020年4月23日更新

テーマ:社会保険労務士による総合支援プログラム

コラムカテゴリ:ビジネス

コラムキーワード: 社労士 相談リスク管理労働問題




~従業員の『命』と『心』を守り、
     信頼される魅力あふれる企業へ~


さて、
カスハラ対策を行う「目的」とは何でしょうか?
カスハラ対策を行う「目的」とは、
「従業員の命と心を守ること」です。

ではカスハラ対策とは具体的に何をすれば
良いのでしょうか? それは、
「従業員の命と心を守るために、
 ストレスが滞留することなく、
 組織の中を自然に流れていく職場環境を作ること」

言い換えると、
「ストレスが自然に流れていく『道』を作ること」
ということができます。

その「道」とは、それは
「組織的に対応する仕組み」のことなのです。




働く現場のみなさま!

社会保険労務士事務所スローダウン
特定社会保険労務士・産業カウンセラー
カスタマー・ハラスメント対策コンサルタント
室岡 宏と申します。


カスタマー・ハラスメントによる被害が、
近年、大きな社会問題となっています。
多くの企業、経営者、管理職、そして現場従業員を
苦しめているカスタマー・ハラスメントですが、
どんなにAIが発達しようとも、増えることはあっても、
この社会からなくなることは絶対にないでしょう。
また魔法のような解決方法が発見されることも
期待できません。

残念ながら、発生したカスハラに個別対応している
だけでは、ひたすらもぐら叩きを繰り返している
状態です。

もぐら叩きを繰り返している間に、従業員・職場は
どんどん疲弊し、企業は確実に衰退の下り坂を
下っていくことになります。

それはつまり、
「企業としてのリスクマネジメント対策を
 何もしていない状態」ということなのです。

カスハラ問題に関しては、個人のスキルアップを図ったり
弁護士に対応を依頼したりして、トラブルの解決を目指す
だけでは、まったくリスクマネジメントを行っていることに
はなりません。

「生産性」「モチベーション」「離職」「採用」
「メンタルヘルス」、そして全従業員の「命」・・・
それらすべてのリスクに対して総合的に対策を行うことが、
今、企業に求められているリスクマネジメントなのです。

そして、それらすべてのリスクに対応するカスハラ対策とは、
「社内のどこにもストレスが滞留しないように、
 川の水が当たり前に流れるように、
 ストレスが自然に流れていく『仕組み』を作り上げること」
なのです。







では具体的にどのような対策を行えば良いのでしょうか?


今回は、当事務所のカスハラ対策テキストより抜粋して、
カスタマー・ハラスメントへの「対応策」を
掲載させていただきます。



【カスタマー・ハラスメント対応策】(抜粋)
(リスクマネジメントと危機管理)

<1.リスクマネジメント(事前対策)>
①経営者によるカスハラ理念の策定及び宣言
 ・カスハラは「経営の問題である」と宣言する
 ・これをしなければ、それ以外の対策を
  どれだけ行っても実効性はない
 ・絶対に従業員の命と心を守る!という
  経営者の固い決意が大前提
②経営者によるカスハラ方針の策定
 及び管理職への徹底
 ・従業員の個別マターにしない
 ・管理職がカスハラ対応の中心軸となる
 ・引継ぎのタイミングを予め決めておき
  実践する教育をする
 ・常に組織で対応する
 ・現場に丸投げしない
③組織対応体制の整備
 ・そのために組織体制・要員体制を整備する
 ・理念・方針を「絵に描いた餅」にしない
  ようにするための体制を整備する
④カスハラ研修・勉強会の体制を整備
 ・定期的に行うとともに新人に対しては
  必ず実施する(離職防止対策)
 ・カスハラの危険について忘れないようにする
 ・心構えを事前に学び、ダメージを低減させる
⑤カウンセリング環境を整備
 ・カスハラが起きてから探したり本人が探す
  のではなく、いつでも受けられる体制を整備
 ・気兼ねなく受けられるようにする
⑥全員を対象にメンタルヘルス研修環境を整備
 ・人に言えないプレッシャーを受けている
  管理職向けのメンタルヘルス研修も必須!
 ・定期的にメンタルヘルス研修を受けることを
  前提に研修環境を整備しておく
⑦情報共有(勉強)会の定期開催計画
 ・愚痴を言える環境を作ることは非常に重要
 ・それぞれのカスハラについての情報を定期的
  に共有し、心構えを持つ場を設ける
⑧相談窓口の設置
 ・社外にある方が相談しやすい場合もある
 ・気軽に相談できる窓口を提供する
⑨SNS等風評被害対策の検討
 ・社内で対策することが難しければ、
  対策専門会社と契約することを検討する
 ・予め契約し未然防止、損害拡大防止策
  を講じておくことは、従業員にも安心感を
  与えることになる
⑩弁護士相談体制を整備
 ・顧問弁護士がいれば相談で可能となるが、
  カスハラについての専門性を確認しておく
 ・顧問弁護士の契約が難しい場合は、
  弁護士損害保険への加入を検討する
 ・低額の保険料で弁護士に無料相談ができ、
  かつ委任費用も担保される保険も存在する
 ・いつでも弁護士に相談できる環境を従業員に
  示すことは、従業員に安心感を与える
⑪録音・録画設備の設置検討
 ・業種によるが、録音・録画装置の設置が
  有効となる職種・職場の存在する
 ・録音・録画装置の設置は、
  従業員の安全を図ることになるとともに、
  訴訟になった際の証拠保全措置にもなる。



<2.危機管理(事後対応)>
①クレームの迅速かつ円満な解決を図る
 ・相手に「勝とう」としない。
  うまく負ける方法を考える。
 ・解決が難しい場合は、弁護士等に
  相談したうえで経営者と相談し解決策
  を探る
 ・必要なら躊躇せず警察を呼ぶ
 ・迅速な解決は何よりも重要であるが、
  警察をよんだことにより逆恨みされる
  可能性があることも常に念頭に置き、
  適切な解決方法を「管理職が」
  選択・実行することが重要
②応対者への個別カウンセリングを実施する
 ・必要と判断される場合は、すぐに
  カウンセリングを受けさせる
 ・ストレスをすぐに吐き出させる
③現場従業員への定期メンタルヘルス研修実施
 ・すべての従業員を対象に定期的に
  メンタルヘルス研修を実施する
 ・カスハラは応対者だけではなく、
  周囲の同僚も大きな精神的ダメージを
  受ける点に注意
④管理職へのメンタルヘルス研修を実施する
 ・管理職が受ける精神的ダメージは実は甚大。
 ・しかしそれを立場上言えず溜め込む可能性が
  極めて大。非常に危険
 ・組織的な対応を行う際のキーマンは
  「管理職」なので、管理職へのケアは
  絶対に怠ってはならない
⑤カスハラ情報共有(勉強)会を実施する
 ・たまっている感情を吐き出す効果と、
  情報を共有する効果を目的とするとともに、
  対応時の心構えを持ち、
  ダメージを軽減する効果のためにも重要
⑥経営者へのカスハラ報告を定期的に実施する
 ・カスハラには常に経営者が関与するという
  姿勢を示すとともに、経営者でなければ
  できない体制整備の問題を直接吸い上げる
⑦経営者を含めてカスハラ検証ミーティングを
 定期的に実施する(毎月実施が望ましい)
 ・カスハラ問題を絶対に現場丸投げにせず、
  経営者が現場の苦労を理解し、
  改善策に積極的に関与する











☆すべての従業員様とそのご家族様が
 より幸せになり、企業がいつまでも、
 どこまでも発展し続けていかれることを
 心より願っております!


 

〇(参考)
 【NHK】クローズアップ現代+ サイト
 カスタマー・ハラスメント!客の暴言で心が壊される


 
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 社会保険労務士事務所スローダウン
   特定社会保険労務士 室岡 宏

 住所 ;東京都江東区亀戸5-6-21 4F-21
 TEL ;03-3682-7707(070-4451-5769)
 E-mail;murooka@sd-sharoshi.com
 URL ;https://sd-sharoshi.com/
     ホームページはこちら
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