小学1年生の書いた「詩」をご紹介致します!

小田原漂情

小田原漂情

テーマ:国語

 言問学舎では折にふれ、生徒たちに詩・短歌・俳句を書かせています。低学年では、以前に小学3年生、2年生の詩をご紹介しましたが、本日(2022年11月26日)、小学1年生の生徒が詩を書いてくれましたので、本人と親御さんのご承諾のもと、紹介させていただきます。


   ダルマ
                  R・I
 まっかないろできれいだな
 ダルマさん
 おなかにごうかく
 めのまわりにきんいろ
 おなかもきんいろ
 きれいだな


 お気づきになった方もおられるかと思いますが、塾にある合格祈願のだるまを見て、書いたものです。そのだるまの画像をご覧いただくとともに、小1の子がこの詩を書くに至った経緯を、みなさまのご参考となるよう、すこし説明させていただきます。


合格祈願のだるま(高崎産)


 この詩をR・Iさんが書いたのは今日のことですが、あらかじめ予告しておいたり、書いてある言葉を直接指示したりしたわけではありません。私が行なったのは、最初の1行の言葉が出てくるまでの気持ちの誘導と、「合格」は「ごうかく」だよ、と教えたこと、2行目の「ダルマ」のあとに「さん」をつけるようアドバイスした、その3点だけです。あとは小学1年生、7歳の子が、自分の心に浮かんだ言葉を書きつづったのであります。

 ただ、もちろん私からの「仕掛け」と、本人の気持ちがそこへ向かっていく前段はありました。まず前回、21日月曜日の授業のあと、塾にある『あいうえおのえほん』(よこたきよし ぶん・ いもとようこ え/金の星社)を彼女が見て、「家にあるから次はこの本を読みたい」と言ったのです。もちろん即答でOKし、今日の授業で家から持ってきてもらいました。しっかりした、小1の子にはけっこうな重さであろうその本を、リュックに入れて意気揚々と持ってきたのです。そして「あ」から「そ」まで、私と一緒に音読しました(本は五十音の一文字ずつ、その音からはじまる単語~主としていきものの名前~があげられていて、短い文もついています)。

 そのとき、Rちゃんはページごとの短い文を読みながら、「これは『詩』だよね」と何気なく言ったのです。そこで私が、「よし、じゃああとでRちゃんも詩を書いてみよう」と提案して、彼女もいやがらなかったので、冒頭ご紹介した「詩を書く」授業になったのです。

 「本人の気持ちがそこへ向かっていく」ことは、表現にしろ勉強にしろ、とても重要な要素です。そしてもう一つの「仕掛け」は、かねて「しりとり作文」でもとりあげているしりとりでした。「詩を書く」ことに本人の気持ちが向いていても、何しろはじめてのことですから、与えられたテーマで書かせるのはよろしくありません。そこで私と二人でしりとりをし、自分があげた十のことばの中から、本人が「ダルマにする」と決めたのでした。

 さあ、実地に詩を書く段階まですすみましたが、やはりはじめてのことですから、最初の1行を書くまでは、すこし悩んでいました。そこで私が手助けしたのは、「どんな言葉でもいいんだよ。たとえば、だるまさんがころんだ、とか。」という内容だけで、しばらく考えていたRちゃんは、だまって「まっかないろできれいだな」の1行目をつづってくれました。

 このようにして、今日は小学1年生のR・Iさんが、自分の考えですてきな「詩」を書いてくれました。最初に体験授業に来てくれたのが、年長さんだった去年の12月のことでしたから、言問学舎での勉強が、ほどなく満1年となります(通塾は年長さんだった今年の1月から)。本を読んだあとの感想文は一度書かせたことがありましたが、本人の気持ちが熟していないときに、無理にすすめたことはありません。生徒の気持ちが動くとき、その子自身の持っている感性と力をうまく生かして、言葉による表現を実践してもらう。これもまた、国語を知り、読解力を高めるたいせつな「真の国語」の勉強のひとつです。

 ひとつ前の記事の通り、冬期講習は小学生限定で1科目2コマの無料体験受講が可能です。多くの方のご参加をお待ち致しております。


国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師
小田原漂情
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小田原漂情
専門家

小田原漂情(学習塾塾長)

有限会社 言問学舎

自らが歌人・小説家です。小説、評論、詩歌、文法すべて、生徒が「わかる」指導をします。また「国語の楽しさ」を教えるプロです。みな国語が好きになります。歌集・小説等著書多数、詩の朗読も公開中です!

小田原漂情プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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