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小田原漂情

国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師

小田原漂情(おだわらひょうじょう) / 学習塾塾長

有限会社 言問学舎

コラム

高校生の現代文テスト対策『羅生門』完結篇を掲載しました!~<国語力.com>

2014年5月20日 公開 / 2014年5月28日更新

テーマ:国語

コラムカテゴリ:スクール・習い事

 下人ははじめ、老婆が死体の髪の毛を抜いていることに気づいたとき、強い怒り=憎悪を覚えました。それは「悪」に対する怒りであり、「悪」を憎む正義感でもあります。本文の次の記述を、再確認しましょう。

 この時、だれかがこの下人に、さっき門の下でこの男が考えていた、飢え死にをするか盗人になるかという問題を、改めて持ち出したら、恐らく下人は、なんの未練もなく、飢え死にを選んだことであろう。それほど、この男の悪を憎む心は、老婆の床に挿した松の木片のように、勢いよく燃え上がり出していたのである。

 また、こんな記述もあります。

 しかし下人にとっては、この雨の夜に、この羅生門の上で、死人の髪の毛を抜くということが、それだけで既に許すべからざる悪であった。もちろん、下人は、さっきまで、自分が
盗人になる気でいたことなぞは、とうに忘れているのである。

 それほど、この時点での下人は悪を憎んでいた、言いかえれば、正義感に燃えていたのです。

 ところが、逃げ出そうとした老婆の前に立ちはだかり、つかみ合って、ねじ倒したあと、「何をしていた。言え、言わぬとこれだぞよ。」と言って太刀をつきつけたところで、下人の心理は、「この老婆の生死が、全然、自分の意思に支配されているということを意識し」、「ある仕事をして、それが円満に成就した時の、安らかな得意と満足」に変わりました。

 ここまでが、「国語力.com」で前回まとめたところです。このあとの、いよいよ下人が老婆の着物を奪い(「引剝(ひはぎ)」をし)、悪の道に落ちていくところの心理描写を、本日掲載の第5回<完結篇>で、くわしくご紹介しました。全5回をしっかり読みこんでいただくことで、『羅生門』という小説の全体像を、かなりしっかりつかんでいただけると思います。

 なお、完結篇の「付録」として、テスト前の「語句チェック表」も、つけてあります。どうぞご活用下さい。

◇詳細は、こちらからご覧下さい。

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