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小田原漂情

国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師

小田原漂情(おだわらひょうじょう) / 学習塾塾長

有限会社 言問学舎

コラム

継続の難さと重さ

2018年8月8日 公開 / 2021年3月1日更新

テーマ:小田原漂情

コラムカテゴリ:スクール・習い事

 一昨日、8月6日に言問学舎HP塾長ブログに綴った文章を、加筆修正なく転載させていただきます。


 今日、8月6日。広島に原子爆弾が投下され、人類の歴史に消すことのできない一点が刻まれてから、73年が経過した。この1年に亡くなられた方が5393人、名簿に記された方の総数が31万4118人となり、そしていま生存している、被爆された方たちの平均年齢は82歳になるという。

 松井一實広島市長の平和宣言では、「継続」の重要性が述べられた。毎年5000人以上の方が亡くなられ、3年前に初めて80歳を超えた平均年齢が82歳にまでなっていることを考えれば、むべなるかな、の思いが増すばかりだ。原爆の惨禍を体験した方が少なくなる中で、語り伝えること、受け継いで行くことは必然的に難しくなるし、だからこそ継続することの困難さが、一年ごと、いや一日ごとに重みを加えて行くのである。

 社会一般、人間一般の性として、忘れること、目を背けることはたやすく、継続することは難しい。自己同一性を保ち続けることの難しさに加え、日々の生活やなりわいの多忙さに追われる中で、一つのことを続けられなくなる可能性は、誰にもありうる。まして年齢を重ね、身体的に継続ができなくなることを、避けることはできまい。必然的に、新たに受け継ぐ者が現れ、それを繰り返していかなければならないが、過去を見つめ、受けとめ続けることを志す人が多くいるとは、考えにくい。

 広島は、あの重い過去を負い、あきらめずに歩み続けて来た土地だから、新たに過去を負う人々を生むのであろうか。今日のこども代表の二人は、「私たちが伝承者になります」と、力強く言い切った。こうした若い、新しい力を生むことのできるのが、広島に培われた力なのかも知れない。

 私も、傍観だけをしているわけにはいかない。継続をしなければならない。今日は創業以来続けている『碑(いしぶみ)』の授業を、中1のクラスで実施する。また『碑』に、中1に限らず、まずはいま現在、自分の有する立場で、語り伝えるべきものを、伝えなければならない。なしうることには限りがあるが、何よりも「継続」の重要さを知る者として、自分のなすべきことを続けていかなければならないのだ。

平成30年8月6日
小田原漂情 

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