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コラム
決してあきらめずに
2017年8月9日 公開 / 2021年3月1日更新
今日、8月9日も、ブログに書いた常体の文章を転載させていただきます。通常の文章と文末表現が異なる点は、何とぞご容赦下さい。
本日は午前中から夏期講習の授業のため、11時2分に塾内で黙禱。Webのニュースで田上富久市長の長崎平和宣言が報じられるのを待った。この一年間で新たに死亡が確認された被爆者3551人の名簿が奉安され、犠牲者は17万5743人になったという。
田上市長の淡々とした誠実な語りぶりは、Web上で文字を読んでもよく伝わって来る。ことに印象ぶかいのは、「核兵器を持つ国々と核の傘の下にいる国々に訴えます。」「日本政府に訴えます。」と、相手を変えて二度、それぞれに対し求める内容を、ゆっくり呼びかけている点だ。もちろん田上市長も日本政府に、核兵器禁止条約への「一日も早い」参加を求めている。
歴代の内閣、首相が、広島や長崎の訴えよりも、アメリカや世界の大国の方を気にしていたのは、残念ながら動かしがたい事実であり、現政権だけのことではない。しかし、それにしても、あまりにも聞く耳を持たない、馬耳東風というよりも悪意的に国民の声、批判の声を無視するような政府与党の権力者の言動を日ごろ見せつけられていると、広島の松井市長や長崎の田上市長の真率な訴えを受けとめる為政者のいない現在の日本は、何と空しい国なのかと思わずにいられない。
しかし、今日の田上市長の平和宣言の中でも、「小さなまちの平和を願う思いも、力を合わせれば、そしてあきらめなければ、世界を動かす力になる」と語られている通り、あきらめてはいけない。そして忘れてはならない。
小さな行動でも、志を曲げずにつづけること、積み上げて行くことが重要である。私もあきらめることなく、語り、伝える自身の営みを、つづけて行こうと思う。
平成29年8月9日
小田原漂情
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