センター試験2017年国語・言問学舎小田原漂情の分析とご報告

小田原漂情

小田原漂情

テーマ:国語

 今月14日(土)・15日(日)に大学入試センター試験が実施されました。全国的には大雪となった地域があり、開始時間繰り下げの会場や再試験の受験者が出るなど、大変な状況の中での試験実施となりました。

 昨日、大学入試センターから「中間集計」として平均点が発表されました。国語は昨年の129.39点(中間集計では125.9点)にくらべ25点以上(20点以上)低い、103.45点という結果でした。試験当日から受験生の戸惑いの声もあり、また各予備校も低めの予想を出しておりましたが、それらよりもさらに低い点数となりました。

 私も昨日までに問題を解いてみましたが、例年とくらべて特別に文章や設問が難化したとは思えません。特に、多くの受験生が時間をとられ苦戦しがちだろうと思われる第3問<古文>は文章も読みやすく、文法を含めて設問もオーソドックスなものでした。問5と問6はすこし悩むところだったかも知れませんが、原則通り「本文の言葉にあわせて考える」ことができていれば、答えは明白なものでした。

 いっぽう、第4問<漢文>から解く受験生が多いと思いますが(言問学舎でも、古文が得意な受験生以外はそのように指導しています)、その漢文で、日本人(新井白石)の文章が出たことで、動揺してペースを崩してしまった人も多かったのかと思います。とはいえ特別に難しい文章ということではありません。ただ感覚的にはやはり、読みなれた中国の文章とわずかに異なる印象があり、一つ二つの選択肢で迷ってしまうと、時間に追われるあせりからペースを崩すケースもあったかと思います。

 第1問<評論>は、テーマ、設問ともに特異なものではありませんでした。問6も、選択肢の一文ずつをていねいに本文と照らし合わせれば、問題ないものです。第2問<小説>は、一部の表現のことがネットで取り沙汰されていましたが、それよりも、若い母親のある日の行動の心理を問う、という内容に、慣れていない受験生がいたのではないでしょうか。内容的には、2011年の追試で出題された小説(木内昇『てのひら』)が比較的近いものと言えましょう。特に小説は、追試も含めいろいろなタイプのものを読んでおくことを、これからの受験生にはおすすめします。

 さて、ここ数年言問学舎受験生の国語の結果をお知らせしておりますので、今年もご報告させていただきます。今回、2017年の受験者3名の平均得点率は72..2%となりました(自己採点結果です)。昨年より12%強、下回っており、指導する側としては反省することしきりです。平均点も現状で同程度下がっていることを考え合わせれば、受験生たちは例年並みには頑張ったのだと言えましょうが、特に送り出す段階で、おとなしく生真面目な受験生たちが意表をつかれるかも知れないというところまでカバーしきれなかったことが、一番の反省材料です。

 しかし直前特訓が功を奏した1名は、過去問を解いたどの結果よりも良い自己最高をマークしたとのことで、すこし安堵しました。そしてみな、このあとの本番に向けて気持ちを切りかえ、志望校合格に向けて頑張っています。私も受験生とともに、残された時間に全力を投じる毎日です。

国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師
小田原漂情
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小田原漂情
専門家

小田原漂情(学習塾塾長)

有限会社 言問学舎

自らが歌人・小説家です。小説、評論、詩歌、文法すべて、生徒が「わかる」指導をします。また「国語の楽しさ」を教えるプロです。みな国語が好きになります。歌集・小説等著書多数、詩の朗読も公開中です!

小田原漂情プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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