2014言問学舎のWEB夏期講習①<決定版!読書感想文の書き方>~前篇

小田原漂情

小田原漂情

テーマ:国語

 夏休みに入って、最初の一週間が終ろうとしています。多くの子どもさんたちは、「まだまだ長い夏休み」「宿題なんて、余裕余裕」と思っていることでしょう。

 でも、時間はあっという間に過ぎていきます。「余裕」があるうちに、読書感想文などをすすめて行くと、夏休み全体が楽しく、活気あるものになりますよ。今回は、これまでにお知らせした読書感想文の書き方を集約し、「総集編・決定版」として、公開致します。私の塾(言問学舎)でも、小学生は順次読書感想文にとりかかっていますし、「感想文シート(あとに出て来る2段シート)」をリクエストして下さった方もおられます。


 夏休みの読書感想文は、たいてい原稿用紙3枚程度(以上)です。この分量だと、原則として「あらすじ」を紹介し、それについて自分の感想を述べる、という形になります。

 はじめの要注意事項として、感想文の「あらすじ」は、「要約」ではないということを挙げておきます。「要約」のように、すべてを凝縮して(かつ1200字~2000字程度の一部分に)小学生がまとめることは、不可能です。ですから、章ごとにすべての内容に触れるということは、考えないようにしましょう。

 その上で、実際の作業に入ります。ノートでも原稿用紙でも、裏紙でもいいのですが、3つから5つ、「枠」を作ります(できれば2段に。従って、原稿用紙よりは縦長の用紙が向いています)。そして一つの枠の中(2段の時は上段)に一か所ずつ、「自分が気に入った部分」を書き出します。何ページの○行目から□行目、だれだれが何々したところ、程度でいいです。2段にしてある時は、あとで下の段に「思ったこと、感じたこと」を書かせます。これが第一段階の作業です。

 第二段階は、一つの枠に書き出した部分だけの短い「すじ」を書いてみます。行数の目安は、「3枚以内」で枠が3つなら7~8行、枠が5つなら5行前後というところです。ここで「まとめる」力が必要になりますが、無理をする必要はありません。長くなっておさまりがつかなくなるよりは、「いつ、どこで、だれだれが、何をした」ぐらいに短く切り取ってしまう方が良いです。これが3つなり、5つなりまとまると、分量としても原稿用紙1枚~1枚半ぐらいになり、自分の思ったこと、感じたことと組み合わせて、2枚半~3枚の感想文を書く下準備が出来上がります。これは原稿用紙に書いて下さい(下書き)。

 つづいて「思ったこと、感じたこと」を書き出す段階に移ります。ここでも大事なことは、「最初から文にしようとしないこと」です。まず「気に入った場所」の枠に対応する枠の中へ(縦長の紙で2段にしておくと、これがとてもやりやすいです)、「自分の思ったこと、感じたこと」を、短く書きとめます。複数の「思ったこと、感じたこと」があるならば、箇条書きがいいですね。「すじ」より先に書いてもいいのですが、「すじ」をまとめる際に考えも思いも整理されるので、あとの方がやりやすいと思われます。

 こうして、上下2段の「枠」と、「上の枠」に対しての短い「すじ」ができていれば、感想文を書く準備は、あらかた完了です。いよいよ本文を書くことになりますが、ここで前もって「気持ちをこめる秘訣」を、お教えします。

 それは、「気に入った場所」→「思ったこと、感じたこと」のあとに、必ず「ここで自分が主人公(登場人物)の立場だったらどうするか」ということを、付け加えることです。これで「メリハリがあり、自分の考えがきちんとつまった、及第点の感想文」を、ほんとうにみんなが書けるようになっていきます。

 では次回、後篇で「実際の書き方」へ、話をすすめます。後篇は28日月曜日に公開します。


※「読書感想文シート(2段シート)」は、メールでご希望をいただければ、無料でご提供いたします。下記のメールアドレス宛に、「読書感想文シート希望」として、ご連絡下さい。

※これからの夏期講習ご参加も可能です。お気軽にご相談下さい。


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小田原漂情
専門家

小田原漂情(学習塾塾長)

有限会社 言問学舎

自らが歌人・小説家です。小説、評論、詩歌、文法すべて、生徒が「わかる」指導をします。また「国語の楽しさ」を教えるプロです。みな国語が好きになります。歌集・小説等著書多数、詩の朗読も公開中です!

小田原漂情プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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