高校生の現代文テスト対策『羅生門』完結篇を掲載しました!~<国語力.com>
大半の私立高校の本年度入試が、今日で終わりました(13日以降も、単発に近い形で実施する高校はあります。また3月に入ってからの第3次入試も~4次・5次等も~あります)。
さて、都立高校共通入試問題では、大問四に200字の記述<作文>があることは、以前からお伝えして来ております。今日は最後の最後として、対策の仕方がわからない方が多いかと思われるこの記述の「書き方」について、お話ししましょう。
自校作成校を受験される方は、学校によって字数が異なったり、出ている年とない年があったりすると思います。参考としてご覧下さい。
なお、「採点基準」は、当然一律ではないと考えられます。学校によって、受験生に求める思考段階が異なるためです。従って、ここでは中3生として常識的な、かつ1000点満点で600点~700点の高校の受験生が当然書くべきである、というレベルに照準をあててご説明します。
標題に、「200字の記述は2段落で」と書きました。起承転結や三段論法でまとめるには、200字では無理があるからです。三段論法(的な書き方)は、やってできないことはありませんが、形をつくるだけのものになってしまい、中身が薄くなります。
従って、200字では2段落で、最初の段落に、文章を読んで自分が受けとめた(=感じた、思った)内容を書き、あとの段落に、「だから自分はこう考える」という、結論的な内容を書くとよいでしょう。
そして、前にも述べましたが、分量としては最低限、10行のうちの8行目の後半まで、書くことです。これで、指定された字数の8割が書けたことになります。理想は10行全部書くことですが、50分という限られた時間内のことですので、「分量が少ないことによるマイナス」は、高校ごとに線引きがあるはずです。一般的に、8割書いてあれば、「あまりにも少ないから減点」とはされないように思われますので、「最低限8行フルに書く」ことを、目安として下さい。
次は、原稿用紙の使い方、誤字脱字等についてです。
①文章の書き出し(1行目)と、新しい段落の行頭は、必ず1字下げる。
②句読点は、行の一番上のマスに書かない。前の行の一番下のマスの中か、外にぶら下げて書く。
③漢字は正確に使う。間違えてしまいそうな漢字は、ひらがなで書く。
この①~③は、「完全な減点項目」です。誤字・脱字が何か所で何点まで減点されるかは、はっきりとはわかりませんが、これらの点について誤りがあれば、間違いなく減点されます。
④設問の指定どおりに書く。たとえば、「この文章を読んだ上で、あなたがクラスで発表する時に話す内容を、自分の見聞したことや経験を踏まえて書きなさい」などの指定があれば、それに従って、「見聞や経験を盛り込むこと」、また「発表するような語り口で書くこと」などです。指定どおりでないと、減点ではなく、はじめから7点、5点などとされ、そこから減点が始まる、ということになるかも知れません。内容が文章に即していない場合も同様です。
⑤その他の注意 理由をあらわす接続詞(的なもの)として、「なので」を使うのは、やめた方がよいでしょう。これは近年、話し言葉が作文の世界に持ち込まれたものであり、ことばとして一つの単語でもないからです(形容動詞の語尾または助動詞「だ」の連体形+準体格の「の」+「にて」が転じた「で」)。公式な見解や基準を目にしたことはありませんが、多くの国語の教師は減点の対象にすると考えられます。
入試は時間との勝負です。書いている途中で時間がなくなったら、とにかく書きかけの文を「。」で終わらせて提出しましょう。また、これも前回述べましたが、文章を読み、問題を解いて、内容をしっかり理解しているうちに続けてこの200字の記述を書くため、大問四は最後に解くことをおすすめします。記述に時間がかかり、大問五をとくことができなくなってしまうようでは、リスクが大きすぎます。
大問五は合計25点、大問四の記述は、満点もらえて10点です。記述が書き切れなくていいというのではありません。一度しかない大事な入試で、できるだけ良い点数を取って合格するための戦術です。そして大問五を終えてから、落ち着いて大問四にかかり、自信を持って200字の記述を書き上げて、合格を勝ち取って欲しいと願います。
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小田原漂情
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