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コラム

「行間を読む」~高村光太郎『レモン哀歌』より 第3回(完結編)

国語

2013年1月29日 / 2013年2月5日更新

 前2回にわたり、「行間を読む」ことについて『レモン哀歌』を教材として、

「A 文学史的知識を問わない、すなわち光太郎と智恵子のことをほとんど知らない読者の読み方」
「B 一定程度以上、二人のことを知っている読者の読み方」

の二通りのパターンから検証してみました。

もちろん、「国語指導」としての目標は、Aの読み方ができるようになることです。Bについては、文学を学ぶ人、その中でも高村光太郎を深く読むケースに限られましょうし(高村智恵子の生涯を学ぶ人にも、あてはまるでしょう)、「教師の専門領域」を生徒に押しつけるのが教育ではないからです(押しつけるのでなく「知らしめる」ことには、価値はあると考えていますが)。教え子の中でさらにBへ進んでくれる人がいたら、それは大変うれしいことですが、国語の教師としては、あくまでそのような可能性を秘めた文学、言葉の至宝を、入り口を広くして生徒の前に並べて見せるのがつとめであると考える次第です。

さて、では問題は、どのようにしてAのように「行間」を読める授業を展開して行くかということですね。一つには、山村暮鳥の『風景 純銀もざいく』の項でも述べましたが、聞き手である生徒が作品の中に入って行ける「音読」をすることです。この場合、特に読んで聞かせる教師の側の読み方に、かなりのウェイトがかかって来ると思われます。また第1回、第2回でお示しした行ごとのスパンは、この音読の「読み方」にも密接にかかわりを持っています。さらにスパンごと、行ごとの間のとり方も、大きな意味を持ちます(もっと言えば、言葉と言葉のつながりや単語そのものの音韻も含むのですが、これは括弧書きにとどめておきます)。

たとえば、「トパアズいろの香気が立つ」の独立行を、前後の行と少しの切れ目もなく続け読みしてしまったら、この詩の持つ魅力は半減してしまう、そういう意味です。

ただ、ここでお断りしなければならないのは、今まで述べてきたことは、あくまで、私の『レモン哀歌』の解釈であるということです。詩に限らず、あらゆる作品には受け手の人数分の解釈があり、「音読、朗読」のしかたも、その解釈によって変わります。願わくは、「先生、私の解釈では、こういう読み方ができます」と申し出てくれるような生徒に出会えれば、教師冥利に尽きるというものですが、それはさておき、ひとつの手法を提示しているのだということは、申し添えておくべきと思います。

さて、せっかくこのようなすぐれた作品を読みながら(文京区の採択では、2回前に使われていた教科書に掲載されていました)、ただ「読んだことがある」というだけで終わってしまっては、もったいないですね。だからこそ、第1回、第2回で示した「Aの読み方」は、できるようになって欲しいのです。

二つ目の手法は、はじめにこちらが能うかぎりの音読を示したあと、生徒にも音読をさせ、さらに「考えさせる」ことです。①~④行でどのような背景が読みとれるか、⑤行でどのように場が展開するか。⑥~⑦行で何があり、⑧・⑨行で作者は何を思っているのか。⑩~⑬行は何を意味するか、そして⑭~⑯行は・・・。ここまで来れば、「昔山巓でしたやうな深呼吸」について、そっと事実を差し出してあげるのもよいでしょう。

さらに⑰・⑱行の持つ意味を問い、またここでは「詩の場面の設定の仕方」などについても、知ってもらうことができます。みじかい感想など書かせることができれば一番よいのですが、ともあれ生徒の一人一人が、『レモン哀歌』を読んで何かを感じた、そのように思ってくれれば、「行間を読む」こともできたわけですし、授業としてはまずまずです。

そして「国語の授業」とは、こうした経験をできるだけ多く、重ねてもらうものだということが、私と言問学舎の信条です。そうすることで、言葉を知り、文章を読む力を養って、ひいては学力全般が向上して行く。それが言問学舎の教育のねらいです。もちろん説明文・評論文に関しては、別途独自の手法があります。小学生の国語教育についても同様です。これらについては別途、ご紹介する機会を作りたいと思います。

本稿の全文は、近日中に常体に改めた上で、言問学舎ホームページ内<国語教育のあれこれ>中の「論文・論述等」に一括掲載致します。

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