「原爆投下」英語て学ぶ。先輩から後輩へ受け継がれる「知」

豊田朋子

豊田朋子

テーマ:今週の授業(Global youth)


8月6日、広島への原爆投下から81年。

この日の夕方の中高クラスでは、Global kids英語会に小学3年生から在籍し、現在は上智大学外国語学部英語学科3年のOG、中西真菜さんをゲストに迎えました。

(※私が彼女にゲスト依頼をしたのが、当日のお昼。にもかかわらず、二つ返事で受けてくれました。このフレキシビリティーは、GK育ちならではです。)

 真菜さんは、高1の時に当会英語プレゼン大会で、史上初の核兵器禁止条約(TPNW)について、被爆者として核兵器廃絶を訴えて来たICANのメンバー、サーロー節子さんのノーベル平和賞受賞スピーチを参照しつつ、立派なプレゼンをしてくれました。
以下がその時の写真です。

 大学でも引き続き、この課題を深堀しており、大学の授業で発表したプレゼンをベースに、原爆投下当時と核兵器禁止条約について後輩に向けて英語で発表してくれました。

 現在、核兵器禁止条約には95か国が署名し、75か国が批准しています。
一方、唯一の被爆国ですが、日本は署名も批准もしていません。

 その背景には、日本が安全保障上、アメリカの「核の傘(Under the umbrella of nuclear weapons in the United States)」の元にあるという事情があります。

これを真菜さんが英語で説明すると、中1女子生徒が、

「それって、アメリカがバックについているから、条約に参加できないわけですよね。」
と一言。

日本語ではありましたが、難しい国際政治の構図を、自分の言葉で端的に捉えた瞬間でした。

さらに詳しく掘り下げてくれたのが、この条約に関して「オブザーバー」という選択肢に関してです。

 条約に署名(sign)・批准(ratify)していなくても、この条約に関心を持つという意志表示として、会議にオブザーバー(observer)として参加することはできます。
 
 実際、締約国会議に、アメリカの核抑止力に依存するドイツやオーストラリアなどもオブザーバ参加はしていますが、日本は、オブザーバーとしても参加しませんでした。

そして真菜さんが紹介してくれた、胸を打つエピソードは、私自身も知りませんでした。

日本のために用意されていたオブザーバー席に、たくさんの折り鶴が置かれていた。

というのです。

 条約を支持する国々、とりわけ、核兵器を持たない、多くの発展途上にある、小さな国々から、唯一の被爆国、日本への思いが寄せられている。

そのことを、真菜さんは自分で調べ、今回のプレゼンで後輩たちに伝えてくれました。

今年11月には、核兵器禁止条約の第4回締約国会議が予定されています。

果たして日本は、今度こそオブザーバーとして参加するのか。

この問いを、私たちも追い続けたいと思います。

「学校では、ここまで詳しく学ばない」


 

真菜さんのプレゼンとサーロー節子さんのノーベル平和賞受賞演説を聞いた後、生徒たちに感想を聞きました。

 「被爆後、一瞬で骨から手の皮が剥がれ落ちたり、眼球や腸が飛び出した人が幽霊のように歩いていたという、想像を絶する原爆の被害を初めて知り、ショックだった。」

「たとえ残酷であってもその事実を知って、伝え続けていくことが、一番大事だと思った。」

「国によっては、未だに原爆が戦争を終わらせるために必要だったという教育が行われていることを疑問に思う。国境超えて、核兵器の恐ろしさを学ぶべきだと思う。」

「学校では、ここまで詳しく戦争の被害について深掘りしない。勉強になった。」

そして、こんな意見もありました。

「核を落とす側は、その被害を受ける人たちを同じ人間とは思っていないと思う。同じ人間だと思っていたら、できないはず。」

そして、

真菜さんの英語プレゼンについては、

「発音が良く、聞き取りやすかった。」

「PowerPointもわかりやすくデザインされていた。」

という声もありました。

何より私が一番嬉しかったのは、英語を使って、

先輩から後輩へ「知」が継承されていったこと
です。

小学3年生から当会で英語を学んできたOGが、高校で核問題について関心を寄せ、大学で更に自ら深く調べたテーマを英語で後輩たちに伝える。

そして、この日の学びが、次の世代へ受け継がれていく。
私自身も教え子からの刺激を実感した1日でした。

Global kids英語会代表
(株)ダイバース・キッズ代表取締役
豊田朋子
Global kids英語会
http://globalkids-eigokai.com/
Global youth英語会
http://youth.globalkids-eigokai.com/
朝日新聞系広告web豊田コラム
https://mbp-japan.com/tokyo/globalkids/column/

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豊田朋子
専門家

豊田朋子(英語講師)

株式会社ダイバース・キッズ / Global kids英語会

文字と音の法則で学ぶ「フォニックス教授法」をベースに、日本の子どもに欠けがちな発信力をはぐくむプログラムを実施。本格的な英語プレゼン大会で成果を発表。専門訓練を受けたプロ講師たちが熱意を持って指導する

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