食べ方を考える(その1)
間質性肺炎の症例
自覚症状は、倦怠感、むくみ、イライラする、足の冷え、風呂が短い、右手が震え気味、小便多い、夜間トイレ2回、光が眩しい、臭いがわからない、唾がよく出る(粘りのある黄色)、息切れ、ガスがよく出る、足がよくつる、腰の脱力感、血圧(120/75)。舌は湿潤した微白苔で中心部に裂紋ありました。
自家製むつみ漢方煎じ薬と漢方丸薬を1ヶ月服用、KL-6が427、CRPが0.12となり、酸素量96になりました。
2ヶ月服用後、CRPが0.37となり、酸素量97、CK104になる。全体的な痛みはあり、だるさは同じで、鼻水、痰が多い。足がむくんで、尿蛋白+2。
3ヶ月服用後、潜血±、尿蛋白+3、IgG 2201となり、
4ヶ月服用後、CRP 0.66、KL-6 277、HbA1c 6.0、RF17。レントゲンの結果は正常となりました。
5ヶ月服用後、尿蛋白+3アルブミンが3.5が続き、自家製の漢方散料に変更。翌月には、尿蛋白+1となり、その他の検査データは異常なしで、状況は安定しています。
(間質性肺炎の検査項目で必要な指標は、KL-6です。正常値が500以下)
間質性肺炎の西洋学的な診断
間質性肺炎はアレルギー的なものです。肺は、酸素を取り込む肺胞という小さな組織が多数集まってブドウの房のような形をしています。肺胞と肺胞の隙間を間質といいます。肺炎は炎症の場所によって2つに大別され、細菌などで気管支から肺胞に至る空気の通り道に炎症が起き、化膿して膿が溜まる肺炎を一般的な肺炎と言い、これに対して、間質性肺炎は間質に炎症が起きることを言います。炎症が起きる場所がブドウの房の内側か外側の違いです。よって咳は痰を伴わない乾いた咳が出ます。また、胸に耳を当てると「パチパチ」「バリバリ」という音を聞くことが出来ます。この音は髪の毛を少しつまんで捻る音やマジックテープをはがす時の音によく似ているので「捻髪(ねんぱつ)音」「ベルクロ・ラ音」と呼ばれます。
自覚症状は、呼吸困難(息切れ)や咳嗽(せき)が主な症状です。息切れは最初階段や坂道を昇った時に感じる程度ですが、進行すると呼吸不全の状態となり、着替えなどの動作でも息切れが出て、日常生活が困難になることもあります。症状の進むスピードは間質性肺炎の種類によります。特殊な病型を除いて、息切れや咳などの症状が出はじめて、日常生活に支障を来たすようになるまで数年程度かかります。
間質性肺炎は、非常に難しい疾患です。その原因もわからず、治療法もステロイドまたは免疫抑制剤の対症療法しかありません。よって、その治療は本当に重篤な場合は、手を出さないか、どうしても漢方療法をお求めの方には、証に従ったとはいえ、副作用情報から間質性肺炎が出ている漢方薬は避け、かつ、少ない日数投与で状態の変化を見ながら慎重に投与していく必要があると考えます。また、漢方薬で間質性肺炎が併発してしまう原因の一つに、「オウゴン」が悪者扱いにされていますが、生育年数が短い(1年)ものを使用することが問題であると私たちは考えています。(野生のものは3-4年のものが使われます。)