身近な食べ物と漢方の関係
漢方薬は西洋薬と違い、独特の名前がつけられていますね。
漢字を用いたその名前のつけ方には、実はいくつかの法則があります。
その法則を踏まえた上で漢方薬の名前を眺めると、なるほど〜と思えることもあるのではないでしょうか。
●漢方薬を構成している主な生薬に由来しているもの
漢方薬は何種類かの生薬から構成されていますが、それら生薬の中でも要となる生薬の名前をとってつけられたものがあります。
例えば、有名な葛根湯にはいくつかの生薬が含まれていますが、その名前は骨幹を為す葛根という生薬を用いていることに由来しています。
●漢方薬を構成している生薬の名を連ねたもの
単一ではなく、構成しているいくつかの生薬名に由来した漢方薬も存在します。多くの場合は芍薬甘草湯のように2種類ほどの生薬をとってつけるのですが、中には欲張って全ての生薬名を使っているものもあります。
●漢方薬を構成している生薬の数に由来したもの
構成しているいくつかの漢方薬の中で、主要となる生薬を決めかねる場合は配合されている生薬の数を元に、名前をつけることがあります。
例えば、六味地黄丸は八味地黄丸などがそのような名付け方をされており、それぞれ含まれている生薬数は6種類と、8種類になります。
●効能効果を表してつけられたもの
漢方薬の種類が増え、漢方薬の作用等が医学的に理論付けられたことを受け、最近では効能効果をあらわした漢方薬の名前も増えてきました。
よく知られている漢方薬では、気を補い元気をつける効果をもつ補中益気湯や、女神散といって女性特有の疾患に効果を発揮するものがあります。
●四神に由来するもの
四神とは、中国の神話において季節や東西南北を司る神獣であり、北の玄武は冬、東の青龍は春、南の朱雀は夏、西の白虎が秋をそれぞれもたらすとされています。
夏のほてりや乾きに効果を発揮する白虎湯はその代表的な例であり、成分の中に含まれている石膏の色も名前に由来しているようです。
このほか、生薬と漢方薬の効能効果を同時に表しているものや、病気や病態が、漢方薬の名前に記されているものもあります。
漢方薬の名前はとっつきにくいと思われがちですが、実はその由来を知ると奥深い世界が広がっています。
ぜひ、自分の愛用している漢方薬を皮切りに、その成り立ちを調べてみてはいかがでしょうか?