お寺にサザンカ



バラの一本いけ
花器に一本のくばりを配し
ただそれだけを頼りに一本の花を生ける
一本の花が何で立つのか
ただの棒が何かに寄りかかって斜めに立っているのではなく
花が、十分な風情をもって軽やかに自然に無理なく立っている
立っているだけで美しく
恐る恐るやっと立っているのではなく
バランスよく心地よく立つその姿は
観る人に安らぎと心地よさを与えてくれる
ここに一本いけの難しさがある
水際からスッと立ち上がる潔さ
軸が少しずれてまた戻り通り越してまた戻る
よく見るとまっすぐではない
花は真上を向いているようでチョット首をかしげている
葉は茂っているようで適度に剪定されていて
ぴんと水揚げがされていて生き生きと隅々まで生気が感じられる
花の軸が天と地にまで繋がって明らかに見える
ここでは地球の磁力と花の持つ重力とが微妙にせめぎ合い釣り合っている
葉の先端には空気の重さまでが伝わってるかのように葉脈の震えまでもが伝わってくる
バランスが、すべてのバランスがここでは釣り合っている
まるで宇宙の真理までがここに集まっているかのようだ
それは物理だけでなく、人間の養われた美意識と、自然が備えている太古からの美が絶妙なバランスをもってここに共存している
美の真理がここにある
一本いけを極めたいと思う
バラの一本いけ
#男のいけばな
#花いけようぜ


