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若山誠治プロは静岡新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

戦没者慰霊祭

若山誠治

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テーマ:戦争のこと










皆が集まれる時にと日曜日に草刈りに集まる。
そのあとで繰り上げで慰霊祭をやりましょうと。
地区の役員だけで集まっての慰霊祭は昨年から。
コロナの騒ぎで慰霊祭もままならない。

日本兵は水も満足に飲めなかったんだと数日前にF医師から聞いた。
だから水は飲むなと戦後の学校の体育の指導にも影響したんだと。

どんなにか末後の水が欲しかっただろう。
故郷の水をせめて慰霊祭にはたっぷりと手向けよう。
慰霊祭での水向けは、大きな木の桶にたっぷりと水を張り、
みんな一人ひとり榊の葉に水を含ませて祭壇に振りかけた。

このいい香りがきっとみんなに届くよと、
ぷーんといい香りお稲荷さんを山盛りにしてお供物です。
みんな大好きだったろう、故郷の家の味だよ。
おふくろさんの味だよ。

酒も地元の酒だよ。

夏の暑い日。
じりじりと強い日差しに焼かれて、
遠い異国で死んでいった人たちのことを思う。

「これがうちの親父だよ。
フィリピンで17年に死んだんだ。
遺骨は帰ってこなかった」
名前の刻まれた石の前に立って、隣にいた人が言った。
名前に正雪をかけた。
甘い匂いがした。

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若山誠治
専門家

若山誠治(一級建築士)

株式会社若山建築事務所 一級建築事務所 雨楽

日本建築を志して、お茶、お花、陶芸、能、あげくに小唄まで、ずっと修行の日々です。数寄屋建築の美しさは日本の気候風土の求めた理にかなった美しさです。数寄屋建築に暮らしてみませんか?

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