戦争を止めない人々
朝ドラ、ちむどんどんで沖縄戦が語られる。
悲惨なつらい思い出は誰もが語りたがらない。
あまり語り継がれないまま77年も経ってしまい、その記憶を墓場へもっていってしまった人たちも多い。
2018年に沖縄に行ったときに戦跡をまわった。
少しでも沖縄で行われた住民を巻き込んだ地上戦の痕跡を見たかった。
僅かなことしか知ることはできなかったが、死んでいった膨大な数の人の名が刻まれた石をみて言葉を失った。
家族4人でレンタカーを借りて戦跡をめぐる。
車内はいつしか静まり返った。
誰も口を利かなくなった。
見て回っている場所の持つ重い空気に触れて息苦しくなった。
沖縄とはそういうところ。
私の父も生前軍隊生活の話は、もっぱら国内に居た頃の話ばかりで、朝鮮半島に渡ってからの話はしたことがなかった。
父方の叔父と母方の叔父が戦死している関係で、遺族会にも関係しているが、遺児の皆さんは戦前戦後の苦しかった話はしたがらない。
遺族会は、親はすでに他界して、妻ももうほとんどいない。兄弟も生存している人は少ない。遺児は皆さんもう80歳になろうとしている。
膨大な語られなかったつらい記憶の存在を想う。
だからわずかに語られて記録に残った戦争の記憶を大切に忘れずに伝えていかなくてはいけないと思う。
ウクライナでの戦争は日本人に戦争の記憶を呼び起こすだろう。
今、子供たちに、かつて多くの日本人が死んでいった戦争のことを語るべき時だ。
ちむどんどんでは語ってくれたね。