飯田八幡宮 仮組の状況
飯田八幡宮。
覆い屋に入ってしまっているので、全体を遠くから眺めることは難しい。小ぶりではありますが、どうして堂々たる、美しい建物です。
古い建築においてその細部にどうしても意識が集中してしまいがちです。やむを得ないことではあるんですが、いきなり軒下に入り見上げては、彫刻がいいとか、蟇股が、組み物が、垂木が、と細部ばかりを見ることはその建物の本質を見ることにならない。
全体を遠くから十分に眺めることが大切です。全体の姿の美しさ。環境の中の存在感。歴史的背景。そしてその場の空気までもあじわうべき。
この建物は複雑な屋根を持っています。
入母屋造り平入り三間社、千鳥破風、軒唐破風付き。
これは権現造りと言っていいんでしょうか。
入り母屋の前に千鳥破風をつける。これは装飾です。千鳥破風は据え破風とも言い、屋根面の途中に正面向きに据えられるので屋根の妻が見えてにぎやかです。
さらに加えてその下に連続曲線を持つ唐破風を添える。
一層にぎやかになりますね。
軒から起こるこの唐破風を軒唐破風と呼んだりします。
いづれにしても凝った屋根を持つお宮さんです。