宗清寺 傘被り地蔵
山が崩れるとたいらになる。
裏山が崩れた。崩れたというより表土が滑り落ちてきた。
ずっと落ち着いていた斜面だったが、木を伐り草を刈り、おまけに除草剤を撒き、土があらわになったところへちょっとした線状降雨帯が発生した。砂礫が堆積し圧縮された固い地盤の上の表土は雨水を支えきれなくなり崩れ落ちた。
小規模ながら、山が崩れて平らな地形が現れるという現象を目の前で見た。
だいら、こだいら、おおだいら。平、小平、大平。という地名は日本国中あちこちにあるがこれはまさに山が崩れて平らになった土地の地名だ。人間は平らになった土地を耕し田んぼを開き、やがて家を建てて住むようになる。平らな土地は暮らしやすい。
人間の命のサイクルは大自然の中では極めて短い。5代10代安全に暮らしていても、300年後500年後に再び山が崩れて、そこらじゅう平らになってしまうという現象がやがておこるかもしれない。
平らな土地は絶対的な安全な場所ではない。まわりをよく見てみよう。裏山はかつて崩れたような形をしていないか。この平は川がかつて氾濫して作った平ではないのか。よく考えて想像力をめぐらして、いつ来るかわからい何かに備えておくことは大切だ。