新社会人に伝えた「心が折れない働き方」

10月10日は「世界メンタルヘルスデー」です。
心の健康について理解を深め、誰もが安心して必要な支援を受けられる社会を目指すための国際デーです。
仕事をしていると、楽しいことや充実感を得られることがある一方で、疲れたり、悩んだり、自分の働き方について考え込んだりすることもあるのではないでしょうか。
忙しい毎日の中では、自分の気持ちよりも、仕事の予定や周囲からの期待を優先してしまうこともあります。
この機会に、少し立ち止まって、自分の心と仕事との付き合い方について考えてみませんか。
心の不調は、必ずしも自分の弱さが原因ではない
仕事で失敗したとき、人間関係がうまくいかないとき、あるいは仕事が思うように進まないとき。
「自分の努力が足りないのではないか」
「もっと頑張らなければいけない」
「周りの人はできているのに、自分だけがうまくいかない」
そんなふうに考えてしまうことはありませんか。
もちろん、自分の行動を振り返り、改善できることを考えるのは大切です。
しかし、仕事で感じるつらさやストレスは、自分の能力や努力だけで決まるものではありません。
仕事の量や内容、職場の人間関係、周囲から期待される役割、生活環境の変化など、さまざまな要因が関係しています。
自分ではどうにもできないことまで、すべて自分の責任として抱え込む必要はありません。
つらさを感じたときには、まず「自分が弱いからだ」と決めつけず、何が負担になっているのかを考えてみることも大切です。
自分の気持ちに耳を傾けてみる
私たちは、周囲の期待に応えようとするあまり、自分が本当はどう感じているのかを後回しにしてしまうことがあります。
例えば、こんな気持ちはないでしょうか。
- 忙しくて休む時間が取れず、疲れがたまっている。
- 職場の人間関係に悩んでいるけれど、誰にも相談できない。
- 仕事を続けているものの、以前ほどやりがいを感じられない。
- 今の働き方をこのまま続けてよいのか、不安になる。
- 周囲の期待に応えようとするうちに、自分が何をしたいのか分からなくなってきた。
こうした気持ちが浮かんだとき、すぐに答えを出す必要はありません。
まずは、自分が何を感じているのか、何に困っているのかを確かめてみましょう。
「何がつらいのだろう」
「本当はどうしたいのだろう」
「今の自分に必要なものは何だろう」
自分に問いかけてみるだけでも、これまで気づかなかった思いや、抱えている問題の輪郭が見えてくることがあります。
大切なのは、無理に前向きになろうとすることではなく、自分の気持ちをそのまま受け止めてみることです。
仕事の悩みを、キャリアについて考えるきっかけにする
仕事の悩みは、できれば避けたいものです。
しかし、悩みをきっかけに、これまで当たり前だと思っていた働き方を見直すこともできます。
例えば、仕事に疲れているとき。
単に「もっと頑張らなければ」と考えるのではなく、仕事の量を調整できないか、周囲に協力を求められないか、休息を確保できないかと考えてみることもできます。
仕事にやりがいを感じられなくなったときには、自分がどのような仕事に関心を持ち、何を大切にして働きたいのかを振り返ってみることもできるでしょう。
今後の働き方に不安を感じているなら、これまでの経験や身につけてきた能力、これから挑戦してみたいことを整理してみるのも一つの方法です。
こうした、自分の働き方や生き方について考え、選択していくことは、キャリアを考えることにつながります。
キャリアというと、昇進や転職、資格取得などを思い浮かべる方もいるかもしれません。
しかし、キャリアを考えることは、必ずしも大きな決断をすることではありません。
今の仕事を続けながら、働き方を少し変えることもできます。自分が大切にしたいことを再確認するだけでも、これからの選択に役立つことがあります。
今の仕事に悩んでいるからといって、すぐに辞める必要も、無理に続ける必要もありません。
まずは自分の気持ちや置かれている状況を整理し、自分にとって納得できる選択肢を考えていくことが大切です。
一人で抱え込まず、誰かに話してみる
悩みを抱えているときには、自分一人で何とかしようとすることもあるでしょう。
周囲に心配をかけたくない。自分の問題だから、自分で解決しなければいけない。相談しても分かってもらえないかもしれない。
そう考えて、なかなか人に話せないこともあると思います。
けれども、悩みを誰かに話すことは、決して弱さの表れではありません。
家族や友人、信頼できる同僚など、安心して話せる相手がいれば、自分の気持ちを言葉にしてみるのもよいでしょう。
身近な人には話しにくい悩みであれば、社内外の相談窓口や専門家を頼る方法もあります。
キャリアコンサルタントに相談することも、その一つです。
キャリアコンサルティングでは、仕事上の悩みや今後の働き方について話しながら、自分の考えや大切にしたいことを整理し、これからの選択肢を検討していきます。
必ずしも、転職や具体的な目標を決めてから相談する必要はありません。
「何に悩んでいるのか、自分でもよく分からない」
「今の働き方をこのまま続けてよいのか考えたい」
「これからのキャリアについて、一度整理してみたい」
そんなときにも、相談することができます。
なお、気分の落ち込みや不眠などが続き、日常生活に支障が出ている場合には、キャリア相談だけで解決しようとせず、医療機関などの専門的な支援につながることも大切です。
自分の心を大切にすることから
世界メンタルヘルスデーは、心の健康について考える機会です。
仕事を頑張ることも大切ですが、頑張り続けることだけが、よい働き方ではありません。
自分の疲れに気づくこと。つらいときに休むこと。誰かに助けを求めること。そして、自分がどのように働きたいのかを考えること。
どれも、自分らしく働いていくために大切なことです。
心の健康を保つために、いつも前向きでいる必要はありません。悩んだり、立ち止まったりする自分も含めて、自分の状態を理解していくことが大切なのだと思います。
この10月10日をきっかけに、少しだけ自分の気持ちに目を向けてみませんか。
そして、もし一人で抱えるのが難しいと感じたら、誰かに話すことも選択肢に加えてみてください。
あなたが自分の気持ちを大切にしながら、これからの働き方を考えていけることを願っています。


