幼児教育は何のためにあるのか―能力開発の先に育てたい「思いやり」と「志」

岩永リタ

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テーマ:教育について

幼児教育は何のためにあるのか―能力開発の先に育てたい「思いやり」と「志」


幼児教育や早期教育という言葉から、どのようなことを思い浮かべるでしょうか。

文字を早く覚えること。

計算が得意になること。

学習能力を高めること。

将来の進学に備えること。

これらも、幼児教育に期待されることの一つでしょう。


しかし私は、
長年、乳幼児期からの教育に携わる中で、
学習能力を高めることだけが幼児教育の目的であってはならないとずっと提唱してきました。


子どもが身につけた知識や能力を、将来どのように使うのか。

どのような心を持った人に育っていくのか。


そこまでを考えることが、幼児教育の大切な役割ではないでしょうか。



能力の高さと、人としての成熟は必ずしも一致しない



学習能力が高いことと、他者への思いやりを持っていることは、同じではありません。


多くの知識を身につけていても、他人の失敗を受け入れることが苦手な場合があります。

物事を正確に行う力があっても、
思いどおりにならない場面で柔軟に対応することが難しい場合もあります。

もちろん、こうした姿は、教育方法だけで決まるものではなくて

気質や発達段階、家庭や周囲の環境など、さまざまな要因が関わっています。


そのうえで
家庭でどのような価値観が大切にされているかも、
子どもの心の育ちに関わると考えています。


例えば、

失敗した人に対して、大人はどのような言葉をかけているでしょうか。

間違いを責めるだけで終わっていないでしょうか。

できない人を見下すような態度を、無意識に見せてはいないでしょうか。


子どもは、大人の言葉だけでなく、

その振る舞いからも多くのことを学んでいます。



自分の弱さを受け入れられることが、他者への寛容さにつながる



私は、子どもの心の育ちを考えるうえで、「寛容さ」をとても大切にしています。


人は誰でも失敗します。

よく間違えます。

できないことや苦手なこともあります。

思いどおりにできないこともあります。


そのようなときに、


自分自身を必要以上に否定せず、また、他者の失敗や弱さも受け止められること。



それは、人生においてこれから人と関わりながら生きていくうえでとても大事な力です。


保護者が、子どもの失敗をどのように受け止めるか。

子どものできない部分に、どのように声をかけるのか。

家庭の中で誰かが困っているときにどう行動するか。


その一つひとつが、心を育む機会になると考えています。

子どもはよく親を見ています。


もちろん、何でも許容することが寛容さではありません。

望ましくない行動は正し、必要なルールは伝える。


その一方で、失敗した人を否定しない。

私は、こうした関わりを大切にしたいと思っています。


幼児期から育てたい「自利利他」の心



私が大切にしている考え方に、「自利利他」があります。

自分自身の幸せを願うことと、他者の幸せを願うこと。

その両方を大切にする考え方です。


幼児教育によって育まれた学ぶ力、考える力、行動する力。

それらを、
将来、自分の人生を豊かにするためだけでなく、社会や他者のためにも役立てられる人になってほしい。

そのように願っています。


社会に貢献することは、必ずしも大きな事業を成功させたり、

革新的な発明をしたりすることだけではありません。


身近な人を愛し、助けること。

自分の仕事に誠実に取り組むこと。

誰かに寄り添い続けること。

誰かの困りごとを解決すること。

自分の持っている力を必要としている人のために使うこと。


そうした行動も、社会に貢献する大切な姿です。


そして、

その土台は、幼い頃の生活の中でこそ育まれると思っています。


家庭で役割を持つ。

お友だちを手伝う。

誰かの喜びを一緒に喜ぶ。

人の役に立てたことを嬉しいと感じる。


このような日常の経験を重ねることは、
他者への関心や思いやりを育む機会になります。


幼児教育の最終的な目標を、どこに置くのか



子どもが成長するにつれ、

保護者の関心は学習成果や進路に向かうことが多くなります。


もちろん、学ぶ力を育て、進路の可能性を広げることも大切です。


しかし、
子どもを育てる目的を、学力や進学先だけで考えてしまうことには慎重でありたいと思います。


私は、

幼児教育を通して、能力と心の両方を育てていきたいと考えています。


知識を得ること。

考える力を身につけること。

自分の長所を伸ばすこと。

他者を思いやること。

そして、自分にできることで誰かの役に立とうとすること。

これらを切り離さずに考えたいのです。


教育によって得た能力を、何のために使うのか。



この問いは、教育に携わる者だけでなく、

子育てをする保護者の皆さまにも、ぜひ持っていただきたい視点です。


将来、どの学校に進学するのか。

どのような職業に就くのか。


それらと同じように、

「どのような心を持った人に育ってほしいのか」

という問いも、
大切にしていただきたいと思います。


私は、
子どもたちが自分の能力を豊かに伸ばし、
その力を社会や人々の幸せのためにも使える人へと成長することを願っています。

その土台となる心を、乳幼児期から丁寧に育てること。

それこそが、私の考える「心の子育て」です。

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岩永リタ
専門家

岩永リタ(幼児教育指導)

七田式・滋賀(栗東教室/びわ湖大津教室)

故七田眞氏「魂の教育」右脳教育法を長年実践研究。「心の子育て×右脳教育」を保護者様方に指導し子供のみならず母親のサポートにも注力。本質を突いた洞察力と植物療法士としての視点からのセラピーが得意

岩永リタプロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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