子どもを減点方式で見てしまうのはなぜ?「そのままで100点」から始める子育て

岩永リタ

岩永リタ

テーマ:七田式「子どもの見方6つのポイント」

初めてわが子を抱いたとき、多くの親は、赤ちゃんに何かができることを求めていたわけではありません。

泣いている。眠っている。小さな手を動かしている。

ただそこにいてくれることが嬉しく、何もできなくても、わが子はかけがえのない存在だったはずです。

ところが、子どもの成長とともに、親は少しずつ「できていないこと」に目を向けるようになります。

「まだ歩かない」 「言葉が遅い」 「お友だちにおもちゃを貸せない」 「言うことを聞かない」 「勉強をしようとしない」


なぜ、子どもを減点方式で見るようになるのでしょうか。


■子どもへの願いが、心配に変わるとき



親が子どもの「できていないこと」を気にするのは、わが子に幸せになってほしいと願っているからです。

育児書やインターネットで発達の目安を知ったり、同じ年齢の子どもができている姿を見たりすると、

「このままで大丈夫だろうか」

という不安が生まれます。

その不安が強くなると、昨日できたことよりも、まだできないことを探すようになります。

わが子を大切に思う気持ちから始まったはずなのに、いつの間にか親子ともに苦しくなってしまうのです。


■子どもは「そのままで100点」



私が子どもの見方として大切にしているのが、「そのままで100点」という考え方です。

何かができたら100点になるのではありません。

子どもは最初から100点であり、

そこに、できるようになったことをプラス1点ずつ加えていきます。

昨日より長く歩けた。
自分から挨拶ができた。
ちょっとだけ我慢できた。
失敗しても凹まずもう一度やってみた。

結果だけではなく、子どもが見せた小さな変化や努力を見つけ、加点していくのです。


■「そのままで100点」は、何でも許すことではない



「ありのままを認める」と聞くと、叱らず、何をしても許すことだと誤解される場合があります。

しかし、子どもの存在を認めることと、望ましくない行動をそのままにすることは別です。

人を叩いたら叱る。
危険な行動には毅然と叱る
家庭や社会のルールを教える。

必要なことは、きちんと教えます。

その際に大切なのは、「あなたはだめな子」と存在を否定するのではなく、「あなたは大切な子。でも、この行動は止めよう」と、子どもの存在と行動を分けて伝える
ことです。

叱られた日も、失敗した日も、子どもの存在の価値が減るわけではありません。

■親の自己肯定感も、子どもの見方に影響する



子どもを「そのままで100点」と思うことが難しい背景には、親自身が自分を減点方式で見ていることもあります。

「今日もイライラしてしまった」
「優しくできなかった」
「きちんと育てられていない気がする」
「ほかのお母さんのようにできない」

このように自分を責めていると、子どもの不足や失敗にも目が向きやすくなります。

親の自己肯定感とは、いつも自信があり、完璧に子育てができることではありません。

迷っている自分も、失敗した自分も含めて、

「それでも、今日できることをしている」

と認める力です。

しかし、親の自己肯定感が高くなければ子どもを認められない、という短絡的なことではありません。

まず、
親自身にも「そのままで100点」という見方を向けることが、
子どもを見る目を少しずつ変えていきます、ということです。


■家庭で始めたい「加点方式」の見方



加点方式の子育ては、特別な方法ではありません。次のような小さなことから始められます。

1.よその子と比べるのではなく、昨日のわが子と比べる

大きな成長でなくても構いません。昨日より少し早く支度ができた、前より自分の気持ちを言葉にできたなど、その子自身の変化を見ます。

2.結果だけでなく、過程を見つめる

成功したかどうかだけではなく、「やってみようとした」「途中まで頑張った」「もう一度挑戦した」という過程もプラス1点です。

3.存在と行動を分けて伝える

望ましくない行動は止めますが、子どもの存在そのものまで否定しないようにします。

4.一日の終わりに、親子それぞれのプラス1点を探す

子どもだけでなく、親自身のできたことも一つ見つけます。食事を用意した、話を聞いた、無事に一日を終えた。それも立派なプラス1点です。

■100点の上に、今日の成長を重ねる



子どもを育てていると、心配になる日も、ほかの子と比べてしまう日もあります。

そのたびに、「比べてはいけない」と自分を責める必要はありません。

初めてわが子を抱いた日のことを思い出し、もう一度原点に戻ればよいのです。


子どもは、何かができるから価値があるのではありません。

そこにいてくれるだけで、最初から100点です。

そして親もまた、一生懸命に毎日の子育てを続けているのです。


親も100点。子どもも100点。


その100点の上に、今日できた小さなことを、親子で一つずつ加えていきましょうね。

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岩永リタ
専門家

岩永リタ(幼児教育指導)

七田式・滋賀(栗東教室/びわ湖大津教室)

故七田眞氏「魂の教育」右脳教育法を長年実践研究。「心の子育て×右脳教育」を保護者様方に指導し子供のみならず母親のサポートにも注力。本質を突いた洞察力と植物療法士としての視点からのセラピーが得意

岩永リタプロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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