なぜ「自分には価値がない」と感じてしまうのか?

飯塚和美

飯塚和美

テーマ:生きづらさを感じる時

その思考が生まれる本当の理由

「自分には価値がない」と感じてしまうのは、性格や努力不足の問題ではありません。
 その思考には、これまでの体験によって身についた心の仕組みがあります。

「自分には価値がない」と感じてしまう人は、少なくありません

「自分なんか、いない方がいい」
「誰からも必要とされていない気がする」
「人よりも、ずっと努力しないと認められない」

 カウンセリングや電話相談の現場で、私はこれまで何度も、こうした言葉を耳にしてきました。

 いつも自分を否定し、気づけばマイナスの考えにとらわれてしまう。この苦しさは、決して特別な人だけのものではありません。

「価値がない」という感覚は、突然生まれるものではない

 自分を否定してしまう人の多くは、「自分はダメだ」という、フィルターを通して、自分自身を見ています。

 そのため人から褒められても、
「本心ではないのでは」
「お世辞を言われているだけかもしれない」
と疑ってしまい、言葉をそのまま受け取ることができません。

 このフィルターは、人間関係にも影響します。
 何気ないひと言が、責められているように聞こえたり、本音を伝えられず誤解が生まれたり、結果として、人との距離が広がってしまうこともあります。

幼少期の体験が「自己否定の土台」をつくることがある

「自分には価値がない」という感覚は、大人になってから突然生まれるものではありません。
 子供の頃に、
・否定されたことが多かった
・褒められた記憶がほとんどない
・親の顔色を常にうかがっていた

 こうした環境で育つと、
「そのままの自分では愛されない」
という思い込みが、心の奥に残ることがあります。

 さらに
「何をやってもダメだ」
「我慢しなさい」
「どうして?できなかったの?」
そういった言葉が繰り返されると、大人になっても、その声が、自分の中で再生され続けてしまいます。

家庭環境から刷り込まれる”見えないメッセージ”

 不安定な家庭環境で育った方の中には、次のような思い込みを抱えているケースも少なくありません。
・自分の感情を出してはいけない
・良い子でいないと愛されない
・自分が我慢すればいい
・幸せになってはいけない
・人は信じると裏切られる

 こうした思い込みは、無意識のうちに、自己肯定感を下げ「自分は価値のない存在だ」という感覚につながっていきます。

、自己否定が強いと、認知のゆがみが起こりやすくなる

自己否定が強い状態では、出来事の受け取り方にも偏りが生まれます。

たえば
「どうしてこんなミスをしたの?」と言われた時。

 自己肯定感のある人は「行動のミス」として、受け取れますが、自己肯定感の低い人は「ミスをした自分=ダメな人間」と受け取ってしまいます。

 こうした認知の歪みが続くと、人の好意や評価を信じられなくなり、自分の感情さえ分からなくなってしまうことがあります。

「自分には価値がない」と感じるのは、弱ではありません

 ここまで読んで「自分のことかもしれない」と感じた方へ。
「自分には価値がない」と感じるのは、あなたが弱いからでも、間違っているからでもありません。

 それは、これまでの環境や体験の中で、そう感じざるを得なかった心の反応なのです。

今「自分には価値がない」と思っている方へ

 今のその感覚は、あなたの本質でありません。

 ゆがんだフィルターを通して、自分を見てしまっているだけです。
 これまで頑張ってきたこと、耐えてきたこと、必死に生きてきた時間は消えません。
「頑張ってきた自分は、幸せになってもいい」そう決めていいのです。

 必要以上に我慢しなくていい。今いる場所から離れてもいい。
 人生はここからでも選び直せます。

 過去は変えられなくても、これからどう生きるかは、自分で選ぶことができます。

 もし今、苦しさの中に居るのなら、どうか、ひとりで抱え込まないでください。あなたの人生は、ここで終わりではありません。

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飯塚和美
専門家

飯塚和美(心理カウンセラー)

カウンセリングルーム『大空』

電話相談含め8,000千人のカウンセリング実績。幼い頃からしみついた考え方の癖や枠を取り除き、生きづらさを解消します。リピーターが多く講座を含め日常で壁にぶつかると訪れたくなる、親しみやすさが好評

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