「辛い事ばかりの毎日」と決別しませんか?
休日は予定が埋まっていないと落ち着かない。ダラダラ過ごしてしまった日の夜は「一日を、無駄にしてしまった」と強烈な罪悪感に襲われる。常に何かに追われているような感覚があり、心からリラックスできる時間がない......。
もしあなたがそんな状態にあるなら、それはあなたが「怠け者」だからではありません。むしろ、これまで一生懸命に頑張りすぎてきた反動かもしれません。
「休むのが怖い」「生産性がない自分には価値がない」そう感じてしまう心の奥底には、どのような心理が隠されているのでしょうか?
この記事では、頑張り屋さんが陥りがちな心の罠と、罪悪感なく本当の休息をとるためのヒントをお伝えします。
「止まったらダメになる」休めない人の心の中で起きていること
「常に何かに追われているようで、心が休まらない」
私のカウンセリングルームにも、このような「完璧主義」ゆえの生きづらさを抱えて相談に来られる方が、非常に多くいらっしゃいます。
他人から見れば「仕事ができる人」「しっかり者」と評価されることが多いのですが、その内側では人知れず「もっと完璧にやらなければ」「ここで止まったらダメになる」と、自分を過剰に駆り立ててしまっているのです。
その結果、休むことに対して恐怖すら感じる状態に陥ってしまいます。
・スケジュール帳に空白があると不安になる
・体調が悪くても、無理をして仕事や家事をしてしまう
・ボーっとしている時間があると、ソワソワしてスマホで情報を詰め込んでしまう
・他人からの評価が極端に気になり、常に100点を目指してしまう
まるで、泳ぎ続けていないと呼吸ができなくなる回遊魚のように「何かをしている状態」でなければ自分を保てなくなっているのです。
この状態が長く続くと、心身は常に緊張状態(交感神経が優位な状態)となり、自律神経が乱れ、慢性的な疲労や燃え尽き症候群(バーンアウト)につながるリスクがあります。
なぜ休むのが怖いのか?原因は「条件付きの自己肯定感」
なぜ、頭では「休まなきゃ」と分かっていても、心がそれを許さないのでしょうか?
心理学的な視点で見ると、その根底には「条件付きの自己肯定感」が潜んでいることが少なくありません。
「〇〇できている自分」しか認められない
条件付きの自己肯定感とは「頑張っている自分」「成果を出している自分」「人の役に立っている自分」には価値があるけど「何もしてない自分」「休んでいる自分」には価値がない、という無意識の思い込みです。
これは、多くの場合、幼少期からの環境や経験の中で形成されます。「いい子でいなければ愛されな」「テストでいい点を取らないと褒められない」といった経験を重ねるうちに「ありのままの自分」ではなく「何かができる自分」でなければ受け入れてもらえない、という信念が刷り込まれてしまうのです。
その結果、脳は「休むこと=自分の価値がなくなること」と誤認し、休息を取ることに強烈な不安や罪悪感を感じるようになります。これが「休むのが怖い」の正体です。
「休む」はサボりではなく、脳にとって不可欠な「活動」
この呪縛から抜け出すためには「休むこと」に対する認識を根本から変える必要があります。
私たちは「休む=何もしてない(サボり)」と思いがちですが、最新の脳科学では、それは大きな間違いであることが分っています。
ぼんやりしている時、脳内では「デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)」という回路が活発に働いています。DMNは、情報の整理、記憶の定着、ひらめきの生成など、脳のメンテナンスを行う非常に重要な役割を持っています。
つまり、意識的に「何もしない時間」を作ることは、サボりではなく、脳が最高のパフォーマンスを発揮するために不可欠な「重要な活動」なのです。
まずは「休む練習」から。罪悪感はあっていい
長年染み付いた完璧主義の思考癖は、すぐには変わりません。いきなり一日中ダラダラしようとすると、かえって罪悪感で苦しくなるかもしれません。
まずは「休む時間(リハビリ)」から始めてみましょう。
1.「何もしない時間」をスケジュールに入れる
1日の中で「5分ー10分」、あるいは週末に「1時間」、あえて「何もしない」時間を予定として組み込みます。スマホもテレビも見ず、ただ、窓の外を眺めたり、コーヒーの香りをただ楽しんだりします。これは「積極的な休息(アクティブレスト)」のひとつです。
2. 罪悪感を「ただ眺める」
休んでいる時に「こんなことをしていていいのか」という罪悪感ができたら、それを否定せず「ああ今、私は罪悪感を感じているな」「それだけ今まで頑張って来たんだな」と、客観的に眺めてみてください(マインドフルネス)。感情は、否定せずに、認めることで、少しずつ落ち着いていきます。
3. 「よく休んだね」と自分をねぎらう
休むことができた自分を責めるのではなく「自分はしっかり充電できたね」「脳のメンテナンスができたね」と、意識的に、労いの言葉をかけてあげましょう。
最後に
あなたは、何かを成し遂げなくても、完璧でなくても、ただそこに存在しているだけで価値があります。
これほどまでに頑張ってきたあなただからこそ、これからは「頑張ること」と同じくらい「休むこと」にも許可を出してあげてください。
あなたが心から安心して休息を取れる日が来ることを、心から応援しています。
一人で頑張りすぎて、心が疲れていませんか?
記事の中で触れたように、長年染み付いた「完璧主義」や「休むことへの罪悪感」を、一人で手放すのは、簡単なことではありません。
頭で分かっていても、どうしても体が動いてしまう、休もうとすると不安が押し寄せてくる......。そう感じるのは、あなたがそれだけ必死に自分を守って生きて来た証拠です。
もし、あなたが今「休みたいのに休めない」「常に何かに追われて苦しい」と感じているなら、どうぞ一人で抱え込まず、専門家を頼ってください。
カウンセリングでは、あなたの、その「頑張りすぎる思考の癖」が、どこから来ているのか?を一緒にひも解き、心から安心して休息できるためのサポートをします。
もうひとりで完璧を目指さなくても大丈夫です。まずはあなたのその重荷を、少しだけここに下ろしに来ませんか?



