一般企業で働くのが難しくても大丈夫

飯塚和美

飯塚和美

テーマ:生きづらさを感じる時

精神疾患・発達障害があっても、自分らしく働ける支援があります

「働くことが怖い」「続ける自信がない」
そんな思いを抱えている方へ、伝えたいことがあります。

 精神疾患や発達障害があると、一般企業での就労が難しく感じることがありますよね。
「人間関係に疲れてしまう」「体調が安定しない」「同じミスをして怒られてばかり」
何度もつまずくうちに、自信をなくしてしまうのは自然なことです。

 でも、“働く場所”はそれだけではありません。
あきらめる前に、知ってほしい選択肢があります。

現場に足を運んで見えてきた「支援のかたち」

 先日、精神疾患や発達障害のある方を支援する関係者の交流会に参加しました。
そこで驚いたのは、支援の仕組みがとても幅広く、そして温かいことでした。

・職業適性を一緒に考えてくれる専門スタッフ
・自分に合った支援プランを立ててくれる支援員
・コミュニケーションが苦手な人のためのトレーニングの場
・少しずつ働きながら慣れていける「B型就労支援」「A型就労支援」

 それぞれの支援機関の担当者の方ともお話をしましたが、皆さんとても勉強熱心で、支援の内容や制度について常に学び続けている姿勢が印象的でした。

 そして何より「私たち支援者同士も、横のつながりが大切」とおっしゃっていたのが心に残っています。

 今はまだ、その仕組みができていないと言っていましたが、互いに情報交流ができたら、もっと良いサービスができるのではないかというお話もされていました。

一人ひとりに合ったサポートを届けるためには、支援者同士が連携し、情報を共有し合うことが欠かせない......そんな想いが、現場にはしっかりと息づいていました。

あなたに合った「働く形」が、きっとあります

現在、日本には以下のような就労支援サービスがあります。

・就労移行支援:一般就労を目指す人向けに、最長2年間のトレーニングとサポート
・就労継続支援A型:雇用契約を結んで働きながら、支援を受けられる就労スタイル
・就労継続支援B型:体調や状況に合わせて、無理なく作業できる福祉的就労の場
・就労定着支援:就職後の職場定着をサポートしてくれるアフターフォロー制度

 ほかにも、ジョブコーチによる職場同行支援、コミュニケーション訓練、生活支援やメンタルケアなど、必要な人に必要な支援が届くような仕組みが整えられています。

一歩踏み出す勇気が、きっと明日を変えてくれる

「自分には無理かもしれない」
「もう、働く場所なんてないんじゃないか」
そんなふうに感じてしまう時もあるかもしれません。

 でも、社会には“あなたのための場所”がちゃんとある‟ことを、どうか忘れないでください。
そして、支援者たちは、あなたの味方であることも。

 大切なのは、「皆と同じ働き方」だけがゴールではないということ。
自分に合った働き方、自分らしく過ごせる社会とのつながりは、きっと見つかります。

 一人で悩まないでください。
そして、「助けて」と言ってもいいのです。
あなたの人生に寄り添ってくれる人は、必ずいます。
 
 もし、誰かに相談して、思う答えが得られない場合は、あきらめずに他に相談してみてください。


 一般企業で働くための訓練や支援を受けられる制度(通常2年の期間制限あり) 、雇用契約を結び、就労支援を受けながら働ける仕組み。最低賃金が保障される場合もあります。
雇用契約を結びにくい状態でも、無理のないペースで働ける場を提供する制度。職後に離職を防ぐためのフォローアップ支援。職場訪問・相談・調整など。

*これらの制度は「最初から一般企業で働ける人」だけのものではなく、段階的に支援を受けながら進められるものです。


支援メニュー:実際に受けられるもの

制度だけでなく、現場で提供されている支援の内容には次のようなものがあります。
職業相談・キャリア設計:あなたの得意・苦手を理解しながら、無理のない働き方を探す。
メンタル・生活支援:体調・ストレス管理、生活リズム整備など。
職業訓練・スキル習得:PC操作、資格講座、ライティング、マーケティングなど。発達障害の方の講座では、SEOやWebライティングなどの内容も含まれる例があります。
職場実習 / インターン:実際の職場で短期間働いてみて、自分に合うかを確かめる機会。
書類作成支援・面接対策:履歴書/職務経歴書の書き方、面接練習など。
トライアル雇用:実際の職場で一定期間「試しに働く」制度(ハローワーク経由で扱うことが多い)
コミュニケーション訓練(JST 等):職場で起こる対人関係や業務上のやりとりを想定して練習するプログラム。
ジョブコーチ支援:実際の職場において、支援者が付き添って業務・関係調整を手助けする。雇用主への配慮や環境調整も行う。
支援機関との連携・情報提供:地域の発達障害者支援センター、障害者就業・生活支援センターなどが窓口になる。

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飯塚和美
専門家

飯塚和美(心理カウンセラー)

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