自分の居場所が見つからず寂しさを感じるとき
以前にも何度かこのテーマを取り上げていますが、「毒親」という言葉を耳にする機会が増えました。
最近では、大人になった子どもから突然「あなたたちは毒親でした」と言われ、深く傷ついてご相談に来られる方も少なくありません。
この言葉には非常に強い響きがありますが、その裏には、子ども時代に見えない苦しさを抱えて生きてきた「もうひとつの物語」が隠されています。
◆ 親の愛情が「重荷」になるとき
多くの親は、子どものためを思って一生懸命育てています。ですが「こうしなければ幸せになれない」「ちゃんとしていないと愛されない」という思いが、無意識のうちに子どもを追い詰めてしまうことがあります。
特に完璧主義の家庭では「失敗してはいけない」「弱音を吐いてはいけない」といったメッセージが子どもの心に刷り込まれ、安心して自分を出せないまま育つこともあるのです。
◆ 家庭に「居場所」がない子どもたち
家庭が本来の居場所であるはずなのに、心が休まる場所になっていない子どもがいます。姉妹で差別されて育った子、親の期待に応え続けた子、発達特性を理解されずに否定され続けた子——彼らは、見えない孤独の中で「自分には価値がない」と感じてしまいます。
◆ それでも、人生は変えられる
環境の影響は大きいものですが、それだけが人生を決めるわけではありません。過去を知ることは、「変えられない現実を受け入れる」ことではなく、「そこから自由になるための第一歩」なのです。
もし、「自分も子どもに無意識のうちに傷を残しているのでは…」と不安に思ったら、それは“より良くしたい”という気持ちのあらわれ。親として悩むことは、愛があるからこそです。
◆ 心を楽にするために、できること
・子どもの話を「評価」せずに聴く
・自分の育ちを見つめなおしてみる
・「こうあるべき」から「どう在りたいか」へ視点を変える
誰もが「親になる方法」を教わらずに親になっています。だからこそ、迷うことも、間違うこともあって当然です。
大切なのは、そこから学び、変わっていこうとする姿勢です。
このようなテーマにご関心がある方には、拙著『〇〇(仮タイトル)』をぜひ手に取っていただけたらと思います。事例はすべてフィクションとして書かれていますが、その根底には8000件以上のご相談から得た“生きづらさ”と向き合うヒントが詰まっています。
—— 子どもと親の未来のために。今からでも、心のつながりを取り戻すことはできます。



