子供のためにならない「毒親」について
不登校のサイン
新学期や休みが続いた後、勉強のリズムが乱れがちですが、連休明けに不登校の兆候が現れることがあります。次のような行動が見られたら、注意が必要かもしれません。
・元気がなくなったり、表情が曇りがちになった
・勉強が身につかず、成績が下がり始めた
・寝る時間や起きる時間が遅くなり、生活リズムが乱れている
・スマホやゲームに没頭する時間が増えている
・学校の話題を避けるようになった
朝、急に「おなかが痛い」「頭が痛い」と言って学校を休みたがることが増えたり、遅刻が多くなった場合、親としては不安を感じるものです。実際、私のカウンセリングルームにも、この時期に不登校の相談が増える傾向があります。
そんなとき、まず「どうして?」と原因を追及したくなる気持ちを少し抑えて、子どもの話にしっかり耳を傾けてみてください。
子どもが話しやすい環境づくり
子どもが心を開き、自分の気持ちを話せるようにするためには、親としての接し方が大切です。以下のポイントを意識してみてください。
話を最後まで聞く
子どもの言葉を途中で遮らず、じっくりと聞きましょう。
否定しない
「それくらい大したことないよ」「考えすぎじゃない?」といった言葉は控えましょう。子どもの感じていることを受け入れる姿勢が大切です。
結論を急がない
話の途中で「こうすればいいんじゃない?」と結論を出すのではなく、子どもの言葉をじっくり待ちましょう。
忙しそうにしない
子どもが話しかけてきたら、たとえ忙しくても一度手を止めて、話を聴く時間を作ってください。
良い悪いの判断をしない
子どもの話に対して「それはダメだ」といったジャッジは避けましょう。
将来のためや規則を理由にしない
「将来のためだから」「ルールだから」と強調すると、子どもを追い詰めることがあります。少しずつ柔軟に接するようにしましょう。
これらのポイントを意識すると、「これでは子どもと会話できないのでは?」と思うかもしれません。しかし、子どもが話し始めたときには、ただ心を傾けて聴いてあげるだけでも十分です。話すこと自体が、子どもにとって心の整理になるのです。
学校に行けないことへの葛藤
学校に行けない子どもを見ていると、ただ家でゴロゴロしているように見えるかもしれません。スマホやゲームに長時間没頭している様子は、親から見ると「怠けている」と思えることもあるでしょう。しかし、その裏には大きなストレスや焦りが隠れています。勉強が遅れていること、人ができていることが自分にはできないことに対して、子どもは親が思う以上に不安を感じているのです。
学校に行けないのは、実はエネルギー切れのサインかもしれません。子どもは、親が気づかないうちにずっと頑張ってきた結果、今の状態に至っているのです。まずは、十分な休息とエネルギーの補給をさせてあげてください。
そして何よりも大切なのは、親からの温かい言葉かけです。
子どもが親に話さない理由
もし子どもが親に話をしない場合、それは「どうせ話しても分かってもらえない」と感じている可能性があります。自分の話し方を見直し、改善することで、子どもが驚くほど多く話すようになることがあります。教えようとするのではなく、一緒に考える姿勢を大切にしましょう。
ただ、否定せずに黙って聴くのは、親にとってもストレスがかかるかもしれません。その覚悟を持ちながらも、子どものために寄り添ってあげてください。
子どもを勇気づける会話を
子どもには、無条件の愛情を感じさせることが重要です。「勉強ができるから」「他の子より優れているから」ではなく、ありのままの自分が愛されていると感じられるような言葉をかけてください。できないことを指摘するのではなく、子どもが自分を肯定できる言葉を心がけましょう。
勇気づけの言葉は、子どもに困難に立ち向かう力を与えるものです。学校に行けなくなった子どもを「弱い」と感じるのではなく、「がんばりすぎた結果」だと理解し、愛情でエネルギーを注いであげてください。
また、日々の習慣も大切です。学校に行けなくても、決まった時間に起こし、朝食を一緒に取りましょう。行けない日は続いても、焦らずに子どもが元気になるのを待つことが、再び学校に向かう勇気を与える第一歩です。
まとめ
不登校のサインに気づいたら、まずは子どもの心に寄り添いましょう。無理に原因を探すのではなく、子どもが自分の気持ちを話せるよう、温かく接することが大切です。そして、学校に行けないことに焦るのではなく、子どもが本来の元気を取り戻せるまで、見守ってあげましょう。
そしてとても大切なことですが、親自身も子どもの不安を取り除くためにも、ストレスをためないように自分を責めないでください。