日本のうつ病の生涯有病率は海外に比べ低いはずが、何故か自殺率は高い

飯塚和美

飯塚和美

テーマ:生きづらさを感じる時

日本のメンタルヘルスへのアプローチ

 日本では、メンタルヘルスの問題が深刻化しているにもかかわらず、カウンセリングの利用率が低いという現状があります。


実は、海外に比べ、日本のうつ病有病率は低いものの、自殺率は高いというデーターが出ています。
この現象には、医療機関を受診するハードルの高さが大きく関与していると考えられます。


カウンセリングの利用を促進するために

 カウンセリングルームを開業して10年以上になりますが、以前に比べ、海外ドラマの影響で気軽に相談に来る方や同僚や親族に勧められて来たと言う方も増え、開業当初に比べるとカウンセリングに来る方の意識の変化を実感しています。

それでも欧米諸国に比べて、まだまだ気軽にカウンセリングに来るという意識は低いと感じています。

教育と啓発活動の強化

 心を壊す前の予防として、学校や職場でのメンタルヘルス教育を強化することは、カウンセリングに対する正しい理解を広める有効な手段だと思います。

心理的なサポートを求めることは決して弱さではなく、自己ケアの一環であることを広く知ってもらうことで、心の病に苦しむ人を救うことにつながると思います。

オンラインカウンセリングの普及



 オンラインカウンセリングの普及も一つの解決策です。インターネットを活用することで、地理的な制約を超えて専門的な支援を受けることが可能になります。
これにより、特に地方に住む人々にとってのアクセス問題が解消されます。

開業当初は、私のカウンセリングルームに海外に住んでいる方が一時帰国時に何度か訪れて、海外に戻っても「オンラインでカウンセリングできないでしょうか?」と言われた事もありましたが、当時はzoomなどを取り入れる知識もなく、お断りしてしまった事もありました。

それでもコロナの影響もあり、今では地方の方でも気軽に受けられるzoomカウンセリングも結構増えてきています。

職場環境の改善

 職場でのメンタルヘルス対策を強化し、社員が気軽にカウンセリングを利用できる環境を整えることも重要だと感じています。

企業が積極的にメンタルヘルスケアのプログラムを導入し、従業員の健康をサポートする姿勢を示すことが求められていると思いますが、実践するのは難しい現状があります。



家庭で親としてできること

 子育て中の親としても、メンタルヘルスの問題に敏感であることが重要です。子どもや自分自身のストレスや不安に気づいたとき、早めに専門家の助けを求めることをためらわないでください。

また、子どもに対しても、心の健康についてオープンに話し合える家庭環境を築くことが大切だと思います。

育った環境によって自己肯定感が低くなり、人間関係が苦手という事例をたくさん見てきました。悩みやすい考え方や受け取り方で生きづらくなっている場合も多いようです。



おわりに

 日本におけるカウンセリングの利用率の低さは、社会全体で取り組むべき課題です。メンタルヘルスの問題は誰にでも起こり得ることであり、それに対する支援を求めることは自然なことです。

うつや適応障害などを発症する人への誤った認識を持つ方もまだまだ多いようです。
「心が弱い人」と思われがちですが、まじめで努力を怠らない、頑張りすぎて発症してしまう方も結構います。

疲れているのに無理をして働きすぎて心を壊す人もいます。




私たち一人ひとりが、メンタルヘルスに対する理解を深め、支援を受けやすい環境づくりに貢献することが求められていると強く感じています。

心の不調は「今の生活を改めた方が良いですよ」と教えてくれていると思って、少し休む時間をとったり、カウンセリングを受けたりして、病気になる前の予防としても、専門家に相談することをお勧めします。

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飯塚和美
専門家

飯塚和美(心理カウンセラー)

カウンセリングルーム『大空』

電話相談含め8,000千人のカウンセリング実績。幼い頃からしみついた考え方の癖や枠を取り除き、生きづらさを解消します。リピーターが多く講座を含め日常で壁にぶつかると訪れたくなる、親しみやすさが好評

飯塚和美プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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