心を辛くする「悪い思考」をやめてみる
悔しさの感情には様々なものがありますが、大きく分けると二つのタイプに分類できます。ひとつは「失った可能性」に対する悔しさ、もうひとつは「自尊心を傷つけられたこと」に対する悔しさです。ここでは、それぞれの悔しさに対する対処法についてお話しします。
喪失の悔しさ
得ていたものを失う、あるいは得られる可能性があったものを手に入れられなかった時の悔しさは、取り返しのつかない【喪失】に対するものです。
このタイプの悔しさを乗り越えるためには、「無理なものは無理」と気持ちを切り替え、自分自身を慰めることが大切です。方法は人それぞれですが、以下のような方法が考えられます。
大泣きする
気のおけない仲間と騒ぐ
自分にご褒美を買う
このようにして悔しい思いを手放すための手段を試してみてください。そして、次回同じようなことが起きた場合には、同じ過ちを繰り返さないように改善策を考えるのも良いでしょう。
最も重要なのは、「自分を責めないこと」です。自分を責めると、過去の出来事を手放すことが難しくなります。過去に縛られず、現在に気持ちを戻すことで、幸せを感じることができます。
さらに、この「悔しさ」は「希望」にも変えることができます。
「今回は悔しい思いをしたけど、次回は同じ過ちはしない」「彼に振られたけど、見返していい女性になる」など、悔しさを前向きな経験に変えていきましょう。
尊厳が傷ついた悔しさ
仲間外れにされたり、人前で侮辱されたり、他者と比較されることで【尊厳が傷ついた】場合の悔しさです。
この場合の悔しさは、「比較」によって引き起こされることが多いのですが、冷静に見つめると、狭い視野での「比較」に過ぎないことが多いです。もっと広い目で見てみましょう。
誰かと比較して「悔しい」と思うときには、「自分はその人になりたいのか?」と冷静に考えてみましょう。例えば、努力している自分よりも、いい加減に見える同僚が先に出世した場合、その同僚が上司にうまく取り入ったのかもしれません。しかし、自分を責めることなく、視野を広げて見てみると良いと思います。
成功にはその分プレッシャーも伴います。悔しさを感じたら、その原因を冷静に考えてみましょう。深く考える必要はありません。「あ~ショック」という気持ちを抱きながら、同僚と同じようにはできない(したくない)自分を認め、「まあ、いいか」と考えるのも気持ちを楽にします。
そのままの自分の気持ちを感じ、「悔しい気持ちを抱くのは良くない」と思うのではなく、悔しさを受け入れて日常生活に戻りましょう。自分のやり方で誠実に物事を進めれば、自分の尊厳が傷つくことはありません。
仕返ししないことの大切さ
仲間外れにされたり、ばかにされたりした場合、「仕返ししたい」と感じることは自然なことです。しかし、仕返ししてすっきりすることはほとんどありません。
多くの人は無意識に「良い生き方をしたい」と思っているため、たとえ悔しい気持ちがあっても、相手をひどい目に合わせても気持ちが晴れることはありません。
「すっきりした」と思うのはその瞬間だけです。相手と同じレベルになって仕返しをしても、自分の尊厳がさらに傷つくだけです。嫌なことをする人たちは「かわいそうな人」と思うようにしましょう。
人を大切にできない「かわいそうな人」です。あなたは決して、そんな人たちと同じにならないでください。
人間だから悔しい気持ちを持つのは当たり前ですが、マイナスの感情にとらわれず、自分の感情を受け入れ、自分にとって良いことに心を傾けましょう。何よりも大切なのは、自分自身のために良いことをすることです。