自分の居場所が見つからず寂しさを感じるとき
自分が価値のない人間だと思ったら
カウンセリングルームでのカウンセリングやエキサイトお悩み相談、LineのトークCAREで夜の電話相談をしていると、自分の存在価値が感じられずに「自分なんかいない方が良い」と思っている相談者に出会います。
「自分なんか何の価値もない」
「誰からも必要とされていない」または
「必要とされない自分なんか無価値の人間だ」
「自分は人よりいっぱい努力しないと認められない」
「生まれてこない方が良かった」
「生きていても何も楽しい事がない」
いつも自分を否定して、マイナスの考えにとらわれてしまいます。
人間関係にも影響する自己肯定感
自分を否定しているために「自分はダメだ」というフィルターをかけて自分を見ています。例え、人から褒められたとしてもその言葉を心から信じる事が出来ずにその言葉を疑ってしまいます。
それは人間関係にも影響を与えます。
何気なく言われた言葉にもそのフィルターがかかっているため、悪意があるように見えてしまったり、自分の気持ちを伝えず誤解されたり、その誤解を解けず離れてしまったりを繰り返し、良好な人間関係を築くのが難しくなってしまいます。
幼少期に与えられた影響が生きづらさを生む
子どもの頃に傷ついた経験が大人になっても影響を与えてしまいます。良い子に育てようと絶えず子供を否定したり、ダメなところばかり指摘して、子供を褒めないと自己肯定感が持てず、そのままの自分で良いと思えない、気持ちを伝えられない、または自分が何をしたいのかさえ分からなくなってしまいます。
そのほか不安定な家庭環境で育てた場合。例えば、目の前で繰り返される夫婦げんかの中で育つと、大人になっても不安定になりやすくなります。
・絶えず親の顔色を見る
・ストレスのたまった親からの愚痴をいつも聞かされる
・親に好かれよう、喜ばせようといつも良い子でいる
・大声を出す人が苦手になり、社会に出ても少し大きな声を出されただけで、必要以上に心にダメージを受けてしまいます。
その他、親の言葉の影響も大きくなります。
「お前は悪い子だ」
「何やっても駄目だな」
「なぜできないんだ」
「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なんだから我慢しなさい」
「うざい」
「産まなければよかった」など、何度も何度も繰り返され、褒められることがないと、大人になっても自分を否定するその呪縛からなかなか離れられません。
幼少期の傷つく体験がその後の考え方や行動に大きく影響を与えます。
感受性が強い子、そうではない子、フォローしてくれる大人が居たなど周りの環境でその影響も変わりますが、心に残る傷でよくない思い込みが残ってしまいます。
家庭環境の影響
上記のような家庭環境から受けてしまうメッセージは
「結婚なんていいものじゃない」
「自分の感情は出してはいけない」
「こんな駄目な自分は幸せになってはいけない」
「良い子でいないと愛されない」
「自分さえ我慢すればいい」
「自分は悪いから罰を受けて当然」
「人よりも自分は劣っている」
「人を信じたら裏切られる」などのマイナスの感情が刷り込まれ、自己肯定感も持てなくなります。
つまり、いつも自分自身を否定し続けることになります。
自分を責めたり、否定し続ければありのままの自分は受け入れられないので「もっと頑張らないと」とがんばり続けなければいけなかったり、何をするにも頑張る気力がわかなかったりしてしまいます。
自己否定が強いとゆがんだ認知が起こります
否定的な影響によって、大人になってからもいろいろな認知のずれが生じます。
例えば人から「なんでこんな間違えしたの?」と言われた時、自己肯定感のある人は「自分のやった行動が悪かった」と理解しますが、自己肯定感のない人は「間違えた自分が悪い」と受け取ってしまいます。
物事に対してゆがんだ受け取り方(偏り)をするようになります。
「一緒に買い物に行こう」と誘われても、「どうせ自分は引き立て役だ」
学校や職場でも「目立つと嫌われてしまう」「意見を言って否定されたら嫌だから黙っておこう」等々。
相手がそんなことを思っていなくても
「自分はダメだ」
「自分なんか好かれるはずが無い」などとゆがんだフィルターをかけて自分を見ているので、人が褒めても自分自身が自分を認めていないため、「お世辞を言っているんだ」「皮肉を言われてる」と素直に受け取ることが出来なくなってしまいます。
そして自分は受け入れられないと思っているため、気持ちを表せなくなってしまいます。自分の感情を抑え続けていると次第に自分が何をしたいのかが分からなくなります。
でも、感情のない人はいません。自分の感情を無視し続けると、何かのきっかけで「怒りや、わけのわからない苦しい感情」が沸き出てしまいます。自分ではコントロールできない感情です。
健全な心を育てる育て方
人は赤ん坊の頃におっぱいやおむつ交換等、自分の欲求が満たされることで無条件で受け入れてもらう、安心感や信頼感などが芽生えていきます。
愛情をもらい、しっかりそれを感じることで、自分自身も信頼できる存在なんだという感覚も育まれます。そしてその感覚が「ありのままでいい」「自分は愛される存在だ」という意識になって、自然に潜在意識の中に入ります。
言葉にしなければ分からない思い
良い子に育ってほしくて、将来のことを考えて・・・厳しくしたり、教えたり、子育てに無我夢中で取り組んできた方も多いと思います。
その中で間違ったメッセージを伝えてしまうこともあるでしょう。
ただ、習い事をたくさんさせてもらった、高いお金を払って塾に行かせてもらった、私立に通わせてもらったから・・・・「愛されている」という実感はわきません。
たまに愛着障害でも「愛されて育ってiいます」という方もいらっしゃいます。
何不自由なく育てられた、あれも買ってもらった、してもらったという中に、物の存在ばかりで愛された具体的な思い出は入っていません。
「あなたが大事」
「あなたは大切な存在」
「あなたを愛している」というメッセージや態度はとても大切です。
日本人は褒める事が苦手な人が多いと思いますが、世界の先進国に比べてかなり自己肯定感が低いのも、これが影響しているのだと思います。
自己肯定感が持てると何かにチャレンジする勇気も持てます。
今自分が価値がないと思っている方へ
自分が今、価値がないと思うのはゆがんだフィルターのせいです。
「自分は価値ある存在」という事を認識してください。
辛い感情は、あなたが頑張ってきた証です。
出来ている事、してきたこと、ほめられたことを認めてください。
今までたくさんの辛い出来事や状況に頑張ってきた自分を、ちゃんと認めて大切にしてください。
「頑張ってきた自分は幸せになってもいい」【幸せになる】と決めて欲しいのです。
今も良くない状況にいるのなら、「そこから抜け出していい」つまり必要以上に我慢しなくて良いのです。「自分が幸せになるための行動を起こして良い」と決めて欲しいのです。
そして、失敗しても終わりではありません。マイナスな出来事の中の「経験」で学ぶことがあります。例えば自分が傷つけられてきたのなら自分のように傷ついた人を思いやることができる。立ちなおれないと思うくらい大きな失敗をしたとしても、これで終わりにはならないし、同じことをしないようにすればいいだけです。
虐待されて育っても子供たちをちゃん愛情深く、自分が与えてもらえなかったものを与えている人もいます。虐待していた親と同じような人生を歩むとは限りません。
もし、辛くて自分の人生を諦めてしまっている人が居るのなら、あきらめないで欲しいのです。
カウンセリング大空では、心理講座も行っています。
自己肯定感の低い方は「自分を好きになる講座」で自己肯定感や講座内で一つ、問題解決のアドバイスも行っています。
今のこの辛い感情も変えることはできます。ただし「変えて欲しい」と思うのではなく「変える」と決める事が大切です。
過去は変えられませんが、これからの人生は自分で選ぶことができます。
今ここから、できる事で変えられる人生はきっとあります。