親しい人へ「分かってもらえない」伝わらない気持ち

飯塚和美

飯塚和美

テーマ:考え方を変えてみる

今日は、過去にあった辛い経験、親子やパートナーへ「分かって欲しい」と思う気持ちが伝わらず、苦しむ方のお話をしたいと思います。

カウンセリングでよく話に出てくる言葉は「分かってくれない」「分かってもらえなくて辛い」という言葉です。過去に傷ついた自分の気持ちが少しも相手に伝わらず、ずっと理解されなくてその気持ちから解放されずに時間が止まったように辛い思いをしている方のお話は、聴いている私も苦しくなる思いです。

人は成長過程で「愛して欲しい、自分を理解して欲しい、そのままの自分を受け入れて欲しい」という気持ちが満たされないまま大人になると、ずっとそれを求め続けてしまう事がよくあります。親へ愛情を求めるのは(ストレートな表現でない事も多いのですが)「大人になった今の自分」ではなく「こどもの頃の自分」です。パートナーに求めてしまうのは、親への思いがそのままパートナーへシフトして求めている事もあります。

ただ、悲しい事にその必死な思い「愛して欲しい、認めて欲しい、分かって欲しい」という気持ちを満たしてあげる方法を相手も自分自身も分からず苦しむ場合が多いのです。ひと言で「愛情が足りなかったんだから、補えばいい」と言っても具体的には「愛し方」が分かりません。傷つけられた方も、過去のやり取りで印象に残る言葉ばかりを言って具体的にどうして欲しいとは言えません。たとえ「あやまって欲しい」と言われてあやまっても、結局は「本気であやまっていない」などと言い、すっきり解決される事はありません。

傷つけた方も自分の過ちを認めて償おうとしても、過去をやり直すことは出来ないし、どうしていいのか途方にくれます。傷つけられた方は、感情的に怒りをぶつけるて少しの間楽になった気がする、そしてまた思い出して腹が立つ、また感情的に怒りをぶつけるという繰り返しをしてしまう。これを続ければお互いに苦しい時間が続き、ついには悪いと思っていた方も耐え切れなくなり爆発して、また深く傷つけあう事にもなりかねません。

すっきりしないかもしれませんが、心を楽にしたいのなら、相手と心理的に離れることが良い改善策になります。別れるとか絶縁するとかいうのではなく、依存しない「相手に求める他者中心の考え方をやめる」事です。

次回はこの続きですっきりしない理由についてもお話ししたいと思います。


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