言葉を上手に使う事で相手の態度や関係性が変わってきます
今日は怒りについてお話しします。
意識する事は少ないと思いますが、私たちは怒りが起こる時、頭で理解するよりも身体の反応の方が早いと言われています。身体に出る反応は、心臓が早くなる、血圧上昇、額が熱くなる、血が頭に上り手足が冷たくなる、呼吸が荒くなる、呼吸が出来ない、冷汗が出るなど、この他にも様々な反応が見られます。そのため怒りの感情は身体によくない影響を与えます。
感情を表現する事は大切な事です。嬉しさ、楽しさ、悲しみなどはそのまま表現しても、人に影響を及ぼすような問題にはさほどなりません。もちろん、怒りの感情を誰にも向けないで我慢するより、多少の表現は時には必要です。ただ、強い怒りや、その表現方法が相手や自分自身を直接傷つけるものだったりすると問題になります。
暴力、物にあたる(物を壊したり、傷つけたりする)、人をけなす、怒鳴る、リストカットなどの自傷行為をする、薬物乱用、過食、行き過ぎるギャンブル、所かまわず泣き叫ぶなど、怒りの感情は、人に迷惑をかける行動に結びついてしまいます。この行動表現にはきっかけが考えられます。
・自分の育った環境
家庭で見たり聞いたりして学んでしまったもの
・無意識な報酬
例えば、家族などが嫌な事を言った際に、怒ったら相手が黙ったりすると、その事をやめさせる「自分にとっての良い結果」が出たことになります。そのため次に同じような嫌な事があった時に、また怒りをぶつけて黙らせる。と言うようなパターンが出来てしまいます。
・怒るとアドレナリンが出ます。怒った後に気持ちがすっきりするなどして、その事が忘れられなくなり、また繰り返したくなってしまいます。その他、相手がおどおどするような態度を見ると、良い気持ちになり、やめられなくなってしまいます。
このように怒りの行動は習慣になって、気付かぬうちに依存症へと進行してしまう事もあります。
対処法
・怒りの原因を探る
その怒りは当然の事なのか、理屈に合わない事なのかを怒りがおさまったら考えましょう。
・相手が自分に害を与えようとしたと感じた場合、何が原因でどのような怒りが起きてきたかを書き出してみましょう。
その際一人で考えても偏った考えになるので、複数の仲間に見せるか、セラピストに見せて正当な怒りかどうかを確かめてもらいましょう。
・もし、自分の考えが偏ったものだと分かった場合は、考え方を変える努力をしてみましょう。
始めは腹が立ったリ嫌な感情が出るかもしれませんが、繰り返し修正する事で心の安定が得られ、心が楽になります。
怒りの感情が起こった時、「何でこんなことをするんだ」とか「何で分からないんだ」などと、相手を責める気持ちは捨てましょう。相手のせいにしたり、相手を責めても心の安定は得られません。自分を変えるチャンスも得られません。怒り続けていると体の免疫力も落ち、先ほど述べたような身体的、精神的な負担もかかってしまいます。
自分と向き合う事は、怖かったり、辛かったりするかもしれませんが、孤独に感じたり、嫌な感情に支配される人生より、心穏やかに過ごす人生の方がずっとずっと楽になれることに気付いてください。
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