Microsoftになりすましたフィッシングメールに注意 リンク先をクリックしてはいけません
かつてそこには容量との格闘があった
●ITサポートの現場でよく出てくるのがデータサイズ(容量)に関係するトラブルです。データが大容量化している今の時代に、サイズや容量の問題がまだあるというのは意外かもしれません。ITサポートの最前線で起きていることは大容量が扱えるようになって便利になったことの裏返しによる副作用といえます。
●コンピュータの普及黎明期はハードウェアの処理能力や容量が今ほど大きくなかったため、操作にも様々な制約があるのが普通でした。特に、限られた容量内で処理をいかに早くできるかは最大の懸案事項でもありました。
●プログラムのデータなども可能な限りいろんな部分をシェイプアップしたり、省略したりしてその場をしのいできました。しかし、そのために起きたのがかつての2000年問題です。省略しすぎたことによって起きた問題でしたが大問題となりました。
●インターネットの登場初期は回線速度も転送速度も、何もかもが「遅い」、「少ない」のが常識でした。そのため様々な手法で工夫と対応がなされてきました。それは現在でもいろんなところで名残として残っています。
●その一つとして現存しているのは圧縮解凍です。
●メーラーでメールサーバーを経由した場合、サーバーには容量制限があるため大きな容量の添付ファイルは送れません。当時は回線速度も遅かったためにできるだけ容量を小さくし、時間で課金されていた通信費を削減しようとするなど様々な工夫が行われました。
●記憶デバイスの容量もフロッピーディスクの容量はあまりに小さかったし、フラッシュメモリ容量も今と比べたら雀の涙ほどでした。そういうこともあって圧縮解凍技術も普及しました。画像がJPG化し、音声がmp3化しました。IT黎明期にIT業務を始めた私も当時は毎日がデータ容量との格闘でした。
●しかし今では、光回線などのブロードバンドがほぼ行き渡り、回線速度も速くなって大容量のWebストレージ、高容量の記憶デバイスも普及して容量に関する問題が次々とクリアされています。
●そのためデータの圧縮解凍もいまではオワコン気味で、ひょっとしたら今時はその意味はおろか、存在さえ知らない人も多いのではないかと思います。
データ容量との闘いは終わったのか?
●ところが、まだ環境やデバイスによっては容量を考えないといけないシチュエーションが多いというのが現状です。あまりに便利になりすぎたせいで容量への関心が薄れ、トラブルを自ら発生させていることが多くなっています。
●その例としては以下のようなものがあります。
○メーラー(メールサーバ)を使ったメールの送信で大容量の画像や資料を添付して送信ができないというトラブル。
※まだメールサーバには容量制限がある。資料データを圧縮するか容量が小さいファイルサイズになる形式でエクスポートし送信する。
○サイズ制限のあるWebサイトへデータをアップロードする際、フルサイズの写真データなどそのままアップしようとして失敗する。
※サイズに関する認識がないのでリサイズが分からない。サイズ制限のあるサービス環境は多いので画像編集ソフトなどでリサイズする。
○写真などの生データを多数挿入した文書を作成してサイズが巨大になり、アプリケーションが開くのに時間がかかるようになるなどトラブルを自ら誘発。
※使用する画像データなどはできる限りリサイズ(縮小)したものを使用する。
○そもそも圧縮解凍が何か分からず、送られてきた圧縮形式の添付ファイルやネットからダウンロードしたファイルが開けない。
※アーカイバ(圧縮解凍ソフト)をインストールしましょう。
○Cドライブ容量が少ないPCでDドライブが空っぽなのに、Cドライブが動画や写真、音楽データなどで容量不足に陥っている。
※125GB~256GBのSSDシステムドライブにデータを格納しないこと。データは外部の記憶デバイスやクラウド上などにこまめに移動、管理する。ユーザーフォルダの「場所」設定を変更する。
●今では大容量ハードディスクに高速CPU、大容量メモリ、OSの64bit化など端末の能力も強力になり、余程のことがない限りサイズの大きいファイルでも気にならないレベルで操作できるようになりました。
●だからといって、上記のようにどんな場面でも大丈夫というわけではありません。ファイル容量にも気をつけて端末運用をするように心がけ、トラブルを未然に回避しましょう。
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