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どのメーカーを選ぶ?日本と世界の2022年パソコンシェア、2023年版PCメーカー相関関係

2023年6月17日

テーマ:ITトレンドと話題になっていること

コラムカテゴリ:くらし

2022年日本国内のパソコンメーカーシェア

2022年度の日本のパソコンメーカーのシェア(出荷台数)を見てみましょう。



1位は、NECと富士通のパソコン事業を傘下にしたLenovoグループで、そのシェアは圧倒的になっています。ITサポートエンジニアの立場で現場実態から推測されることとして、Lenovo自体は低価格という面で選択されていることが多く、メーカーブランドとしての積極的な選択になっていない傾向にあります。国内の一般ユーザーの認知度は「Lenovoって何?」とたびたび言われるほど非常に低いものになっています。

それでもグループで高いシェアになっている理由として日本国内での未だに根強いブランド志向があります。NEC,富士通がいまだに日本製と思っているユーザーも一定数存在していて選択肢になっているようです。また、企業や公的機関などでの採用度合いも高くシェアを押し上げているものと見ます。

2位の日本HPですが、製品品質が非常に高く仕様もカスタマイズ可能としている点で消費者の満足が満たされるものになっています。サポート体制も整っているので一定の高い評価があります。また、アメリカによるマネジメントが確立しているという信頼性の点で選択肢になっていることもあります。

3位のDellは、低価格が最大のセールスポイントといって良いでしょう。

4位のシャープ(dynabook)は東芝のPC部門を吸収し、旧東芝のシェアをそのまま引き継いだ形になっています。

2022年の世界のパソコンメーカーシェア

次に世界のパソコンメーカーシェアです。



1位はLenovoです。Lenovoは価格帯も安価ですがデザインや使い勝手など以前のIBMからの流れをある程度維持している部分があり、その点で選択肢になっている向きもあります。

2位はHP,3位はDellでほぼ同じ程度のシェアになっています。どちらもアメリカ企業ですが製品におけるマネジメントがアメリカ中心で行われているHPに対して、Dellは中国依存度が高いことが違いとしてあります。

4位はAppleです。前年度より多少アップしています。しかし、現在では売り上げベースをみてもパソコンの比率は20%以下で、ほとんどがiPhoneに依存しています。

5位はASUSです。台湾企業で、マザーボードなどのOEM供給を行っていますが独自ブランドのPCもあります。周辺機器などにも定評があるメーカーです。

2023年6月時点の主要パソコンメーカー相関図

最近のパソコンメーカーを取り巻く状況は相次ぐ再編や買収などで数年で激変してしまうほど変化が激しくなっています。パソコンを購入する際に、ユーザーにはこれまでメーカーで選択するという選択権がありました。ところが今ではそのような選択肢は何の意味も持たなくなるほどメーカーの実態が変わってしまっています。そこで今回は、現在のパソコンメーカーが一体どのような状態と関係にあるのか調査しました。

現在の主要パソコンメーカーがどのような関係にあるのか以下のようなマップを作成してみました。※内容はネットの情報を元にしていますので多少の差異はあるかもしれません。


現在の日本のパソコンメーカーの実態

日本のパソコンメーカーは大きく分けると専業メーカー系と家電・音響メーカー系に分けられます。例えば、NECや富士通は専業系で、VAIO(旧SONY)やSHARP、Panasonicなどは家電・音響系といえます。そのほかにはBTO系のメーカーがあり、例えばマウスコンピューターやパソコン工房、ドスパラなどがあります。

世界のパソコンメーカーシェアを見てわかる通り、日本のメーカー名がありません。その他に分類されてしまっています。相関図を見てわかる通り現在日本の主要なパソコンメーカーは、アメリカ、台湾、中国の傘下に入っています。これはパソコンメーカーに限った話ではなく、日本経済の失われた30年ですべてにおいて没落を招いた結果でもあります。

AI時代到来で、パソコンメーカーにどんな変化が?

ChatGPTなどの対話型AIの普及でデバイスとしてのパソコンの立ち位置やメーカーの対応など、これから相当な激変が起きるかもしれません。AIがパソコン業界にどのような変化をもたらすのか、業界だけでなくデバイスとしてのパソコンがどう変貌を遂げていくのか非常に興味深い展開になりそうです。

具体的には、AIに特化したプロセッサの登場、AIとの対話を映像と音声でスムーズに行うためのデバイスの標準搭載化などが考えられます。日本はこのまま電子ガラパゴス国として細々とやっていくのか、何か起死回生の一撃で打って出られるのか、まさにその岐路に立っているのではないかと思います。

この記事を書いたプロ

古賀竜一

コンピューターサポートのプロ

古賀竜一(九州インターワークス)

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